更新日: 2023.02.06 国民年金

20歳になった子どもの国民年金保険料は「学生納付特例制度」より「前納」のほうがお得?

20歳になった子どもの国民年金保険料は「学生納付特例制度」より「前納」のほうがお得?
日本国内に住む全ての人は、20歳から60歳の間に国民年金の保険料の納付が義務づけられています。
 
それでは、収入がない学生は保険料をどうやって支払うのでしょうか。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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学生向けに在学中の保険料の納付が猶予される「学生納付特例制度」がある


 
国民年金には、支払いが難しい人に向けて納付の免除・猶予といった制度がありますが、学生には「学生納付特例制度」が用意されており、申請すると在学中の保険料の納付が猶予されます。
 
対象となるのは、「本人の前年の所得が128万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等以下」の学生です。親の所得ではなく学生本人の所得となりますので、月に相当な額のアルバイトをしていなければ、大半の学生は対象となるでしょう。
 
この制度を利用するためには、自治体の国民年金担当窓口や年金事務所、もしくは在学中の学校に申請書を提出します。学校に提出する場合は、その学校等が学生納付特例の代行事務を行う許認可を受けていることが条件です。なお、申請の際には学生証などが必要です。また、電子申請をすると手続きが簡単に済みます。
 

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「学生納付特例制度」を利用した期間分、将来受け取る年金が少なくなる?

もし、「学生納付特例制度」の手続きをせず、保険料を納付しなかった場合は、老後に受け取る年金が減少したり、病気やけがで障害が残った時に障害基礎年金が受け取れなくなったりする可能性があります。
 
「学生納付特例制度」は、あくまで在学中の国民年金保険料の納付が猶予されるもので、保険料の支払いが免除されるわけではありません。「学生納付特例制度」を利用した場合、老齢基礎年金や障害基礎年金、遺族基礎年金の受給資格期間には算入されますが、保険料を全額納付した時に比べると、将来受け取る老齢基礎年金額が少なくなります。
 
将来受け取る年金額を減らしたくないならば、「学生納付特例制度」の承認を受けた期間の保険料をさかのぼって追納することができます。ただし、10年以内に追納しなければなりません。
 
また、承認を受けた期間の翌年度から3年目以降に追納する場合は、承認当時の保険料に経過期間に応じた加算額が上乗せされるので、できれば3年以内に追納した方がいいでしょう。しかし追納の場合は、通常納める保険料にプラスして出費となってしまうため、社会人になったばかりの人には厳しいかもしれません。
 
「学生納付特例制度」を利用しないで、学生のうちに支払うという手もあります。その際、何とか安くする方法はないでしょうか?
 
月々支払う場合、令和4年度の1ヶ月あたりの保険料は1万6590円で、まとめて前払いすると保険料が割引になります。6ヶ月分まとめると810円、1年分で3530円、2年分で1万4540円割引となります。口座振替の場合はさらに割引率が高くなり、1ヶ月分で50円、6ヶ月分で1130円、1年分で4170円、2年分で1万5790円割り引かれます。
 

親が子どもの保険料を支払うと社会保険料控除の対象に

こうして見ると、「学生納付特例制度」を利用せず、2年分まとめて支払うのが最もお得であることがわかります。ただし、学生にとって、40万円近くの保険料を前払いすることは容易ではなく、親が代わりに支払う場合もあるでしょう。
 
親が「生計を一つとする子ども」が負担すべき社会保険料を支払った場合には、その支払った金額について所得控除を受けることができます。社会保険料控除を受けるには、その保険料または掛け金の金額を証明する書類を、確定申告書または年末調整の際に提出する「給与所得者の保険料控除申告書」に添付するか、これらの申告書を提出する際に提示する必要があります。
 
以上のことから、子どもの国民年金保険料については、親が2年分を前払いし、控除を受ける方が支払う金額が最も少なく済むと思われます。
 
ただし、大学の授業料は国立大学で年間53.5万円、私立大学では93万円かかります。親が子どもの授業料を支払っている場合、それに加えて40万円近くの保険料を支払うのは負担が大きいです。家計と相談の上、どうするのか決めましょう。
 

出典

日本年金機構 国民年金保険料の納付が猶予される学生納付特例制度のポイント
国税庁 No.1130 社会保険料控除
e-Gov法令検索 国立大学等の授業料その他の費用に関する省令
文部科学省 私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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