公開日: 2019.09.25 年金

老齢年金を繰り上げたら、 障害年金が請求できなくなった……なぜそんなことが起こるの?

老齢年金の受給を繰り上げると、本来の支給開始年齢より早く受給できる代わりに、年金が減額されてしまいます。しかし、繰上げ受給の注意点はそれだけではありません。障害年金との関係でも注意点があります。
井内義典

執筆者:

執筆者:井内義典(いのうち よしのり)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

1982年生まれ。株式会社よこはまライフプランニング代表取締役。

資格学校勤務時代には教材編集等の制作業務や学習相談業務に従事し、個人開業の社会保険労務士・FPとしては公的年金に関する研修講師を務め、また、公的年金の相談業務も経験してきている。

これらの経験を活かして、専門誌で年金に関する執筆を行っている。2018年に、年金やライフプランに関する相談・提案、教育研修、制作、調査研究の各事業を行うための株式会社よこはまライフプランニングを設立、横浜を中心に首都圏で活動中。日本年金学会会員、日本FP学会準会員。

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井内義典

執筆者:

執筆者:井内義典(いのうち よしのり)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

1982年生まれ。株式会社よこはまライフプランニング代表取締役。

資格学校勤務時代には教材編集等の制作業務や学習相談業務に従事し、個人開業の社会保険労務士・FPとしては公的年金に関する研修講師を務め、また、公的年金の相談業務も経験してきている。

これらの経験を活かして、専門誌で年金に関する執筆を行っている。2018年に、年金やライフプランに関する相談・提案、教育研修、制作、調査研究の各事業を行うための株式会社よこはまライフプランニングを設立、横浜を中心に首都圏で活動中。日本年金学会会員、日本FP学会準会員。

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老齢年金を繰上げ受給すると減額

老齢年金を繰り上げて受給すると1ヶ月繰り上げるごとに0.5%減額され、その減額は生涯続くことになります。本来65歳からの老齢基礎年金を60歳0ヶ月で5年(60月)繰り上げて受給した場合であれば、30%(0.5%×60月)減額され、残りの70%の額で受給することになるでしょう。
 
繰上げ受給にはそのような減額のデメリットがありますが、公的年金には老齢年金以外に、病気やケガが原因で障害が残った場合に受けられる障害年金もあります。

事後重症による障害年金請求制度

障害年金は、初診日(障害の原因となる病気やケガで初めて医師等の診療を受けた日)から1年6ヶ月(原則)経過した日である障害認定日に障害等級に該当し、その他の受給要件を満たしていれば受給することができます。
 
国民年金制度の障害基礎年金の障害等級は重いほうから1級、2級があり、厚生年金保険制度の障害厚生年金は1級、2級の他、2級より軽い3級があります。障害認定日時点で障害等級に該当すれば、その翌月分から年金を受給することが可能になります。
 
障害認定日時点で障害の状態が軽い場合は、障害等級に該当していないこともあり、この場合については障害年金を受けられません。
 
しかし、障害認定日時点では障害等級に該当していなかったとしても、もし、その後障害が悪化してしまい、障害等級に該当するようになった場合には、65歳前(65歳の誕生日の前々日まで)に、障害年金の請求ができるようになっています(事後重症による障害年金請求制度。【図表1】)。
 

 
後になってから状態が悪くなったことから事後重症と言いますが、事後重症による障害年金の請求を行うと、請求した月の翌月分から障害年金が受けられるようになります(障害等級に該当した月の翌月分からではありません)。

老齢年金を繰り上げると事後重症による請求はできない!

先述のとおり、この事後重症による請求は65歳前までであれば可能となっています。
 
しかし、60歳台前半で老齢年金を繰上げ受給している場合については、たとえ65歳前であっても事後重症による請求ができなくなります(【図表2】)。
繰上げによって、すでに65歳になったものとみなされてしまうからです。

繰上げをしなければ、繰上げによる減額をされた老齢年金よりも高い障害年金を受け取れる、ということもあります。
 
病気やケガを抱えているときに老齢年金の繰上げ受給を検討しているのであれば、もし障害が残った時に受給できる障害年金についての制約も理解しておく必要があり、繰上げ請求は慎重に行う必要があるでしょう。
 
執筆者:井内義典
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー
 

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