
しかし、本当はもらえる年金があるのに、手続きをしていないためにもらえなくなってしまうかもしれません。

執筆者:井内義典(いのうち よしのり)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー
1982年生まれ。株式会社よこはまライフプランニング代表取締役。
資格学校勤務時代には教材編集等の制作業務や学習相談業務に従事し、個人開業の社会保険労務士・FPとしては公的年金に関する研修講師を務め、また、公的年金の相談業務も経験してきている。
これらの経験を活かして、専門誌で年金に関する執筆を行っている。2018年に、年金やライフプランに関する相談・提案、教育研修、制作、調査研究の各事業を行うための株式会社よこはまライフプランニングを設立、横浜を中心に首都圏で活動中。日本年金学会会員、日本FP学会準会員。
働いているからもらえなくなるとは限らない
仕事をしていると、あるいは収入が高いと年金がもらえないと思って、年金事務所等への老齢年金の請求手続きをしていない人もいるでしょう。
しかし、年金が支給されないのは、例えば、年金を受け取る年齢になって以降在職し、厚生年金加入中の場合です(在職老齢年金制度による支給停止)。厚生年金加入中で給与や賞与の額が高ければ報酬比例部分の老齢厚生年金が1円も支給されないこともありますが、厚生年金に加入せず、自営業で仕事をしている場合や不動産収入がある場合は、収入が多くても、当該年金は支給されることになります。
また、65歳以降厚生年金に加入していても、老齢基礎年金、老齢厚生年金の経過的加算額(老齢基礎年金に相当するとされている加算部分です)については給与・賞与の額に関係なく、受け取ることができます(【図表1】)。

年金には時効がある
年金には5年の時効が定められています。受給できる年齢になって5年をかなり過ぎてから請求手続きすると、原則、過去5年分の年金はさかのぼって受け取れても、それよりも前の分が受け取れないことになります(【図表2】)。

「働いていても実はもらえた年金を、手続きが遅かったために受け取れなくなった」ということになり、言い換えますと、「60歳から受け取れる年金を60歳になった時に請求手続きをしていた場合は、時効にかかることもなかった」ということになります。
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時効にかからないよう請求手続きは早めに
年金を受け取るためには、一度、請求手続きをしなければならないことには変わりありません。
5年の時効にかかって受け取れない年金が出てしまうことを確実に防ぐためにも、受け取るために必要な資格期間(10年以上の保険料納付・免除等)を満たし、受け取れる年齢に達している方はなるべく早めに年金の請求手続きをしたほうが良いでしょう。
Text:井内 義典(いのうち よしのり)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー