年金の平均受給額が月20万円未満の割合は? 月20万円未満の年金なら定年後も働き続けないといけない?

配信日: 2025.06.16

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年金の平均受給額が月20万円未満の割合は? 月20万円未満の年金なら定年後も働き続けないといけない?
老後の暮らしに直結する「年金」。その金額を月にいくらもらえるかによって、老後の安心感も大きく変わってきます。
 
例えば、「月20万円未満の年金しかもらえない」と聞いて、将来が心配になった方も多いのではないでしょうか。
 
この記事では、実際にどれくらいの人が月20万円未満の年金で生活しているのかをデータで紹介し、月20万円の年金で生活が成り立つのか、もし足りない場合に働き続ける必要があるのかなど、現実的な対策まで分かりやすく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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年金の平均受給額が月20万円未満の人はどれくらい?

厚生労働省年金局の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金保険の平均年金月額は約14万6000円、国民年金は約5万8000円です。男女別では、男性の厚生年金保険における平均年金月額は約16万7000円、女性は約10万7000円となっています。なお、厚生年金保険の平均年金月額には、基礎年金月額も含みます。
 
厚生年金受給者で年金月額が20万円未満の人は全体で約83.7%、男性では約76%、女性は約98.7%にも及び、多くの人が月20万円未満の年金で生活しているのが実情です。そのため、月20万円未満の年金受給額は決して珍しい水準ではありません。
 

月20万円の年金で老後は暮らせる? 生活費とのギャップとは

年金が月に20万円あっても、老後の生活に十分とは言い切れません。
 
総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要」では、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における平均消費支出は月25万6521円とされており、年金が月20万円の場合、毎月6万円近くの不足が生じる計算になります。
 
あくまで平均値ではありますが、食費や光熱費、医療費など基本的な支出でこの額に達する可能性があるため、年金だけでは生活が厳しいケースも多いのが実情です。この不足分をどう補うかが、老後の生活設計において重要なポイントとなります。
 

年金だけで足りない場合は定年後も働き続けないといけない?

年金だけで生活が難しいと感じる人の中には、「定年後も働き続けなければならないのか」と不安を抱える方も多いでしょう。例えば、毎月6万円の不足がある場合、年間では72万円、10年間で720万円の赤字となります。これを補うには、働いて収入を得るか、貯蓄や退職金を取り崩す必要があるでしょう。
 
ただし、働き続けることだけが唯一の手段ではありません。支出を見直して無駄を減らしたり、NISAやiDeCoといった制度を活用して資産運用を行ったりすることで、不足分を補うことも可能です。また、年金の繰下げ受給を選択すれば、年金額を増やすこともできます。
 
このように複数の方法を組み合わせることで、働き続けずに済むケースもあるのです。
 

働き続けなくてもよい老後のために、今できる備えとは?

働き続けずに老後を安心して迎えるためには、現役のうちから備えを始めることが大切です。
 
例えば、前述のNISAなどの少額投資で将来の資産を育てたり、住宅ローンを計画立てて定年までに完済したりすることは有効な対策です。また、年金の受給見込み額を早めに把握しておけば、不足分を補う計画も立てやすくなります。
 
これらの準備をコツコツと進めておくことで、年金に頼りすぎないゆとりある老後が現実的になるでしょう。
 

まとめ

厚生労働省の統計データによれば、多くの人が月20万円未満の年金で老後を迎えており、月20万円未満の年金受給額は決して珍しい水準ではありません。しかし、実際の生活費と比べると不足が生じるケースが多く、その差をどう補うかが今後の生活に大きく影響します。
 
けれども、働き続けるしか方法がないわけではありません。支出の見直し、資産運用、年金の繰下げ受給など、さまざまな手段を組み合わせることで、無理なく備えることが可能です。
 
将来に不安を感じたときこそ、できることから一歩ずつ準備を始めましょう。それが、安心して暮らせる老後への第一歩となります。
 

出典

厚生労働省年金局 令和5年 度厚生年金保険・国民年金事業の概況 (参考資料2)年齢別老齢年金受給権者数及び平均年金月額(25ページ)、(参考資料3)厚生年金保険(第1号) 男女別年金月額階級別老齢年金受給権者数(26ページ)
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 図1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支 -2024年-(18ページ)
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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