長い間年金を未納していた…保険料を支払った期間が10年未満の場合、年金はもらえないの?

配信日: 2023.04.11

この記事は約 4 分で読めます。
長い間年金を未納していた…保険料を支払った期間が10年未満の場合、年金はもらえないの?
老後に公的年金を受け取るためには、年金への加入期間が10年以上必要となります。では、何らかの理由で保険料を納めることができず、支払った期間が10年に満たない場合、全く年金を受け取ることはできないのでしょうか?
FINANCIAL FIELD編集部

日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。

公的年金の受給要件

まずは公的年金を受け取るための条件を確認しておきましょう。老齢基礎年金と老齢厚生年金に分けて解説します。
 

老齢基礎年金の受給要件

老齢基礎年金の受給要件は、受給資格期間が10年以上あること。受給資格期間は、以下の(1)(2)(3)を合わせた期間のことをいいます。

(1)保険料を納付した期間
(2)保険料納付を免除された期間
(3)合算対象期間(カラ期間)

(2)は、障害基礎年金や生活保護を受けている人の保険料が全額免除される法定免除と、所得が一定額以下の人が申請することで保険料を減額、または免除してもらう申請免除の両方を指します。
 
この期間も、将来もらえる年金額の計算対象に含まれます(年金受給額は通常の保険料を支払った場合よりも減額されます)。
 
(3)の期間は(2)とは異なり、将来受け取る年金額の計算対象には含まれません。あくまでも受給資格期間に換算されるのみです。日本国籍を持った人が海外に住んでいた期間や、学生の間の保険料支払いが猶予される(学生納付特例)期間などが該当します。
 

老齢厚生年金の受給要件

老齢厚生年金の受給要件は、老齢基礎年金の受給要件を満たし、さらに厚生年金に加入している期間が1ヶ月以上あることです。
 

受給資格期間は保険料を納付していた期間だけではない

ここまでみてきたように、公的年金は受給資格期間の10年を満たさないと受け取ることができません。ただ、受給資格期間は保険料を納めていた期間だけではなく、手続きをして納付を免除、または猶予されていた期間も含めることができます。
 
年金を受け取れないと諦めていた方も、保険料納付免除期間や猶予期間を合わせると10年を満たす可能性があるため、これまでの加入実績を一度調べてみてください。
 

受給要件を満たすためにできること

ここからは、年金受給資格期間が10年に満たない方が受給要件を満たすためにできることを解説します。
 

保険料免除・猶予の手続きをする

保険料の法定免除や申請免除、学生納付特例制度、納付猶予制度を使う際には、必ず届け出や申請をしなければなりません。手続きを行わないと未納という扱いとなってしまい、受給資格期間に含まれなくなるため、これから保険料の免除や猶予を希望する方は、手続きを忘れずに行いましょう。
 

2年前までさかのぼって納付する

国民年金保険料は、納付期限から2年間さかのぼって納付できます。もう少しで受給資格期間の10年を満たせるという場合は、過去2年分を納付することで、年金を受給できるようになる可能性があります。
 

保険料を任意納付する

受給資格期間の10年を満たすために、60歳以降も年金保険料を支払うという方法があります。国民年金や厚生年金の保険料を支払う義務があるのは20歳以上60歳未満の人ですが、60歳以上65歳未満の人も、任意で納付することができます。
 

まとめ

日本では、国民年金や厚生年金の保険料を支払う義務があります。何らかの理由で納付を行わず、年金受給資格期間が10年に満たなかった人は、老後に年金を受け取ることができません。
 
年金受給資格期間は保険料を納付していた期間だけでなく、保険料納付を免除された期間や合算対象期間(カラ期間)も含まれます。
 
ご自身が受給資格期間を満たしているのか分からない方は、ねんきん定期便やねんきんネットで確認するか、年金事務所に問い合わせてみましょう。
 

出典

厚生労働省 年金を受けとるために必要な期間が10年になりました
日本年金機構 保険料を納めなかった期間がありますが、今から納めることができますか。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

  • line
  • hatebu
【PR】
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集