更新日: 2023.02.23 その他年金

「年金はもらえないから払うと損」って本当? 実際メリットはあるの?

「年金はもらえないから払うと損」って本当? 実際メリットはあるの?
年金の支給額が減っていると知った人は、将来もらえないのではないかと心配になるかもしれません。そもそも公的年金制度への加入と保険料負担は国民の義務ですが、損をする可能性があるなら、保険料を支払いたくないと思うこともあるでしょう。
 
しかし、年金には複数の魅力的なメリットがあるため、きちんと納付していくのが得策です。
 
本記事では、年金をもらえなくなるリスクについて説明し、その後にメリットを分かりやすく紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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年金の制度は破綻するのか?

年金の支給額は減少傾向にあります。例えば、1ヶ月あたりの老齢基礎年金の満額は令和3年度が月額6万5075円で、令和4年度は6万4816円でした。令和5年度は6万6250円に引き上げられますが、引き上げ率は物価上昇分を下回っています。このまま減り続けると、いずれ制度が破綻しそうだと感じる人もいるでしょう。
 
しかし、厚生労働省はそのような悲観的な未来は訪れないと考えています。日本の経済社会が機能不全に陥らなければ、年金の制度も持続していくという見通しです。見通しの根拠として、年金が積立式の保険ではないことを挙げています。
 
日本の年金は、世代間扶養の理念に基づいて運営される賦課方式です。年金を受給する人が、保険料を納付する人に支えられる仕組みとなっています。つまり、現役世代の経済活動が途絶えない限り、財源が失われることはありません。よって、基本的には破綻のリスクを気にする必要がなく、自分も受給できると考えて良いでしょう。
 

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一生涯もらえるので安心

年金制度が破綻しなくても、支給額が減っていく状況だと、やはり保険料の支払いに抵抗を覚える人もいます。給料が上がらないのに物価は高騰するなど、家計が厳しい状況ではなおさらです。
 
そのような人は、一生涯もらえるという年金のメリットに注目しましょう。1ヶ月や1年あたりの支給額が減ったとしても、自分が受け取れる年金の総額が、過去の世代より少ないとは限りません。なぜなら、日本人の平均寿命は延びており、その分だけ受給期間も長くなっているからです。
 
例えば、男性の平均寿命は、昭和50年から令和3年にかけて10年近く延びました。いずれにせよ、生きている限り一定の金額をもらえることは大きな安心につながります。
 

もしもの場合に対する備え

年金は老後の生活維持だけを目的としておらず、他の用途のために支給されるものもあります。
 
以下の2点などは、いざというときの心強い備えとなるでしょう。
 

・遺族年金

遺族年金とは、被保険者もしくは被保険者だった人が亡くなったときに、遺族が受け取れる年金です。このうち、遺族基礎年金は子どもがいる場合のみ支給されますが、遺族厚生年金は子どもの有無が関係ありません。それぞれに受給の要件が定められており、これらを満たすことで、生計の悪化を防ぐための資金が得られます。
 

・障害年金

障害年金は、病気などの影響で障害を持つ状態になったときに受給が可能です。肢体不自由や知的障害だけでなく、糖尿病などで仕事や生活に著しい支障が出ているケースも該当します。こちらには障害基礎年金と障害厚生年金があり、現役世代も対象です。
 

保険料を支払って年金の恩恵を受けよう!

「年金をもらえなくなる」といううわさを耳にしても、警戒しすぎる必要はありません。制度が破綻するような見通しはなく、年金には多くのメリットがあるからです。
 
一生涯もらえることを視野に入れると、損をするリスクは小さいと分かります。遺族年金や障害年金など、安心につながる要素が多いので、その恩恵を得るためにも保険料を前向きに支払いましょう。
 

出典

日本年金機構 令和4年4月分からの年金額等について
厚生労働省 令和5年度の年金額改定についてお知らせします
厚生労働省 公的年金制度に関する考え方(第2版)
厚生労働省 令和3年簡易生命表の概況
日本年金機構 遺族年金
日本年金機構 障害年金
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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