更新日: 2023.02.07 その他年金

いつの間にか年金手帳が2冊あるのですが、対処する必要がありますか?

いつの間にか年金手帳が2冊あるのですが、対処する必要がありますか?
年金手帳には、表紙がオレンジ色や青色など複数の種類があります。中には、複数の年金手帳が手元にあるという方もいるかと思いますが、その場合は何らかの手続きを行うなど対処する必要はあるのでしょうか。
 
本記事では年金手帳の種類と、年金手帳が複数ある方の対処方法について解説します。
辻章嗣

執筆者:辻章嗣(つじ のりつぐ)

ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士

元航空自衛隊の戦闘機パイロット。在職中にCFP(R)、社会保険労務士の資格を取得。退官後は、保険会社で防衛省向けライフプラン・セミナー、社会保険労務士法人で介護離職防止セミナー等の講師を担当。現在は、独立系FP事務所「ウィングFP相談室」を開業し、「あなたの夢を実現し不安を軽減するための資金計画や家計の見直しをお手伝いする家計のホームドクター(R)」をモットーに個別相談やセミナー講師を務めている。
https://www.wing-fp.com/

年金手帳の種類と現状


 
年金制度の加入者に発行されてきた年金手帳には、加入する制度の違いと被保険者資格の取得時期によって、図表1、2のとおり、表紙の色が違う複数の種類がありました。
 
なお、2022年(令和4年)4月以降に初めて年金制度に加入する方には、年金手帳に代わり「基礎年金番号通知書」が発行されるようになっています(※1)。
 
【図表1】

※日本年金機構 「基礎年金番号・年金手帳について」を基に筆者作成
 
【図表2】

手帳等の名称 交付対象者
(1) 厚生年金保険被保険者証 1954年(昭和29年)5月~1974年(昭和49年)9月に厚生年金の被保険者資格の取得手続きを行った方
(2) 国民年金手帳(茶色、水色、薄橙色など) 1960年(昭和35年)10月~1974年(昭和49年)9月に国民年金の被保険者資格の取得手続きを行った方
(3) 年金手帳(オレンジ色) 1974年(昭和49年)年10月~1996年(平成8年)12月に被保険者資格の取得手続きを行った方
(4) 年金手帳(青色) 1997年(平成9年)1月~2022年(令和4年)3月に被保険者資格の取得手続きを行った方
(5) 基礎年金番号通知書 2022年(令和4年)4月以降に被保険者資格の取得手続きを行った方

※日本年金機構 「年金手帳に切り替わる以前の『被保険者証』をお持ちではありませんか?」「年金制度・被保険者証等の変遷(年表)」を基に筆者作成
 

【PR】資料請求_好立地×駅近のマンション投資

【PR】J.P.Returns

おすすめポイント

・東京23区や神奈川(横浜市・川崎市)、関西(大阪、京都、神戸)の都心高稼働エリアが中心
・入居率は99.95%となっており、マンション投資初心者でも安心
・スマホで読めるオリジナルeBookが資料請求でもらえる

年金手帳が複数ある場合の対処方法

複数の年金手帳が手元にある方は、まず青色の年金手帳が含まれているか否かによって対処方法が異なります。青色の年金手帳は、公的年金制度で共通して加入記録を管理するための基礎年金番号が導入された1997年(平成9年)1月以降に発行されており、基礎年金番号が記載されているからです。
 
なお、1996年(平成8年)12月以前に被保険者資格があり、青色以外の年金手帳を保持していた方には、1996年(平成8年)年12月~1997年(平成9年)2月に基礎年金番号通知書が発行されています(※2、3)。
 
複数の年金手帳を保持している方は、以下を確認してください。
 

1. 複数の青色の年金手帳を保持している場合

複数の青色の年金手帳を保持しており、それぞれに記載されている基礎年金番号が異なっている場合、年金加入記録が分散している可能性があるので基礎年金番号を統合する必要があります。
 

2. 青色とそれ以外の年金手帳を保持している場合

青色とそれ以外の年金手帳を保持している方は、基礎年金番号で管理できない年金加入記録がある可能性がありますので確認が必要です。
 

3. すべてが青色以外の年金手帳の場合

青色以外の年金手帳を複数持っている方は、1996年(平成8年)12月~1997年(平成9年)2月に発行された基礎年金番号通知書が手元にあるか確認してください。見当たらない場合は、基礎年金番号通知書の再発行の手続きが必要となります。
 
複数の年金手帳を保持している方のうち前述の1~3に該当する場合は、厚生年金の被保険者である方は勤務先の社会保険担当者に、それ以外の方はお近くの年金事務所にすべての年金手帳を提出して必要な手続きを行ってください(※4)。
 

まとめ

年金手帳は、年金制度の変遷に伴って複数の種類が発行されてきました。そして、2022年(令和4年)4月からは年金手帳が廃止され、代わりに基礎年金番号通知書が発行されています。
 
複数の年金手帳を保持している方は、青色の年金手帳または基礎年金番号通知書が手元にあるか確認しましょう。
 
記載されている基礎年金番号が異なる、複数の青色の年金手帳を保持している場合や、青色と他の色の年金手帳を保持している場合、また青色以外の年金手帳のみ保持している方で手元に基礎年金番号通知書がない方は、それぞれ手続きをする必要があります。年金手帳が複数ある方は、早めに手続きをしましょう。
 

出典

(※1)日本年金機構 基礎年金番号・年金手帳について
(※2)日本年金機構 年金手帳に切り替わる以前の『被保険者証』をお持ちではありませんか?
(※3)日本年金機構 年金制度・被保険者証等の変遷(年表)
(※4)日本年金機構 年金Q&A Q 年金手帳が複数冊あります。どうすればいいですか。
 
執筆者:辻章嗣
ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士

0
役に立った
役に立った
0
学びがある
学びがある
0
面白い
面白い
PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集