学生の内では納めることが難しい国民年金保険料はどうなる?(1)学生納付特例制度の基本
配信日: 2018.07.11 更新日: 2020.04.06
しかし、学生であると収入も少なく、保険料を納められないこともあるかと思います。そうした学生のための納付特例制度について、4回に分けて取り上げます。
執筆者:井内義典(いのうち よしのり)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー
1982年生まれ。株式会社よこはまライフプランニング代表取締役。
資格学校勤務時代には教材編集等の制作業務や学習相談業務に従事し、個人開業の社会保険労務士・FPとしては公的年金に関する研修講師を務め、また、公的年金の相談業務も経験してきている。
これらの経験を活かして、専門誌で年金に関する執筆を行っている。2018年に、年金やライフプランに関する相談・提案、教育研修、制作、調査研究の各事業を行うための株式会社よこはまライフプランニングを設立、横浜を中心に首都圏で活動中。日本年金学会会員、日本FP学会準会員。
20歳になったら学生も国民年金に加入
日本国内に住んでいる人が20歳を迎えると、国民年金に加入することが義務付けられています。これは学生であっても同様です。
学生は国民年金の第1号被保険者として加入し、毎月保険料(平成30年度:月額1万6340円)を納めることになります。
しかし、在学中に収入が少ないと、保険料を納めることが難しいこともあります。そこで、そうした学生に対しては、保険料の納付が猶予される制度があります。それが学生納付特例制度です。
保険料が支払うことが難しい学生が対象となりますので、基準額(118万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除額等)以下の所得である人が納付特例の適用を受けることができます。
学生本人の所得が基準額以下であれば良いので、同居している家族の収入がいくらであっても、納付特例が認められます。
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学生納付特例は学年ごとに申請
学生納付特例を受けるためには、在学証明書、学生証のコピーなど学生であることを証明できるものを添えて、年金事務所や市区町村で手続きが必要です。
学生納付特例の申請を行うと、翌年3月(1~3月の申請の場合は当年3月)までの期間の納付が猶予されることとなっています。
つまり、1学年の終わりまでとなっており、学年ごとに適用されます。新年度を迎え、次の学年へ上がると、また当該年度についての申請が必要です。
ただし、平成26年4月より、最大過去2年1カ月にさかのぼって納付特例を受けることができるようになりました。申請し忘れていた期間も納付特例を受けることができるようになったといえるでしょう【図表1】。
学生納付特例が申請できる学生とは?
学生納付特例制度の対象となる学生は、大学生、短大生、専門学校生(専修学校、修業年限1年以上で都道府県知事の認可を受けた各種学校等の学生)などです。
昼間部の学生だけでなく、夜間部などの学生も対象となります【図表2】。日本国内にある、ほとんどの学校の学生が対象になるといえるでしょう。
Text:井内 義典(いのうち よしのり)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー