更新日: 2023.02.15 国民年金

国民年金を「全額免除」になった場合でも、年金は「半分受け取れる」? 免除や猶予の違いも解説

国民年金を「全額免除」になった場合でも、年金は「半分受け取れる」? 免除や猶予の違いも解説
国民年金は20歳以上60歳未満の全ての日本国民が加入し、保険料を支払わなければいけません。しかし、経済的な理由から保険料の支払いが難しい場合もあると思います。そのような場合は申請をすることで保険料納付について、猶予や免除が認められます。
 
ただし、保険料納付の免除となった際は、受け取る年金額が減ってしまうので注意が必要です。そこで本記事では国民年金保険料が免除となった場合に年金額がいくらになるのかについて、解説していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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猶予と免除の違い

国民年金保険料は20歳になると支払う義務が生じます。しかし、経済的に保険料納付が難しいと判断されると、申請をすることで保険料納付の猶予や免除が認められます。それぞれ類似点もありますが大きく異なるので、どのような違いがあるかを確認していきます。
 

保険料納付の猶予

保険料納付の猶予は、前年の所得が一定額以下であり、20歳から50歳未満である場合に保険料納付の猶予を認める制度です。保険料を納付しない場合は、年金を受給するための要件である受給資格期間に算入されなかったり、年金額が増額されなかったりします。
 
納付の猶予をすると年金額が増えることはありませんが、猶予期間中も受給資格期間に含まれるので、受給資格を受けやすくなることがメリットです。また、追納できる期間が10年あり、この期間中に追納すると年金額を増やすこともできます。
 
ただし免除と異なり、猶予なので追納はしなければいけません。猶予が始まった期間から3年度目以降は納付する保険料が上がってしまうことも覚えておきましょう。
 

保険料納付の免除

前年の所得が一定額以下の場合や退職などを含めて失業した場合、免除の申請を行うことで、保険料が免除されます。保険料の免除は4分の3、2分の1、4分の1、全額というように、所得によって種類が分けられているのが特徴です。
 
免除期間中は年金を受給するために必要な受給資格期間に含まれるだけでなく、年金額にも反映されます。ただし、免除された分、年金額は満額から減ってしまうので注意が必要です。
 

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全額免除をした期間は年金額が半分になる

国民年金保険料を満額納付した場合は77万7800円を受け取ることができます。20歳から60歳までの40年間、保険料を納付していた場合です。
 
例えば、40年間全て全額免除だった場合は、38万8900円となります。月に3万2408円(小数点以下四捨五入)を受け取れます。満額の77万7800円と比較すると、約半分です。
 
保険料の猶予は、猶予期間中に年金額が増加しませんが、免除の場合は年金額が増加するので大きな違いがあります。両者の違いを把握し、混同しないようにしましょう。
 

法定免除制度

国民年金保険料には法定免除制度もあり、要件に該当する場合は保険料が免除されます。生活保護を受けている人や障害基礎年金を受けている人、被用者年金の障害年金を受けている人、国立ハンセン病療養所などで療養している人などが対象です。
 
これらに該当する人は、経済的な要因がなくても保険料免除の対象になるので、お近くの役場で申請手続きをしてみましょう。
 

可能であれば追納も考えましょう

本記事では国民年金保険料の免除となった場合に年金額がいくらになるのかについて、解説してきました。国民年金は老後の生活の支えになりますが、現在の生活が苦しい場合もあると思います。
 
保険料の免除は、そのような人のための制度なので、未納ではなく免除の申請をしてみてください。未納になると、年金額が減少するだけでなく、最悪の場合は受け取れなくなるからです。そして、年金を満額で受け取りたいと考えている場合は、可能であれば追納も検討しましょう。
 

出典

日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度

日本年金機構 国民年金保険料の法定免除制度

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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