更新日: 2020.04.07 その他年金

増加している高齢者雇用。年金と契約勤務で豊かなシニアライフを。

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 池田理明

増加している高齢者雇用。年金と契約勤務で豊かなシニアライフを。
超高齢化社会となった日本。カフェではご高齢の女性たちが楽しげにお喋りをし、観光地に行くと大きなリュックを背負ったシニアグループが登山をしています。

年齢を聞くと驚いてしまうほど、若々しく元気な高齢者が増えました。中には、「自分はまだまだ能力があるのに、仕事を辞めてから活かす場所が無い」と感じている人や、「家にいるだけで生きがいを感じられない。誰かの役に立ちたい」と考えている人もいるのではないでしょうか。

今回は、そんな高齢者たちを応援する高齢者向けの人材派遣会社「株式会社高齢社」の最高顧問であり、現在「株式会社ユメニティ」の上田会長に話を聞いてみました。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。

池田理明

監修:池田理明(いけだみちあき)

弁護士/東京桜橋法律事務所

第二東京弁護士会所属。
中央大学法学部卒。弁護士登録後、東京桜橋法律事務所に勤務。平成25年以降は同所パートナー弁護士に昇格し、主にIT関連、エンタメ関連の企業法務を中心として、相続・不動産・債権回収・破産など幅広い法律事務に対応している。

座右の銘は「強くなければ生きられない。優しくなれなければ生きていく資格はない。」時には、クライアント自身の姿勢を問うようなアドバイスができるよう心掛けている。

高齢者が仕事を探す際の3つの選択肢。求人内容は「管理人」が人気

高齢者が仕事を探すには、「シルバー人材センター」、「ハローワーク」、「高齢者向けの人材派遣会社」の3つの中から探すのが一般的です。派遣会社からの求人は時給で1000円~1500円の仕事が多く、週3日程度の勤務も多い傾向です。男女それぞれ以下の求人内容が多いようです。
 
<求人内容>
男性・・・宅配ドライバー、介護関連、電気工事、ガス配管工事、害虫駆除、高齢者専門住宅の見守りサービスなど

女性・・・経理、工場のライン作業、家事代行、コールセンターの仕事など
 
応募者から人気があるのがマンションや寮の管理人だそうです。電気工事やガス配管工事、経理などの資格を持っていると仕事探しに有利です。
 

正社員雇用にこだわらず、謙虚な姿勢で取り組もう

一般的な転職と同じですが、正社員の雇用にこだわると選択肢が狭まります。特に高齢者向けの求人内容は限られているので、良い仕事であれば契約社員やパート社員でも割り切ってチャレンジしてみるのが良いでしょう。
 
もう一つ、心構えの面で注意しなければいけないことがあります。
 
現役時代に地位が高かった人は、引退してから若い上司の下で働くことになじめない場合が多くあります。過去の成功談を自慢したりせず、派遣先社員から「新しい仕事を教えていただく」という謙虚な気持ちで臨みましょう。
 

年金+パート収入月12万円で家計が楽に

高齢者が働く場合、年金と併用型の収入形態になります。
 
平成26年度末の時点で、厚生年金保険受給者の平均年金月額、老齢年金は14万8千円。国民年金受給者の老齢年金の平均年金月額は、5万4千円です。

(参考URL:「平成26年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12509000-Nenkinkyoku-Chousashitsu/H26gaikyou.pdf)

パート収入が1200円×8時間×13日なら、年金に加えて月に12万4800円が足されることになります。そうすると、家計は少し楽になるのではないでしょうか。
 

元気なシニアのチカラが現代の活力に

労働力不足の現代、元気なシニアのチカラは企業にとっても大切な活力になるでしょう。
 
高齢者でも秀でた技能や知識を持ち、豊富な経験を持った人は沢山います。そのような人たちが仕事場で自分の能力を存分に活かすことが出来れば、下の世代も伸びていくはずです。働きたい高齢者が生きがいを持って働ける社会が実現するといいですね。
 
最後に、高齢者雇用に関して、東京桜橋法律事務所の池田理明弁護士にお聞きしました。
 
60歳以上になり給与が大幅に下がった場合、国が補助金を支給してくれる「高年齢雇用継続基本給付金」というものがあります。雇用保険の被保険者であった期間が5年以上ある60歳以上65歳未満の一般被保険者が、60歳以降の賃金が60歳時点に比べて、75%未満に低下して、働く場合に支給されます。
 
例えば、60歳到達時の賃金月額が30万円、その後が、賃金が18万円になったとき低下率が60%ですので、月額27000円支給されます。支給対象期間は、60歳に達した月から65歳に達する月までです。是非覚えておいてください。
 
また、60歳で定年を迎えた後は、1年間更新の契約ベースの嘱託契約になることが多くあります。正社員とは異なり、有期契約の社員では会社から守られる範囲が小さくなり、
業務目標の未達などにより、65歳の手前で、1年間の契約終了時に更新されないケースもありますのでご注意ください。
 
著:ファイナンシャル フィールド編集部
監修:池田 理明 (いけだ みちあき)弁護士
東京桜橋法律事務所、第二東京弁護士会所属 http://tksb.jp/

IT関連・エンタメ関連の企業法務を中心に、相続・不動産・債権回収・破産など幅広い法律事務に対応。

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