最終更新日: 2020.03.16 公開日: 2020.03.17
年金

DCとiDeCoはどう改正される? 加入しやすくなるってホント?

会社勤めや個人事業で現役時代は精いっぱい働いて、リタイア後はゆとりのある生活をしたいと思う人は多いですね。
 
現在、企業型確定拠出年金(DC)と、個人型確定拠出年金(iDeCo)は、私的年金の中心となっています。とりわけiDeCoは、2017年1月から加入対象が広がりましたが、2016年12月時点と比べて、2019年末には加入者は4.7倍(※)に増えました。
 
そのDCとiDeCoの制度が大きく変わりそうです。ここでは、改正される内容について学んでみましょう。
 
植田英三郎

執筆者:

執筆者:植田英三郎(うえだ えいざぶろう)

ファイナンシャルプランナー CFP

家電メーカーに37年間勤務後、MBA・CFPファイナンシャルプランナー・福祉住環境コーディネーター等の資格を取得。大阪府立職業訓練校で非常勤講師(2018/3まで)、2014年ウエダFPオフィスを設立し、事業継続中。NPO法人の事務局長として介護施設でのボランティア活動のコーディネートを担当。日本FP協会兵庫支部幹事として活動中。

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植田英三郎

執筆者:

執筆者:植田英三郎(うえだ えいざぶろう)

ファイナンシャルプランナー CFP

家電メーカーに37年間勤務後、MBA・CFPファイナンシャルプランナー・福祉住環境コーディネーター等の資格を取得。大阪府立職業訓練校で非常勤講師(2018/3まで)、2014年ウエダFPオフィスを設立し、事業継続中。NPO法人の事務局長として介護施設でのボランティア活動のコーディネートを担当。日本FP協会兵庫支部幹事として活動中。

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DCとは

企業型確定拠出年金(DC)は、従来多くの会社や公務員が加入していた確定給付年金(DB)に代わって、現在中心になりつつある企業年金制度のことです。
 
主な特徴の中で、加入者が積み立てる運用商品を自分で選ぶことができる点や、転職の際に別の会社に移換できる可能性は、今の時代にあった制度といえるのではないでしょうか。また、マッチング拠出という制度がある会社の場合は、個人の負担で追加拠出もできます。
 
DCは個人が運用商品を決めますので、一定の範囲の中で、元本保証商品からリスク商品までの選択肢があります。したがって、金融商品の運用スキルの学習実践も兼ねながら、自身の年金の積立を増やして行くことができる年金制度といえるでしょう。

iDeCoとは

iDeCoは個人型確定拠出年金のことで、企業型年金に加入していない人(自営業、専業主婦、年金制度がない会社員など)が加入できるDCとして、2017年から本格的に始まった制度です。

iDeCoの特徴

iDeCoの特徴としては、以下の点が挙げられます。
 
(1)自営業、会社員(一部例外あり*1)、公務員、専業主婦が加入できます。
*1 DCのある会社の社員は加入できないケースが多い(今回改正予定)
 
(2)投資する商品を自分で決めることができます。定期預金・投資信託・保険商品の中から自分で選ぶことができます。
(3)運用益はすべて非課税です。
(4)年間の掛け金はすべて所得控除になります。
 
(5)受け取りの時期と年齢には、3つの方法があります(今回改正予定)。
   ・60歳で一時金受け取り
   ・60歳から年金受け取り
   ・60歳から年金と一時金併用
 
(6)受け取り時の税優遇があります。
  一時金受け取り→退職所得控除  退職所得と同じ扱い
   年金受け取り→公的年金控除

iDeCoの注意点

iDeCoには上記のような特徴がありますが、留意しなければならない点もいくつかあります。
 
(1)iDeCoは年金ですから、原則60歳(今回改正予定)まで資産を引き出すことはできません。
(2)運用商品によっては元本を下回るリスクがあります(預金選択時はノーリスク)。
(3)口座開設手数料、口座管理料、年金受け取り時は、給付手数料がそれぞれかかります。口座管理料は金融機関によって差があるので、注意が必要です。
 
(4)加入期間年数によって受け取り開始年齢が変わってきます。
 例 10年以上     60歳(今回改正予定)
   1月~10年未満  61~65歳(今回改正予定)
 
(5)所得税が非課税の場合は、掛け金の所得控除の特典は受けられません。
(6)加入者によって、拠出できる掛け金の金額に差があります。
   月額1.2万円から6.8万円

DC・iDeCoの法改正案

ここまで、DCとiDeCoについて見てきましたが、これらについて、今、制度を改正する案が出ています。その内容は以下の通りです。
 
(1)企業型DC導入会社でもiDeCoに加入できるようになります。(現在は、DCの規約にiDeCoも併用と定めていないと加入できません)
 ただし、個人の拠出限度額は、全体の限度額5.5万円のうちの、2万円以内になります。
 
(2)加入可能年齢の引き上げ
 ・iDeCoの加入可能年齢が、条件*2付きで60歳未満から65歳未満になります。
 ・DCの加入可能年齢が65歳未満から70歳未満になります。
 
(3)受給開始上限年齢の引き上げ
 DC・iDeCoともに70歳から75歳になります。
 
*2条件
厚生年金加入の会社員の場合は、厚生年金加入中
自営業、専業主婦などの場合は、国民年金に任意加入中

法改正案の意図するところ

(1)は企業型DC導入会社の従業員が、個人的にiDeCoに加入を希望した場合、DCに規約がなければ加入できなかった点を改めるものです。
 
(2)加入可能年齢の引き上げは、70歳まで働くことが普通になりつつある現在の状況に合わせて、加入年齢の上限をそれぞれ5歳ずつ引き上げたものです。
 
ただし、iDeCoはもともと国民年金に上乗せして拠出して将来の受給を増やす制度なので、厚生年金または国民年金に加入していることを条件にしています。
 
(3)の受給開始年齢の引き上げは、現在、公的年金の受給年齢の引き上げ(70歳から75歳)の話題が出ていますが、その先取りと思われます。

まとめ

DCとiDeCoは、DBと貯金に替わって、これからの個人資産の蓄積の中心として話題となっている制度です。
 
今回の制度改正案については、人生100年時代といわれる今、多くの人が、長く働いて現役時代から資産を積み立て、リタイア後に備えることができるよう、加入条件や加入年齢、受給年齢を見直すことになったと思われます。
 
今年2020年の国会で改正案が成立すれば、令和2年度から適用されることになる予定です。DCやiDeCoに加入している方、また加入を検討されている方は、ぜひ確認するようにしてください。
 
[出典]
(※)国民年金基金連合会 イデコ公式サイト「iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入者数等について」
財務省「令和2年度税制改正(案)のポイント」(令和2年1月)
 
執筆者:植田英三郎
ファイナンシャルプランナー CFP

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