あなたが知らない「iDeCo」と「つみたてNISA」の8つの違い

配信日: 2018.08.01 更新日: 2019.01.10

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あなたが知らない「iDeCo」と「つみたてNISA」の8つの違い
株式投資や不動産投資など、資産を増やすためにできることはいろいろありますが、やはり初心者が取り入れやすいのは、投資信託などを長期で積み立てていく運用ではないでしょうか。
 
運用をしようかなと思い始めたときに「確定拠出年金(iDeCo)」や銀行などで紹介される「NISA」という言葉を聞いたことがある人も多いと思います。「NISA」の中でも2018年1月からは「つみたてNISA」という制度もスタートしました。
 
どちらも長期分散投資に適しているという説明も多く、その違いや使い分けについて気になっている人も多いですね。その違いを8つのポイントに分けて説明します。
 

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塚越菜々子

Text:塚越菜々子(つかごし ななこ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
お金の不安を賢く手放す!/働くママのお金の教養講座/『ママスマ・マネープログラム』主催
お金を貯める努力をするのではなく『お金が貯まる仕組み』づくりのサポート。保険や金融商品の販売を一切せず、働くママの家計に特化した相談業務を行っている。「お金だけを理由に、ママが自分の夢をあきらめることのない社会」の実現に向け、難しい知識ではなく、身近なお金のことをわかりやすく解説。税理士事務所出身の経験を活かし、ママ起業家の税務や経理についても支援している。
https://mamasuma.com

1:制度を利用できる条件

自分はその制度を使えるの? 使うにあたってどんな条件があるの? という質問もよくお受けします。
 
◆iDeCo
国民年金や厚生年金に加入している60歳までの人が加入できます。公的年金を未納にして「iDeCo」だけ払いたいというのは認められていません。
 
◆つみたてNISA
日本に住んでいる20歳以上の人が加入できます。ただし従来の「一般NISA」を開設している場合は、「つみたてNISA」を別に始めることができません。「一般NISA」から「つみたてNISA」に切り替えたい場合は、現状の運用資産をよく確認してから行いましょう。
 

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2:利用できる期間

いつでも、いつまででも利用できるものではなく、それぞれに条件があります。
 
◆iDeCo
お金を積んでいける期間は60歳までと決まっています。そのあとは、70歳まで預けた商品の運用益は非課税で継続することができます。
 
◆つみたてNISA
現状では、2018年から2037年までの20年間、新規の積み立てが可能です。積み立てたものは、最長で20年間運用益などが非課税で持ち続けることができます。
 

3:税制上の取り扱い

節税といわれることがありますが、税金上の取り扱いも違いがあります。
 
◆iDeCo
「iDeCo」に預けたお金は上限までは、税金(所得税・住民税)がかかる元から差し引くことができます。その分税金の負担が軽くなります。また、税金ではありませんが、住民税の所得割から計算される保育料や国民健康保険なども安くなる可能性があります。「iDeCo」内で購入した商品の利益(運用益)には、通常課される約20%の税金はかかりません(運用益非課税は「つみたてNISA」も同様)。
 
◆つみたてNISA
「つみたてNISA」に預けたお金は、通常の銀行などに預けたお金と同様のため、税金が安くなるという取り扱いはありません。運用益非課税は「iDeCo」と同様になっています。
 

4:預け入れできる限度額

お得な思いができるならどんどん利用したいと思っても、それぞれに限度があります。
 
◆iDeCo
自分が加入している年金の制度や、会社にどのような年金制度があるかによっても違ってきます。一番少ない人で年間14万4000円から、一番多い場合は個人事業主などの一号被保険者の81万6000円と開きがあります。公務員などは年間14万4000円。一般的なサラリーマンの多くは年間27万6000円程度が限度額となります。
 
年間27万6000円を40歳から20年積むとすれば、預入の上限は552万円になります。途中で自分が加入している年金や働き方が変わる可能性もありますので、転職などの可能性がある場合はしっかりと制度を確認おきたいところです。
 
◆つみたてNISA
こちらは、加入者が一律で年間40万円預け入れできる限度額となっています。毎年40万円を20年間ですので、限度額は800万円となります。個人事業主などの1号被保険者以外は、拠出できる限度額は「つみたてNISA」のほうが大きくなっています。
 

5:購入できる商品種類

購入したい金融商品が決まっている人はそれほど多くはないと思いますが、これ! と決まったものがあるようでしたら、どちらが購入に適しているかを比べる必要があります。
 
◆iDeCo
投資信託のほかに、元本保証の定期預金や保険商品を購入することができます。
 
◆つみたてNISA
金融庁が長期の資産運用に適していると認めた投資信託やETFなど151本(2018年6月時点)が購入できます。元本保証商品はありません。
 

6:購入した商品の交換(預け替え)

一度購入した商品を他の商品に変えることをスイッチング(預け替え)といいます。
 
◆iDeCo
「iDeCo」の口座の中では、自分の好きなタイミングで購入した商品を別のものに預け替えることができます。手数料もかかりませんし、自由に動かすことができます。
 
◆つみたてNISA
「つみたてNISA」で買った商品はいつでも売却できますが、売却してしまうとその枠は再利用できませんので、他の商品に預け替えることはできません。
 

7:引き出すことができるタイミング

自分が預けている口座ですが、引き出せるタイミングはそれぞれ違います。
 
◆iDeCo
「iDeCo」は確定拠出『年金』です。あくまで老後のための年金制度のため、原則として60歳になるまで預けたお金を引き出すことはできません(積立期間によってはもっと受け取り開始が遅くなる場合も)。60歳になる前に、必要なお金は「iDeCo」ではないところで用意する必要があります。無理しすぎることのないようにプランニングしましょう。
 
◆つみたてNISA
「つみたてNISA」はいつでも売却して現金化することができます。長期投資に適した制度ですが、短期的に払い出しすることに特に制限があるわけではありません。ただし、売却したからといって、その枠が再利用できないことだけは注意したいです。
 

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8:手数料(口座管理料)

銀行に口座を持っていても手数料を取られるケースは多くありませんが、それぞれ口座を開いた場合の手数料にも違いがあります。
 
◆iDeCo
「iDeCo」は始めるときに3000円弱の手数料がかかります。また金融機関によって違いはありますが、毎月最低でも167円は手数料がかかる仕組みになっています。また受け取り時も振り込みの都度手数料がかかります。
 
◆つみたてNISA
「つみたてNISA」の場合は開始時にも毎月も手数料はかかりません。
 
いかがでしたでしょうか?
 
どちらが優れている、どちらが劣っているということではありません。それぞれに特徴があるので、自身のライフイベントやライフプラン、それにかかるお金などを見積もったうえで、どちらも並行して使っていくとより長期の資産形成には有利になるはずです。
 
Text:塚越 菜々子(つかごし ななこ)
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