更新日: 2019.01.10 介護

11月11日は「介護の日」。親の介護の備えはできていますか?

11月11日は「介護の日」。親の介護の備えはできていますか?
11月11日は介護の日です。

なぜ、この日が介護の日かというと、「いい日、いい日、毎日、あったか介護ありがとう」を念頭に、「いい日、いい日」にかけた覚えやすく、親しみやすい語呂合わせをしたとのことです(厚労省)。

この機会に親の介護の備えについて考えてみませんか。
新美昌也

Text:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

 

75歳から介護のリスクが高まります

 
親にはいつまでも元気でいて欲しいと思っていても、長生きすればするほど介護のリスクが高まります。

2016年における日本の平均寿命は、男性が80.98歳、女性が87.14歳となっています。厚生労働省の調査(※)によると、70歳~74歳の要介護認定率は6.2%ですが、75歳~79歳は13.3%、80歳~84歳は28.7%と75歳から介護のリスクが急速に高まってきます。85歳以上では59.8%と2人に1人以上が要介護認定を受けています。平均寿命を考えると男性より女性のほうが介護になるリスクが高いといえます。

介護になる要因は、加齢に伴うものだけではありません。交通事故などで若くして介護が必要になることもあります。介護はいつ起こってもおかしくない身近なリスクといえます。

※厚生労働省「介護給付費等実態調査(平成28年3月審査分)」、総務省統計局「人口推計(平成28年8月報)」平成28年3月1日現在(確定値)

 

親の介護の備えは情報収集から

 
親に介護が必要になった時、誰が介護を行うのか、在宅介護か施設介護か、お金はいくらかかるのか、そのお金は誰が出すのか、介護保険の手続きはどうしたらいいのか、どこに相談したらよいのか等、あらかじめ考えておかないと、親の介護は突然起こることがありますので、パニックになります。

そこで、不安な点をメモしておき、「地域包括支援センター」に行き不安な点を相談しましょう。

「地域包括支援センター」は中学校区に概ねひとつあります。なお、名称は高齢者相談センターなど地域によって異なります。

「地域包括支援センター」には主任介護支援専門員(ケアマネージャー)、保健師、社会福祉士、看護師等の専門家がいます。ワンストップで介護のほか、健康や福祉、医療について、高齢者本人や家族の様々な悩みについて無料で相談できます。

介護保険のしくみや内容については市区町村が、わかりやすいパンフレットを作成しています。ダウンロードして、手続きの仕方、どのような介護サービスがあるのか、お金はいくらかかるのか確認しておきましょう。有料老人ホームやサービス付高齢者向け住宅は、親が元気なうちに見学しておきましょう。

 

介護離職は回避するのが基本

 
生命保険文化センター「平成27年度生命保険に関する全国実態調査」によると介護期間は平均4年11ヵ月です。

会社を辞めて親の介護に専念した場合、介護が終わった後のあなたの人生は何十年も続きます。年齢的に再就職は難しいでしょうし、できても収入は大きく減るでしょう。

あなた自身のライフプランを考えた場合、会社を辞めてあなた自身が介護をするのではなく、介護は専門家に任せるべきです。介護保険を徹底的に活用しましょう。

仕事と介護の両立を応援する仕組みとして、法律上、「介護休業」や「介護休暇」などがあります。これらの仕組みを利用して親の介護の環境を整えましょう。もちろん、会社の理解も重要です。会社の制度を調べたり、親に介護が必要になったら一人で抱え込まずに上司に相談しましょう。
 
 
Text:新美 昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。

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