更新日: 2023.03.17 国民年金

「将来年金は減るから払ったら損」と考える人が知らないデメリット

「将来年金は減るから払ったら損」と考える人が知らないデメリット
年金の未納問題がメディア等で話題になるほど「将来もらえる年金は減るから払いたくない、払ったら損する」と考える人もいます。ただし、これは将来自分や家族など大事な人を巻き込んで損をしてしまう可能性もあります。
 
勘違いから無意識に損をしないためにも、本記事では「年金を払うのは損」と考えるデメリットやリスクを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。

国民年金の未納理由

国民年金の未納が問題になることがありますが、どのくらいの人が年金を払っていないのでしょうか。厚生労働省が発表した「令和3年度の国民年金の加入・保険料納付状況」によると、最終納付率は78%でした。つまり未納率は22%です。
 
「やはり2割も年金を払っていない人がいるのか! 自分は真面目に払っているのに!」と思われるかもしれませんが、22%のなかには経済的な理由等で保険料を全額免除された人や納付を猶予されている人も含まれています。そのため「全員が年金を払いたくない人」ではありません。
 
国民年金保険料を払わない理由は「保険料が高く、経済的に支払うのが困難」だからという意見が最も多いですが、それ以外にもさまざまな理由があります。
 
厚生労働省の「令和2年国民年金被保険者実態調査結果」によると

・うっかりして忘れた、後でまとめて払おうと思った
・年金制度の将来が不安・信用できない
・納める保険料に比べて、十分な年金額が受け取れないと思う

といった意見が目立ちます。
 
経済的な理由以外では、年金制度への不安や不信感から払いたくない人もいることが浮き彫りになっています。
 

【PR】資料請求_好立地×駅近のマンション投資

【PR】J.P.Returns

おすすめポイント

・東京23区や神奈川(横浜市・川崎市)、関西(大阪、京都、神戸)の都心高稼働エリアが中心
・入居率は99.95%となっており、マンション投資初心者でも安心
・スマホで読めるオリジナルeBookが資料請求でもらえる

将来もらえる年金は減るのか

令和5年度の国民年金の満額は月額6万6250円です。実際には物価の変動や前年平均の全国消費者物価指数等を考慮して決定されるため、毎年変わる可能性があります。ただし物価状況等も変化するので、仮に見た目の年金額が減ったとしても、価値も同時に下がるとはかぎりません。
 
「年金制度は破綻する」といわれることもあります。もちろん絶対はありませんが、破綻する可能性はかなり低いです。
 
仮に年金制度が破綻すると、生活困窮者があふれて生活保護受給者が増える可能性もあります。また、年金を受け取れない人たちが集団で訴訟を起こすかもしれません。国としては今よりも負担が増えるため、年金制度が破綻してもメリットはありません。
 

年金を払うのは損? 払わないデメリット

「真面目に保険料を満額納付しても毎月6万円くらいしかもらえないなら、払っても意味がない」と考える人もいるかもしれません。確かに月6万円程度で生活するのは簡単ではなく、実際には国民年金以外の年金や収入、貯金などでカバーする必要があります。
 
ただし、費用対効果が悪いから払わないと考えるのは早計です。国民年金は、老後に受け取る老齢基礎年金だけではないからです。
 
被保険者本人が万一病気やけがで重い障害を負ったり、死亡したりすると受け取れる障害基礎年金や遺族基礎年金があります。「年金=老後にもらえるお金」のイメージが強い影響なのか、これら2つの制度の存在は意外にも知られていないことも少なくありません。
 
障害基礎年金や遺族基礎年金は、受給要件を満たしている方が受給できます。保険料を払わず免除や納付猶予制度の手続きも行わなければ、いざというときに受け取れません。
 
経済的に払うのが困難な場合は、保険料の免除や納付猶予制度を利用することができます。学生の場合は学生納付特例制度を使うことで、保険料の納付を猶予されます。これらの手続きをすることで、いますぐ保険料を払うのが難しくても年金の受給資格期間に算入されるので、将来全く年金をもらえないリスクを抑えられます。
 
また追納制度を使えば、後から保険料を納付することで老齢基礎年金の年金額を増やすことができ、社会保険料控除で所得税や住民税の負担も軽減できます。
 
何も手続きをせず未納状態のままだと、これらの内容は適用されず受給資格期間も満たせません。保険料の納付には時効があるため、納付期限が過ぎてから2年経過したものは払いたくても払えずに将来無年金になるおそれがあります。
 

まとめ

本記事では「将来年金は減るから払ったら損」と考える人が知らないデメリットを解説しました。
 
2023年(令和5年度)時点で月額6万6250円とはいえ、老齢基礎年金は基本的に生涯もらえるお金です。世の中にはさまざまな投資がありますが、本人が生きているかぎり受け取れるといわれるものはほとんどありません。
 
本来国民年金保険料の納付は国民の義務です。経済的に払うのが難しい場合は、免除や納付猶予制度も用意されているので活用しましょう。
 

出典

厚生労働省 令和3年度の国民年金の加入・保険料納付状況
厚生労働省 令和2年国民年金被保険者実態調査
厚生労働省 令和5年度の年金額改定について
日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
日本年金機構 Q.保険料を納めなかった期間がありますが、今から納めることができますか。
日本年金機構 国民年金保険料の追納制度
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

0
役に立った
役に立った
0
学びがある
学びがある
0
面白い
面白い
PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集