更新日: 2023.03.23 その他年金
【2023年は値上げラッシュ】物価上昇率と年金増額率は同じ?
では、2023年度の年金は、物価上昇に応じて前年度よりも支給額が増えているのでしょうか?
本記事では、2023年4月からの年金受給額について解説します。物価上昇と年金の関係性も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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2023年度の年金受給額
2023年度の年金受給額は図表1のとおりです。
【図表1】
67歳以下(新規裁定者)の年金受給額 | |
---|---|
国民年金(満額) | 月額6万6250円 ※1(前年比+1434円) |
厚生年金(一般的な夫婦の年金受給額) | 月額22万4482円(前年比+4889円) |
厚生労働省「令和5年度の年金額改定について」を基に作成
一般的な夫婦とは、平均的な収入である月収43万9000円(ボーナスは月割りで換算)で40年間勤務した会社員の夫(妻)と、会社員経験のない専業主婦(夫)2人の夫婦です。
国民年金受給額と一般的な夫婦の年金受給額は、いずれも前年比で増額となっています。
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物価上昇率よりも年金増額率が少ない理由
2023年度の年金受給額は増額となっていますが、物価上昇率に対して年金の増額率はどうだったのでしょうか?
実は、2022年の物価上昇率よりも2023年度の年金受給額増額率は少ないです。2022年の物価上昇率は前年比+ 2.5%ですが、68歳以上の年金受給額増額率は前年比+ 1.9%となっています。
これは、「マクロ経済スライド」と呼ばれる年金の受給額を決める際の仕組みが影響しています。
「マクロ経済スライド」では、前年の物価が下がった場合でも年金受給額を下げずに据え置く一方で、物価が上がった場合も年金受給額の増額率を、物価上昇率よりも抑える仕組みとなっています。そのため、2023年度は物価がかなり上昇したものの、年金増額率は物価上昇率と比べて少なくなりました。
年金だけの生活は可能か?
では、2023年度の年金受給額だけで生活は可能なのでしょうか?
65歳以上2人以上世帯の月間平均支出は図表2のとおりです。
【図表2】
65歳~69歳 | 30万1812円 |
70歳~74歳 | 27万3686円 |
75歳以上 | 23万9391円 |
平均 | 26万246円 |
総務省統計局 「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)」を基に作成
平均支出は月額約26万円となっており、一般的な夫婦の年金受給額である月額約22万5000円を大きく上回っています。
上記は2021年のデータなので、2023年はさらに平均支出が増加しているでしょう。世帯によって年金受給額や支出は異なりますが、一般的には年金だけでの生活は難しいことが分かります。特に、自営業者や年収が低い会社員は年金受給額が少ないため、年金以外に老後資金を用意する必要性が高まります。
収入アップで資産を増やそう
老後の資産を貯めるためには、収入を増やすことがおすすめです。いくら節約を頑張っても、収入がなければ資産は増えません。毎月の支出が15万円でも、収入が月に20万円の人と月に50万円の人では、資産が増えるスピードの差は歴然です。
現在は、転職や副業など収入を上げるチャンスは多くあります。若いうちに収入を上げることで、老後への資産形成を始めてみてください。
出典
厚生労働省 令和5年度の年金額改定についてお知らせします
総務省 家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)より II 総世帯及び単身世帯の家計収支
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部