自動車免許を返納した父が「申請してなくて2万円分損した」と発言! 高齢で免許を返納すると、なにか“特典”がもらえたのでしょうか?

配信日: 2025.06.13

この記事は約 4 分で読めます。
自動車免許を返納した父が「申請してなくて2万円分損した」と発言! 高齢で免許を返納すると、なにか“特典”がもらえたのでしょうか?
高齢になった親の運転が心配で、免許を返納してもらったものの、後から「知らなくて損をした」と聞かされて驚いた経験はありませんか?
 
実は、多くの自治体では、高齢ドライバーの免許返納を支援するため、数千円から数万円相当の特典を用意しています。
 
しかし、これらの特典は自動的にもらえるものではなく、決められた期間内に申請手続きが必要です。本記事では「2万円分の損」の真相と、同じような失敗を防ぐための対策を詳しく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。

自動車免許を返納すると何がもらえる? 「2万円損」の真相とは

多くの自治体では、高齢ドライバーの自主返納を促す目的でタクシーチケットや商品券などの支援を提供しています。
 
例えば、石川県珠洲市では、運転免許を自主返納した70歳以上の市民に2万円分のタクシー利用券を交付しており、返納日から30日以内の申請が必要です。申請期間内に手続きをしないと、本来もらえたはずの2万円分の特典を受け取れず、「知らなきゃ損」という結果になります。
 

自治体ごとにこんなに違う! 免許返納特典の地域差

図表1にいくつかの自治体の免許返納特典をまとめました。
 
図表1

自治体(地域) 主な特典内容と金額 条件・特徴
福岡県筑後市 タクシー利用券 3万円分
(300円券×100枚)
あるいは
ICカード乗車券3万円分(デポジット含む)
70歳以上。免許返納後1年以内。有効期限2年間。
市内提携タクシーのみ使用可。
茨城県高萩市 交通利用券 3万円分 一部を除き65歳以上。
タクシー券か交通系ICカードを自由に組み合わせ可能。
山形県山形市 タクシー利用券 2万円分
(500円券×40枚)
70歳以上。自主返納後1年以内に申請。有効期間は
交付から2年間。1回の乗車で使える枚数は3枚の制限。
千葉県流山市 交通利用助成金 1万800円分 75歳以上。利用期間は1年間。タクシー利用助成券か
路線バス定期購入助成券を自由に組み合わせ可能。
タクシー券は1回1枚、路線バス定期券助成券は1回2枚の制限。
兵庫県明石市 図書カード
または
ICOCA3000円分(500円デポジット含む)
65歳以上。
返納をすすめた人にも図書カード1000円贈呈。

筆者作成
 
筑後市や高萩市の3万円相当から、明石市の3000円+αまで幅があります。
 
特典の種類もタクシー券やICカード、バス定期券補助、図書カードなどさまざまです。明石市では、返納を後押しした人にも図書カードを進呈する独自制度があり、「家族・地域ぐるみで交通安全を考える仕組み」があります。
 

特典をもらうためには運転免許証の取消通知書が必須!

免許返納特典を確実に受け取るには、「運転免許の取消通知書」が必要です。運転免許証を警察署や免許センターで自主返納すると「取消通知書」が発行され、特典申請の際の証明になります。
 
申請期限は自治体により異なります。石川県内でも、いずれも自主返納してから珠洲市は30日以内、羽咋市は6ヶ月以内、金沢市は1年以内と定められています。期限を逃すと支援を受け取れなくなるため、早めの手続きが肝心です。年齢の制限も自治体によって異なります。
 

運転経歴証明書の発行でお得に利用可能なお店も

取消通知書と合わせて、運転経歴証明書の取得もおすすめします。運転経歴証明書は、運転免許を全て自主返納した、もしくは更新を受けずに失効した後5年以内に申請できる、顔写真付きの公的証明書です。
 
2012年4月1日以降に交付された運転経歴証明書には有効期限がなく、一生使える本人確認書類として、銀行口座の開設や携帯電話の契約などにも利用できます。
 
なお、運転経歴証明書は運転免許返納時に自動で交付されるものではなく、申請と手数料が必要です(東京都の場合、運転経歴証明書のみで1150円)。希望する場合は、最寄りの警察署や運転免許センターで手続きを行ってください。
 
運転経歴証明書を持っていると、割引価格で利用できる店・事業者があります。警視庁が主導する「高齢者運転免許自主返納サポート協議会」には、全国300以上の店舗が加盟し、飲食店・スーパー・理美容店・宿泊施設などで利用可能な割引特典を提供しています。
 

「もらい損ね」を防ぐためには自治体の情報をチェック

高齢者の免許自主返納は年々増加傾向にあり、各地で支援策が拡充される流れが続いています。
 
しかし、期限が過ぎると特典を手にすることはできません。事前に最新の自治体発表や公式サイトをチェックし、せっかくの特典を「知らずにもらい損ねる」ことのないようにしましょう。
 

出典

一般社団法人全日本指定自動車教習所協会 高齢運転者支援サイト 運転免許証の自主返納をお考えの方へ~各種特典のご案内~
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu
【PR】
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集