年金に税金がかかる? 月約16万円からどのくらい引かれる?
配信日: 2023.04.27
公的年金は雑所得に分類され、所得税と住民税が課税されます。とはいえ、すべての人に所得税や住民税がかかるわけではありません。本記事では、公的年金をどのくらい受け取れば所得税や住民税がかかるのか、具体的にどのくらい税金が引かれるのかについて解説しています。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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年金に税金がかかる場合
公的年金の金額は、現役時代に支払った保険料の期間や、所得に応じた保険料納付金額によって決まります。そして、年金の額面金額から、公的年金等控除と基礎控除を除いた金額がプラスになる場合、税金がかかります。
具体的には、年金の額面金額が、65歳未満の人で108万円以下、65歳以上の人で158万円以下であれば、税金はかかりません。
ただし、これらの金額を超える人でも、現在負担している社会保険料の金額や配偶者、扶養などの状況により、税金がかからない場合もあります。
所得税は具体的にいくらかかるのか
それでは平均的な収入の場合、所得税はどのくらい引かれるのか、見ていきましょう。厚生労働省の「令和5年度の年金額改定についてお知らせします」によると、平均的な収入の会社員が受け取る年金額は月額15万8232円です。これを年額にすると189万8784円ですので、所得税はかかります。
所得税は「(所得-控除)×税率」により求められます。そして、今回の場合、年金にかかる所得税(復興特別所得税を含む)の計算式は次のとおりです。
(年金額-社会保険料控除など各種控除)×5.105%
控除額は、全員一律の基礎控除が48万円、収入に応じて計算される公的年金等控除額は次のとおりです。
189万8784円×0.25+27万5000円=74万9696円
なお、今回は社会保険料控除や配偶者控除などはないものとします。
つまり、控除額は基礎控除と公的年金等控除で122万9696円となります。
よって、所得税は「(189万8784円-122万9696円)×5.105%」で約3万4157円です。これは年間の金額なので、1ヶ月あたりすると約2846円となります。
所得税以外に年金から天引きされるものについて
所得税以外に年金の額面金額から天引きされるものとして、住民税や国民健康保険料、介護保険料などがあげられます。これらの金額は住まいや年金の額面金額によって変わりますが、所得税と合わせるとおおよそ年金の額面金額の1割程度となります。
つまり、年金の額面金額が月額15万8232円でも、おおよその手取り額は14万円程度となるでしょう。
年金の手取りについて把握しておこう
将来受け取る年金の金額について考える際には、額面だけでなく、手取りがいくらなのかを把握することが大切です。国民健康保険料や介護保険料の金額は、居住する市区町村のホームページや担当者に連絡するなどすれば分かるはずです。実際に手元に残る金額を確認しておきましょう。
出典
国税庁 高齢者と税(年金と税)
国税庁 No.1199 基礎控除
厚生労働省 令和5年度の年金額改定についてお知らせします
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー