年金が積み立て運用されているって本当!? もし運用に失敗したら年金はどうなる?
配信日: 2023.07.20

実際に、年金積立金の管理・運用に携わる「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」によって、長年にわたり運用されています。GPIFによる積立金の運用は、年金制度の維持に大きく貢献しています。
「年金積立金を運用するとはどういうことなのか」「失敗して年金が受け取れなくなることはないのか」など、不安に思う方も多いでしょう。今回は、年金積立金とその運用について、ご紹介します。

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年金が積み立て運用されているのは本当?
国民年金・厚生年金ともに、GPIFにより運用されています。この情報だけでは「支払った年金を、そのまま給付に充てているのではなかったの?」とか、「運用に失敗したら、年金を受け取れなくなるの?」など、不安を抱く方も多いでしょう。
しかし、年金として現役世代が支払っているお金と年金積立金は、それぞれ異なるお金を指しています。
公的年金は、賦課方式(そのときの保険料支払いから捻出する方法)が採用されており、現役世代が支払った年金を、そのまま受給者への支払いに充てる形になっています。一方の年金積立金は、持続的かつ安定的な年金制度の実現を目的として、調整・補塡(ほてん)のために使われるお金です。
年金積立金があることで、現役世代の減少をはじめとした、財源確保に関する問題が発生しても、きちんとカバーできるようになっています。
運用に失敗したらすぐに年金を受け取れなくなる?
年金積立金は、令和3年度(2021年)には、平成13年(2001年)以降の累積収益が、116兆円を突破しました。近年における年金積立金の収益額は、表1のとおりで、おおむね黒字で運用されてきたといえるでしょう。
表1
出典:厚生労働省「令和3年度年金積立金の運用状況について」
しかし、「もし、年金の積み立て運用が失敗してしまったら、どうなるのか」と、不安に思う方も多いのではないでしょうか。
年金の支払いは、現役世代が支払った年金(保険料収入)・国庫・年金積立金の3本の柱で支えられています。そのため、年金積立金の運用が失敗したからといって、すぐに受給ができなくなるわけではありません。
またGPIFは、国内債券・外国債券・国内株式・外国株式へ、分散投資・長期運用をして、リスク分散をしています。そのため、運用に失敗して、年金積立金が0円になってしまう事態を避けられるように、きちんと対策がとられています。
年金積立金の運用で不足分をカバーできる
国民年金・厚生年金ともに、GPIFによって運用・積み立てがされています。これは、現役世代の国民が年金として支払ったお金とは別に確保されており、年金が不足した際に用いられます。年金積立金があることで、現役世代が減少しても、年金制度の破綻を免れられる仕組みになっているのです。
GPIFによる運用によって、年金制度は、長期的に維持しやすい体制となっています。
出典
厚生労働省「令和3年度年金積立金の運用状況について」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー