更新日: 2019.01.10 厚生年金
改めて確認!正社員しか加入しない訳じゃない、他にも厚生年金に加入する人とは?
では、そもそも厚生年金に加入する人とはどういった人でしょう。加入する条件について改めて確認してみましょう。
Text:井内義典(いのうち よしのり)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー
1982年生まれ。株式会社よこはまライフプランニング代表取締役。
資格学校勤務時代には教材編集等の制作業務や学習相談業務に従事し、個人開業の社会保険労務士・FPとしては公的年金に関する研修講師を務め、また、公的年金の相談業務も経験してきている。
これらの経験を活かして、専門誌で年金に関する執筆を行っている。2018年に、年金やライフプランに関する相談・提案、教育研修、制作、調査研究の各事業を行うための株式会社よこはまライフプランニングを設立、横浜を中心に首都圏で活動中。日本年金学会会員、日本FP学会準会員。
正社員だけでなくアルバイトやパート勤務の人が入ることも
まず、従業員として勤務する人が厚生年金に加入するかどうかは勤務時間・日数によって決まります。フルタイムの正社員や契約社員はもちろん加入することになりますが、常用のアルバイトやパートの場合も、フルタイムが週40時間として、その4分の3である週30時間以上勤務するのであれば、厚生年金の加入の対象になります。
その勤務条件で採用されると、それまで国民年金の保険料を納めていた人も、扶養に入っていた人も厚生年金に加入し、給与や賞与の額に応じて計算された厚生年金保険料が給与や賞与から引かれることになります。
ただし、従業員501人以上の企業であれば、週20時間以上勤務し、月給(標準報酬月額)が88,000円以上で、1年以上勤務することが見込まれた人も厚生年金に加入することになります(昼間部の学生は除かれます)。大手スーパーでパート勤務を考えている人などは、採用される時に、勤務時間や社会保険の加入についてよく確認する必要があるでしょう。
また、従業員500人以下の企業でも会社と従業員の間に合意があれば、上記週20時間勤務等の要件を満たした人は厚生年金に加入することになります。
なお、従業員が厚生年金に加入するかどうかは、勤め先の事業所として厚生年金の適用を受けるかどうかで異なります。
会社など法人の事業所は強制適用になりますので、先述の要件を満たした従業員は厚生年金に加入することになりますが、勤務先が個人事業の場合はその事業内容や従業員数によって異なりますので、注意が必要です(【図表1】)。
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年金を受けられるようになっても70歳までは加入!
厚生年金に加入するのは原則70歳までです。60歳台を迎え、老齢年金を受けられる側になっても、引き続き会社員あるいは先述のアルバイト・パート従業員として在職中の場合は、70歳まで被保険者として厚生年金に加入し、毎月保険料を負担することになります。
在職して厚生年金に加入している間は、自身の受け取る老齢厚生年金が給与や賞与の額に応じて支給されないことがあります(在職老齢年金制度)。
他方、在職中加入して給与・賞与から引かれた保険料の分については、退職時、65歳到達時、あるいは70歳到達時に自身の老齢厚生年金に反映されることになり、再計算の上、年金額が加算されることになります(【図表2】)。
加入した月や保険料の額に応じて、再計算で加算される額は変わることになるでしょう。
Text:井内 義典(いのうち よしのり)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー