更新日: 2023.03.23 その他年金

会社員が使える「企業型確定拠出年金(企業型DC)」とは? iDeCoとの違いも紹介

会社員が使える「企業型確定拠出年金(企業型DC)」とは? iDeCoとの違いも紹介
企業型確定拠出年金(企業型DC)は、勤務先の企業が掛金を拠出しながらリタイア後の老後資金を作れる制度です。受け取れる金額は運用成績によって異なり、運用商品は社員自らが選ぶ点が特徴です。企業型確定拠出年金にはメリットとデメリットの両面があるため、仕組みや特徴をしっかり理解し老後資金を用意しましょう。
 
本記事では、企業型確定拠出年金の特徴やiDeCoとの違いなどを詳しく解説していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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企業型確定拠出年金とは?

企業型確定拠出年金(企業型DC)とは、国民年金と厚生年金のさらに上乗せとなる「3階部分」の年金制度です。
 
将来の年金不安の高まりもあり、企業型確定拠出年金の重要性は高まっています。
 

企業型確定拠出年金の概要

企業型確定拠出年金とは、企業が掛金を拠出して従業員が運用する商品を選ぶ制度です。
 
「年金」という言葉があるとおり、原則60歳以上になったら運用成績に応じた年金が受給できます。

【企業型確定拠出年金の特徴】

●掛金は企業が負担する
●運用商品は社員が自分の責任において選ぶ
●受給方法は年金、一時金、年金と一時金の併用の3種類

なお、掛金の額は会社での役職などに応じて決まるケースが一般的で、掛金の上限額は下記のように定められています。

【確定拠出年金の掛金上限額】

●他の企業年金がある場合:2万7500円
●他の企業年金がない場合:5万5000円

 

企業型確定拠出年金のメリット

企業型確定拠出年金には、運用益が非課税になるメリットがあります。
 
通常、投資での運用益に対しては約20%の税金が課されますが、確定拠出年金の運用益は非課税です。60歳に達して受給するタイミングになったときも、税制優遇を受けることができます。年金で受給する場合は「公的年金等控除」が受けられ、一時金で受給する場合は「退職所得控除」が受けられるため、税の負担を軽減できます。
 
また、会社によっては会社の支払っている掛金に社員が上乗せして拠出できる「マッチング拠出」を設けています。
 
マッチング拠出を用いて社員が支払った掛金は「全額所得控除」の対象となるため、掛金拠出時にも税金優遇を受けられる点がメリットです。

【企業型確定拠出年金のメリット】

●社員は掛金を支払わなくても済む
●運用益が非課税
●受給するときも税負担を抑えられる
●マッチング拠出をした分も全額所得控除を受けられる

企業型確定拠出年金での運用商品は、会社によって異なります。
 
運用席が非課税になるメリットを最大限享受するためには、株式や不動産に投資する「期待利回りが高い商品」を選ぶのがベターな選択肢といえるでしょう。
 

企業型確定拠出年金のデメリット

企業型確定拠出年金にはメリットが多くありますが、下記のようなデメリットもあります。

【企業型確定拠出年金のデメリット】

●運用商品によっては元本割れを起こす
●60歳まで引き出しができない
●運営管理期間を自分で選べない

企業型確定拠出年金で債券や株式に投資する運用商品を選んだ場合、元本割れを起こす可能性があります。投資にはリスクが伴うため当然のことではありますが、受給するタイミングで運悪く暴落が起こると元本割れを起こしてしまう恐れがある点には留意しましょう。
 
また、企業型確定拠出年金の引き出しができるのは、原則として60歳以降です。学資資金やマイホーム資金が必要になったとしても、企業型確定拠出年金を取り崩すことはできない点は知っておきましょう。
 
さらに、企業型確定拠出年金において、運営管理機関を選ぶのは勤務先です。運営管理機関が用意しているラインアップによっては、投資したい運用商品がない可能性もあります。
 

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企業型確定拠出年金とiDeCoの違い

企業型確定拠出年金と似ている制度に、iDeCo(個人型確定拠出年金)があります。
 
いずれも、運用益が非課税になる点や掛金が全額所得控除になる点などは共通していますが、下記のような違いがあります。

【企業型確定拠出年金とiDeCoの違い】

●iDeCoは社員だけでなく、自営業者や専業主婦も利用できる
●iDeCoの掛金は全額個人が負担する
●企業型確定拠出年金の掛金上限は月5万5000円で、iDeCoは月6万8000円

なお、2022年10月からは、企業型確定拠出年金とiDeCoの併用が可能となりました。企業型確定拠出年金加入者がiDeCoに加入する場合、iDeCoに拠出できる掛金上限は「5万5000円-会社掛金額」です。
 
企業型確定拠出年金もiDeCoも、税制優遇を受けながら老後資金を用意できるお得な制度です。仕組みや特徴を理解した上で、コツコツと資産を増やしていきましょう。
 

まとめ

企業型確定拠出年金は、勤務先が支払った掛金を自分の責任において運用する特徴があります。運用商品には元本確保型の商品やリスク型商品があるため、自身の価値観やリスク許容度に応じて選ぶことが大切です。
 
しかし、企業型確定拠出年金には「運用益が非課税になる」というメリットがあります。株式など、大きなリターンが期待できる商品を選ぶと効率よく資産を増やせます。
 
また、2022年10月からは確定拠出年金とiDeCoの併用が可能になりました。投資余力がある場合は、iDeCoとの併用も検討してみてください。
 

出典

一般社団法人投資信託協会 企業型DC(企業型確定拠出年金)ってなあに?-制度の概要-
厚生労働省 確定拠出年金制度の概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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