更新日: 2019.06.12 その他年金

10月から開始!年金生活者支援給付金制度(4) どのように支給される?

10月から開始!年金生活者支援給付金制度(4) どのように支給される?
前回までに、年金生活者支援給付金の種類や支給の条件、計算方法について取り上げました。要件を満たして支給される場合、どのように支給されるようになるのでしょうか。支援給付金の支払いに関するルールについて取り上げます。
 
井内義典

執筆者:井内義典(いのうち よしのり)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

1982年生まれ。株式会社よこはまライフプランニング代表取締役。

資格学校勤務時代には教材編集等の制作業務や学習相談業務に従事し、個人開業の社会保険労務士・FPとしては公的年金に関する研修講師を務め、また、公的年金の相談業務も経験してきている。

これらの経験を活かして、専門誌で年金に関する執筆を行っている。2018年に、年金やライフプランに関する相談・提案、教育研修、制作、調査研究の各事業を行うための株式会社よこはまライフプランニングを設立、横浜を中心に首都圏で活動中。日本年金学会会員、日本FP学会準会員。

支援給付金の支給日は年金と同じ

年金は、各偶数月の15日に、前月・前々月の2か月分が支払われることが基本的なルールとなり、例外的に、次の偶数月を待たず、その前月の奇数月に支払われることがあります。そして、年金生活者支援給付金についても、年金と同じルールで支払いが行われます(【図表1】)。
 

 
2019年10月からの制度ですので、同年10月分・11月分についての、同年12月13日(12月15日は日曜日のためその前の金融機関営業日)での支払いから始まります。
 
ただし、支援給付金の対象者であるのに、その請求手続きが遅れると、その分の支援給付金が受け取れないこともありますので、忘れないうちに手続きを行う必要があります(手続きの詳細は最寄りの年金事務所にお問い合わせください)。
 

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支援給付金を受けられない場合

各支援給付金の受給のためには、前回までに述べた所得要件を満たすことが必要です。
 
所得要件を満たせば8月分(2019年10月施行であるため今年は10月分)から翌年7月分まで支給されることになりますが、毎年、所得の確認が行われ、所得要件を満たさなくなった場合、8月分から翌年7月分まで受けられなくなります。
 
779,300円だった老齢年金生活者支援給付金の所得基準額は毎年度改定されますし、自身や同一世帯の家族の所得が変わることもあるでしょう。
 
それにより支援給付金の支給の有無や支給額が変わることもありますので、特に所得基準額に近い年金収入・所得額の場合、注意が必要となるでしょう。また、いずれの支援給付金についても、日本国内に住所がない人は所得要件を満たしていても受けることができません。
 

受けられる給付金は1種類

老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金のうち、2種類以上の年金を受給する権利がある場合はいずれかの年金を選択して受給することになり、選択しない年金はその間、受給しないことになります。
 
そして、各支援給付金についても、それぞれの基礎年金を受給している場合に、支給されることになっています。受給している基礎年金とは異なる種類の支援給付金を受けることはできません。
 
老齢基礎年金と障害基礎年金両方を受給する権利がある場合で、障害基礎年金を選択受給した場合であれば、障害基礎年金と併せて障害年金生活者支援給付金は受けられても、老齢基礎年金と老齢年金生活者支援給付金は受けられないことになります(【図表2】)。
 

 
複数の基礎年金の受給権がある場合、上乗せで厚生年金や支援給付金の支給の有無を踏まえて、受給を決める必要もあるでしょう。
 
執筆者:井内義典(いのうち よしのり)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー
 

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