専業主婦こそiDeCoに加入するべきワケとは
配信日: 2018.12.28 更新日: 2019.01.10
しかしながら、主婦(国民年金第3号被保険者)の加入状況は平成30年10月末時点でわずか3万2054人と、加入者全体のたったの3%でしかありません。この状況は、専業主婦などがiDeCoの一番のメリットである所得控除の恩恵を受けられないからだと考えられています。
しかし、実際には、iDeCoは主婦にこそ加入のメリットがあります。将来の資産形成のひとつとしても、前向きに考えてみてはいかがでしょうか。
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Text:加藤啓之 (かとう しげゆき)
FP横浜オフィス加藤 代表
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、1級DCプランナー
日本証券アナリスト協会検定会員、1級証券外務員
大手資産運用会社、大手企業年金基金で勤務ののち独立。
資産運用、iDeCo加入等を中心に個人相談を展開。
企業の退職金制度のコンサル、確定拠出年金制度の導入支援、独自性のある継続教育など法人ビジネスも展開。
https://fpyokohamakato.amebaownd.com/
専業主婦もiDeCoに加入できるように
平成28年の確定拠出年金法改正によって、iDeCoの加入対象者が拡大されました。
なかでも、約440万人いる公務員などの2倍にあたる、約900万人と見積もられる主婦(国民年金第3号被保険者)が加入可能になったことで、関係者はiDeCo加入者の大幅な増加が見込めると期待に胸を膨らませていました。
しかしながら、主婦の加入者が200万人に達するとの見込みに反して、実際は前述の通りでしかありません。
主婦の加入が増えない理由は以下の通りと考えられます。
・専業主婦、年収103万円未満のパート主婦には所得控除の恩恵がない
・老後の生活資金準備は世帯主が考えるものと思われている
・投資信託を含め投資に興味がない
これらの理由で、さまざまなメリットがあるiDeCoを利用しないのは、もったいないと考えます。
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103万円の壁を気にせず働ける
それでは、主婦がiDeCoに加入するメリットを考えてみましょう。主婦のなかには、所得税がかからないようにするため、パート年収を103万円以内に抑えるべく勤務時間を調整している方がたくさんいらっしゃいます。
主婦(国民年金第3号被保険者)が拠出できる、iDeCoの掛金の年間限度額は27万6000円(毎月2万3000円)。つまり、最大でこの額をパート所得から控除できます。103万円の壁を以前ほど気にせずに働けるうえ、老後の資産形成もできるのです。
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投資の練習になる
今は教育費や住宅ローンなどで貯金ができない方でも、いつかは教育費がかからなくなり、また住宅ローン返済の目途が立ち、家計に余裕が出てくるはずです。
そのときになって投資を始めても、金融機関に説明されるままに手数料の高い金融商品に手を出すことになるのは目に見えています。iDeCoで投資できる投資信託は販売手数料がかからず、保有時にかかる信託報酬もかなり低く抑えられています。
毎月最少額の掛金である5000円を拠出したとしても、バランス型やインデックス型に配分するなどして実際の投資信託の値動きを知ることができ、投資に興味を持てるようになるでしょう。
後年、家計に余裕が出てきたときに、自分で目的に見合った投資信託の選択をできるようにもなります。
また、余計なお世話ではありますが、もし熟年離婚することになったとしても、iDeCoは財産分割の対象になりません。そのため、その資産はそっくりそのまま主婦の方のものとなり、60歳以降に受給することができます。
以上、主婦こそiDeCoに加入してほしい理由を紹介しました。最後に、原則60歳まで引き出すことができないというデメリットを、十分に認識する必要があることを付け加えておきます。
Text:加藤啓之 (かとう しげゆき)
FP横浜オフィス加藤 代表
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、1級DCプランナー