受給額が増える繰下げ受給。でも注意すべき点ってどんなこと?
配信日: 2023.02.18
生活をより安定させるためにも、繰下げ受給をして年金額を増やしたいものですが、繰下げ受給には気を付けておきたい点があります。繰下げ受給で注意すべき代表的な内容についてみてみましょう。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。
繰り下げると最大84%年金受給額が増加
繰下げ受給をするとどれくらい年金が増えるのでしょうか?
繰下げ受給は、1ヶ月受給を遅らせるたびに0.7%の増額率が年金額に加算されます。つまり、1年受給を遅らせて66歳0ヶ月から受給すると、0.7×12ヶ月=8.4%が上乗せされる増額率です。1年間で8.4%ですので、最大の75歳0ヶ月の場合は84.0%もの増額率が加算されることとなります。
繰下げ受給は、老後の生活をより安定させる1つの手段といえるでしょう。
【PR】資料請求_好立地×駅近のマンション投資
【PR】J.P.Returns
おすすめポイント
・東京23区や神奈川(横浜市・川崎市)、関西(大阪、京都、神戸)の都心高稼働エリアが中心
・入居率は99.95%となっており、マンション投資初心者でも安心
・スマホで読めるオリジナルeBookが資料請求でもらえる
繰下げ受給の注意点
メリットも大きい繰下げ受給ですが、注意すべき点もあります。1つずつみてみましょう。
寿命次第では損をする
年金は生きている限り受給できます。そのため、90歳や100歳まで生きていれば、増額された年金を長い間受給でき、繰り下げる効果が大きいです。
しかし、寿命がいつなのかは誰にも分かりません。極端な話、70歳0ヶ月まで受給を遅らせたものの、70歳1ヶ月で亡くなってしまうこともあり得ます。
年金の本質は「何歳まで生きていてももらえるという安心感」にあります。損得にのみとらわれるべきではありませんが、繰り下げてもその分のメリットを享受できない可能性がある、という点は理解しておきましょう。
受給額が増えた分、社会保険料や税金も上がる
年金といえども所得ですので、金額に応じて社会保険料や税金を負担しなければなりません。繰り下げにより年金額が増えれば、当然その分、社会保険料や税金も増えますので、想定していたよりは手元に残るお金が増えないということもあるかもしれません。
加給年金や振替加算は増額なし、待機期間は受給も不可
「加給年金」とは65歳になった際、生計を共にし、維持している配偶者や子どもがいるときに加算される年金です。そして「振替加算」とは、加給年金の対象者となっている配偶者自身が65歳になったときに、その配偶者の老齢基礎年金に加算されるものです。
加給年金や振替加算の金額については、繰り下げによる増額の対象外となっています。また、繰り下げによって受給を待っている待機期間は、加給年金や振替加算も受け取れません。
遺族年金や障害年金を受給していると繰り下げできない
年金には、亡くなった遺族が受け取れる「遺族年金」や、病気やけがで障害が残ったときに受給できる「障害年金」があります。
65歳になった時点で、遺族年金や障害年金の受給権が発生している場合、繰下げ受給を申請することはできません。
ただし、障害基礎年金(または旧国民年金法による障害年金)のみ受給権がある人は、老齢厚生年金の繰下げ受給が可能です。
遺族は繰り下げ請求できない
65歳以降に年金を繰り下げるつもりで受給を待機していた人が亡くなった場合、遺族が未支給年金を請求できます。
ただしこの場合、65歳時点の年金額で決定した上で、過去分の年金額が一括して未支給年金として支払われます。
自分の考えや状況に応じて繰下げ受給を検討しよう
繰下げ受給はできるだけ長く働こうと思っている人や年金額が少ない人、長生きできそうな人には向いていますが、加給年金を受け取りたい人や長生きできないと考えているような人にはあまり向いていません。
繰下げ受給は、自分の考えや状況に応じて検討するようにしましょう。
出典
日本年金機構 年金の繰下げ受給
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部