最終更新日: 2019.06.12 公開日: 2019.02.06
年金

年金を受け取っている人のうち、繰下げ・繰上げ受給している人はどれくらい?

公的な老齢年金は基本的に65歳から受け取りますが、希望があれば受け取り開始時期を早めたり遅らせたりすることもできます。自分自身が将来受け取る時にどうするかは、その時の経済事情や懐事情が大きく影響するでしょうが、他の人はどうしているのでしょうか?
 
将来の参考のために、既に年金を受給している人がいつから受給開始したかについて確認してみました。
 
松浦建二

執筆者:

執筆者:松浦建二(まつうら けんじ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
1990年青山学院大学卒。大手住宅メーカーから外資系生命保険会社に転職し、個人の生命保険を活用したリスク対策や資産形成、相続対策、法人の税対策、事業保障対策等のコンサルティング営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する講演や執筆等も行っている。青山学院大学非常勤講師。
http://www.ifp.cc/

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松浦建二

執筆者:

執筆者:松浦建二(まつうら けんじ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
1990年青山学院大学卒。大手住宅メーカーから外資系生命保険会社に転職し、個人の生命保険を活用したリスク対策や資産形成、相続対策、法人の税対策、事業保障対策等のコンサルティング営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する講演や執筆等も行っている。青山学院大学非常勤講師。
http://www.ifp.cc/

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繰上げ受給する割合は景気に左右される!?

厚生労働省年金制度基礎調査では、日本年金機構が支給する老齢年金の受給者を対象に年金や生活に関する調査をしています。
 
その中に年金受給者が老齢年金を繰上げ受給(受取開始時期を早めて受給)や繰下げ受給(受取開始時期を遅らせて受給)したかどうかや、繰上げ受給した人の理由を調査した結果もあり、性別・年齢別にまとめてみました。
 
老齢年金の受給開始は基本的に65歳からですが、繰上げることで60歳から受給することができ、繰下げることで70歳から受給することもできます。
 
受け取り開始時期を1か月早めるごとに年金額は0.5%減り、60か月(5年)早めると年金額は30%減ります。逆に受け取り時期を1か月遅くするごとに年金額は0.7%増え、60か月(5年)遅くすると年金額は42%増えます。
 
最初は男性の年齢階級別による繰上げ・繰下げの有無と理由別の割合です。
 

 
男性の場合、繰上げ受給をした割合は8.0%、繰下げ受給した割合は僅か1.5%で、90.4%が繰上げ受給も繰下げ受給もせずに65歳から老齢年金を受け取っています。繰り上げ受給をした理由は「年金を繰上げないと生活出来なかった」が2.3%で多くなっています。
 
年金受給者の年齢階級別にみると、繰上げ受給した割合は90歳以上が19.3%で最も高く、75歳~79歳が4.7%で最も低くなっています。繰下げ受給した割合は逆に90歳以上が0.4%で最も低く、75歳~79歳が2.6%で最も高くなっています。
 
繰上げ受給をした割合は、90歳以上から75歳~79歳へ徐々に低くなっていきますが、そこから下の世代は反転して徐々に高くなっています。繰下げ受給をした割合は逆の動きをしています。
 
年齢による違いが何を表しているか定かではありませんが、受給開始時期を決める60歳代頃に十分な収入や貯蓄があった男性が、10~20年前は比較的多かったけれど最近は減ってきているのではないでしょうか。
 
次は女性の年齢階級別による繰上げ・繰下げの有無と理由別の割合です。
 

 
女性の場合、繰上げ受給をした割合は14.8%で男性より6.8%高く、繰下げ受給した割合は1.1%で男性より0.4%低くなっています。繰上げ受給をした理由は「不詳」の割合が一番高いですが、表の3つの理由の中では「減額されても早期受給が得だと思った」が2.8%で最も高くなっています。
 
年齢階級別にみると、年齢が上になるほど繰上げ受給をした割合が高く、65歳~69歳では8.1%ですが90歳以上では半数近い48.2%の女性が繰上げ受給をしています。これは昔と今では年金制度の内容が変わってきていることや、女性が経済力を付けていること等が理由ではないでしょうか。
 

自営業者は繰上げ受給する割合が比較的高い

繰上げ・繰下げ受給に関してもう一つ、現役時代の働き方によって受け取り方に違いがないか確認してみました。次の表は厚生・共済年金のない男性年金受給者本人の現役時代の働き方別に繰上げ・繰下げ受給の有無と理由をまとめたものです。
 

 
繰上げ受給している割合は「自営業中心」の22.0%と「収入を伴う仕事のない期間が中心」の20.9%が高く、「正社員中心」は4.3%で最も低くなっています。
 
繰上げ受給をした理由は、「自営業者」の場合「減額されても早期受給が得だと思った」が5.8%で最も高いですが、「収入を伴う仕事のない期間が中心」では「生活の足しにしたかった」が7.0%で最も高くなっています。
 
最後は女性年金受給者の場合の、本人の現役時代の働き方別に繰上げ・繰下げ受給の有無と理由をまとめたものです。
 

 
女性で繰上げ受給した割合が高いのは、「自営業中心」の29.6%や「アルバイト中心」の21.1%、「収入を伴う仕事のない期間が中心」の19.2%となっています。「正社員中心」は4.2%で、男性と同様に最も割合が低いです。
 
繰上げ受給をした理由は、「アルバイト中心」では「年金を繰上げないと生活出来なかった」の割合が比較的高く、「自営業中心」では男性と同様に「減額されても早期受給が得だと思った」の割合が比較的高くなっています。
 
性別や働き方に関係なく「減額されても早期受給が得だと思った」が一定数います。年金額は繰下げて受給した方が多くなりますが、公的年金制度を信用していなく、受け取れるうち(制度が破綻する前)に受け取っておくべきと考えている人もいるようです。
 
平均寿命が伸びているので、繰上げて年金額を減らしてしまうと後々大変になってくるのではないでしょうか。
 
執筆者:松浦建二(まつうら けんじ)
CFP(R)認定者
 



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