更新日: 2019.07.19 定年・退職

年収300万でも厳しい、、定年退職後の再就職が難しい現実

年収300万でも厳しい、、定年退職後の再就職が難しい現実
現在、日本の大きな会社のほとんどは60歳に定年を迎え、そこでいったん退職の形をとり、希望者は「雇用延長」という形で、継続的に同じ会社で業務を行うことになります。ところが、いろいろな人にヒアリングすると、「雇用延長」の場合、かなり年収が下がる上、1年ごとの契約になることが多いようです。
 
さらに、会社によっては「今までと変わらない業務をやってもらい、責任を持ってやってもらいます」ということもあると聞きます。つまり、単に給与が下がり、契約社員になるだけなのですね。それを聞いて、「あほらしい」と思って60歳で退職してしまうか、他に再就職の道を探そうとする人も少なくありません。
 
ところが、その再就職も茨(いばら)の道なのです。運良く取引先や知り合いから声がかかればいいのですが、たとえばハローワークなどで探しても、ホワイトカラーの仕事は容易に見つかりません。たとえ見つかったとしても、給与水準が低いところばかり。そこではじめて、「ああ、やはり雇用延長したほうがよかったかな……」とため息をつくのかもしれません。
 
そんな「定年後の再雇用」について、旅行サイト「エアトリ」を運営する株式会社エアトリがアンケートを実施しました。実情はどうなのでしょうか? 見てみましょう。
 
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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64.6%の人が定年を過ぎても何らか働いている

エアトリ調べによると、『「定年を迎えてから再度働いていますか?(働きましたか?)』という問いには「働いている(働いた)」と回答したのが64.6%となっています。この調査でいう「定年」が何歳のことかわからないのですが、60歳のことだとしておきます。そうだとすると、逆にいえば35.4%もの人が60歳で仕事をやめてしまっているということです。
 
筆者の回りで定年(60歳)を迎えた方に聞いても仕事をやめてしまう人は多く、35.4%というのは感覚的に納得できる数字です。年金支給時期まで貯蓄や退職金で暮らす、あるいは株など保有資産があるので継続して働く必要はないのかもしれません。
 
定年後も「働いている(働いた)」人に「どこで働いていますか?(働きましたか?)」という質問がされると、41.2%の人は「同じ会社」と答えています。つまり雇用延長ということですね。「違う会社」と答えた人も36.0%、自分で起業したりフリーランスとして働いたりしている(働いた)人も15%います。ただし、多くの人は収入がダウンしたと思われます。その理由は次の通りです。
 

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年収400万円以上は欲しいけど高い壁

定年後に再就職してどれぐらいの年収を求めるのか? 「定年前」の人に「定年退職後、年収がいくらだったら働きたいですか?」という質問には、約半数の人が「年収400万円以上を希望する」と答えています。
 
ただし、同調査で「定年後に再就職した人」に「定年(再就職)後の年収を教えてください」と聞くと、一番多いのが「300万円以上400万円未満」で22.2%。次が「200万円以上300万円未満」で17.0%。その次が「100万円以上200万円未満」で15.0%。
 
つまり、定年後の再就職に求める収入として年収400万円以上は高い壁であることがわかります。
 

受け身と前向きの姿勢が混在

さて、再雇用の人も含めて、定年後に再就職をしようと思ったのはなぜでしょうか? ふつうに考えれば、お金の心配が一番だと思いますが、実際収入が下がっても雇用延長を受け入れたり、別の環境で仕事をはじめたりする人が相当数いるわけです。
 
この調査では定年後に再就職した人に向けて「定年後に再就職した理由は何ですか?」と聞いています(複数回答)。
 
・会社や知り合いから勧誘があった 40.1%
・社会との接点を持ちたかった 39.8%
・働くことが好き 32.3%
・貯蓄額に不安があった 31.3%
・他にやりたいことがなかった 13.0%
・家族から勧められた 10.1%
 
ざっと見た感じ、「受け身」な回答と「前向き」な回答が混在しています。思い通りの収入に届かなくても、こうして再就職あるいは雇用延長を受け入れざるを得なかったシニア世代の姿が見えてくるようです。それでも、再就職、雇用延長ができた人はラッキーなのかもしれません。
 

まとめ

このエアトリの調査で、現在の定年世代は、定年以降も働く人が64.6%。年収400万円以上を望む人が多いけれど、実際は年収400万円以上というのはかなり高い壁であることがわかりました。
 
ある程度希望を下げても、定年後も仕事を続けるシニア世代の目に姿が浮かんできます。
 
出典※「定年後の再雇用」に関する調査(株式会社エアトリ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部