更新日: 2019.06.26 年金

人口は減っているのに、厚生年金の加入者が増えているワケ

執筆者 : 松浦建二

人口が減っているにもかかわらず、厚生年金に加入している人がかなり増えています。政策が大きく影響していると考えられますが、将来の私たちの生活は公的年金を頼りにして大丈夫なのでしょうか?
 
日本年金機構と厚生労働省の統計から、昨今の公的年金事情について調べてみました。今回は公的年金加入者について取り上げます。
 
 
松浦建二

執筆者:

執筆者:松浦建二(まつうら けんじ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
1990年青山学院大学卒。大手住宅メーカーから外資系生命保険会社に転職し、個人の生命保険を活用したリスク対策や資産形成、相続対策、法人の税対策、事業保障対策等のコンサルティング営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する講演や執筆等も行っている。青山学院大学非常勤講師。
http://www.ifp.cc/

松浦建二

執筆者:

執筆者:松浦建二(まつうら けんじ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
1990年青山学院大学卒。大手住宅メーカーから外資系生命保険会社に転職し、個人の生命保険を活用したリスク対策や資産形成、相続対策、法人の税対策、事業保障対策等のコンサルティング営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する講演や執筆等も行っている。青山学院大学非常勤講師。
http://www.ifp.cc/

公的年金全体では12年間で加入者が329万人も減少している

公的年金の加入状況等の情報提供は、日本年金機構の主要統計で毎月及び毎年発表しており、厚生労働省の公的年金加入状況等調査でも3年1度調査し、結果を公表しています。まずは公的年金加入状況等調査から第1号~第3号被保険者数の推移をグラフにしてみました。
 
第1号被保険者……自営業者や農業・漁業等の従事者等、第2号と第3号以外の加入者
第2号被保険者……民間企業や公務員等を対象とする厚生年金保険の加入者
第3号被保険者……第2号被保険者に扶養されている配偶者
 
※被用者年金保険の老齢年金受給者等は、加入者数に含まれていません。
 
公的年金加入者数の推移
 

資料:厚生労働省「公的年金加入状況等調査(平成16年・22年・25年・28年)」
 
2016年(平成28年)の加入者は、第1号が1571.7万人、第2号4249.7万人、第3号897.8万人で、合計すると6719.2万人となっています。割合では、第1号が23.4%、第2号が63.2%、第3号が13.4%なので、加入者のうち約3人に2人は第2号被保険者になります。
 
加入者数を過去と比べると、2004年には合計で7048万人の加入者がいたので、12年で329万人も減っています。人口減少や少子高齢化の影響が公的年金加入者数にも表れていると言えます。
また、グラフを見てわかるように、第2号被保険者は増えていて、2004年の3734.1万人から12年で実に516万人も増えています。
 
全体では減っていても第2号被保険者が増えているということは、第1号と第3号の被保険者数は相当減っているということになります。第1号は、2004年の2213万人から641万人減、第3号も2004年の1101万人から203万人減で、それぞれ減少率は29%と23%にもなります。
 

厚生年金に加入する女性が大きく増えている

公的年金加入者数について日本年金機構の主要統計でも確認し、各年の12月発表の情報を8年間グラフに表してみました。12月の情報では加入者数は各年の9月末の数値となっています。
 
国民年金・厚生年金の被保険者数の推移
 

資料:日本年金機構「主要統計(6・18・30・42・54・66・78・90・102)」
 
日本年金機構の統計でも第2号被保険者(厚生年金)が増えているのがよく分かります。特に女性は、2010年から2018年の8年間で281万人増えています。
 
厚生年金の加入者が増えているのは、国の政策として厚生年金の加入基準を引き下げて、パート等の短時間労働者の厚生年金加入を進めているからです。長生きする時代になって公的年金の必要性が増しており、第2号を増やして将来の年金不安を少しでも解消できるようにしています。
 
第2号被保険者が男女とも増えているのとは対照的に、第1号と第3号は継続的に減っています。今後もこの傾向がしばらくは続きそうです。
 
公的年金の第2号は保険料の半分を事業者が負担するので、加入者(被保険者)にとっては第1号より効率良く将来の年金を準備できます。公的年金のためだけに仕事を変える必要はないですが、選択できるなら迷わず第2号の方を選びましょう。
 
執筆者:松浦建二(まつうら けんじ)
CFP(R)認定者