更新日: 2023.03.10 国民年金

退職して「年金保険料」を払えない…「免除」は可能? 前年に所得があると難しいの?

退職して「年金保険料」を払えない…「免除」は可能? 前年に所得があると難しいの?
国民年金の免除は、申請後に前年の所得をもとに審査が進められます。このとき、退職し無収入であっても前年に所得が多ければ審査に通過できないのでしょうか? 本記事では、失業したときの国民年金の免除について詳しく解説していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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国民年金の免除には退職(失業等)による「特例免除」がある

厚生年金に加入していた人が退職(失業等)すると、国民年金の加入手続きをして国民年金保険料を納めることになります。退職(失業等)後に国民年金保険料を納めることが困難な人は、免除申請を行うことで、国民年金保険料の納付が全額もしくは一部免除される「特例免除」があります。
 
通常、国民年金の免除については、申請後に申請者本人の所得に加えて、配偶者、世帯主などの所得が審査対象となります。
 
しかし退職(失業等)が理由で申請した場合、前年に収入があったとしても、現在の申請者本人の収入が途絶えてしまっている状態です。そのため、退職(失業等)における特例免除は、申請者本人の所得を除外して配偶者、世帯主のみの所得が審査の対象となる特例となります。
 

対象者

国民年金の特例免除の対象者は以下のとおりです。
 

・申請する年度または前年度において退職(失業等)の事実がある場合
・申請者本人の所得を除外して、配偶者、世帯主の所得が一定額以下の場合(申請者の前年所得はゼロとして審査されます)

 
また、特例免除は配偶者、世帯主が退職した場合にも対象となります。
 

申請期間

国民年金の特例免除の申請ができる期間は7月から翌年6月までの12ヶ月間となります。例えば、5月に申請した場合は、必要に応じて7月以降あらためて申請書を提出することになります。過去に退職(失業等)した期間の申請をしたい場合は、申請書が受理された月から2年1ヶ月前までの免除が可能です。
 
なお特例免除は、失業等のあった月の前月から翌々年の6月まで有効となり、その後も保険料の支払いが困難な場合には通常の免除と同様に本人の所得も計算される扱いとなります。
 

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手続きに必要なものと申請方法

国民年金の特例免除を希望する場合の手続きに必要なものと申請方法を解説します。
 

申請手続きに必要なもの

国民年金の特例免除の申請手続きに必要なものは以下のとおりです。
 

・国民年金保険料免除・納付猶予申請書
・認め印
・基礎年金番号通知書のコピーまたは年金手帳(氏名の記載ページ)のコピー
・失業していることを確認できる公的機関の証明書のコピー

 
失業していることを確認できる公的機関の証明書には主に以下のような書類があり、いずれかの書類のコピーを提出します。
 
なお、退職(失業等)により納付が困難な人の添付書類について過去に同一の失業等の理由により免除等を申請し、失業した事実が確認できる証明書類を添付等したことがある人は、あらためて添付する必要はありません。
 

・雇用保険受給資格者証
・雇用保険被保険者離職票
・雇用保険被保険者資格喪失確認通知書
・雇用保険被保険者資格取得届出確認照会回答書

 
また雇用保険の被保険者ではなく、事業の廃止または休止した人は以下の失業を確認できる公的機関の証明書のコピーが必要です。
 

(1)厚生労働省が実施する総合支援資金貸付の貸付決定通知書の写しおよびその申請時の添付書類のコピー
(2)履歴事項全部証明書または閉鎖事項全部証明書
(3)税務署等への異動届出書、個人事業の開廃業等届出書または事業廃止届出書のコピー(税務署等の受付印のあるものに限る)
(4)保健所への廃止届出書の控え(受付印のあるものに限る)
(5)その他、公的機関が交付する証明書等であって失業の事実が確認できる書類

 
※(2)から(5)までについては別途、失業の状態にあることの申し立てが必要となります。また登記事項証明書は、法務局のホームページからオンラインによる交付請求を行うことができます。
 

申請方法

国民年金の特例免除の申請方法を解説します。
 
(1)役所等や年金事務所、日本年金機構のホームページから「国民年金保険料免除・納付猶予申請書」を入手、またはマイナポータルを利用して電子申請(電子申請の場合、紙の申請用紙は不要です)
 
(2)申請用紙を利用する場合、居住地の役所の国民年金担当窓口、または近くの年金事務所へ申請に必要な書類等と併せて提出(郵送での申請も可能です)
 

まとめ

国民年金の特例免除は、退職後であれば前年の所得に関係なく申請が可能です。申請は最大2年1ヶ月前までさかのぼって申請ができます。
 
ただし申請が遅れると万一の際に障害年金などが受け取れなくなる可能性があるため、国民年金の特例免除の対象になる場合には早めに申請した方がよいといえます。また免除を利用すると将来の年金額にも影響することを理解した上で、免除の手続きを行うようにしましょう。
 

出典

日本年金機構 国民年金保険の免除制度・納付猶予制度
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

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