父が「定年後はシルバー人材センターで働く！」と言っています。「毎月の給料」ってどれくらいもらえるものでしょうか？

定年後に「地域の仕事をしてみたい」と考える方もいるかもしれません。「シルバー人材センター」に登録して仕事を受けると、どれくらいの収入になるのでしょうか。
 
また、体力的にも不安がある年齢で、どんな働き方ができるのかも気になるところです。
 
今回は、シルバー人材センターの仕組みや報酬の目安、実際にどんな仕事があるのかを紹介します。

そもそも「シルバー人材センター」とは？

シルバー人材センターは、60歳以上の高齢者が、地域で無理のない範囲で働けるよう支援する公益組織です。家庭や企業、公共団体などから依頼された仕事をセンターが受け、それを登録している会員に紹介する仕組みとなっています。
 
東京都シルバー人材センター連合によると、会員の条件は以下の通りです。

・原則60歳以上の働く意欲のある方
 
・シルバー人材センターの趣旨に賛同していただける方
 
・シルバー人材センターの入会説明を受け、入会申込書を提出した方
 
・定められた会費を納入していただける方

各区市町村に置かれているシルバー人材センターに入会申し込みをして会員登録を行ったのちに、仕事の提供や配分金の支払いを受けるという流れになっているようです。
 
また、シルバー人材センターに登録するには「年会費」が発生します。会費の額はセンターごとに異なり、年間1000円から3000円程度となるようです。
 

気になる給料は？月3万〜5万円が目安

シルバー人材センターでは、働き方の目安として以下が決められています。

・日数の上限：おおむね月10日以内
 
・時間の上限の目安：おおむね週20時間を超えないこと

報酬額は仕事の内容や量によって異なりますが、平均的には月に3万円〜5万円程度といわれています。シルバー人材センターでは、請負・委任形式で働いた場合、「報酬」としてではなく「配分金（配当分）」という形で支払われるのが一般的です。
 
例えば、月に8〜10日ほど就労した場合、このくらいの収入を得られることが多いようです。「がっつり稼ぎたい」という方には不向きかもしれませんが、年金に加えて「ちょっとした足し」になる金額ではあり、家計のゆとりや交際費・趣味代として活用する方も多いようです。
 

仕事内容は？自分のペースで選べるのが魅力

シルバー人材センターで請け負う仕事は多種多様です。例えば、以下のような仕事があるようです。

・技術系：学習教室の講師、通訳、着付けなど
 
・事務系：宛名書き、パソコン入力、経理・総務事務など
 
・作業系：草むしり、庭木の剪定、農作業、公園整備など
 
・管理系：マンションの管理、学校での各種用務員など
 
・サービス系：育児支援、家事代行、ポスティングなど

上記は一部ですが、地域ごとに受けられる仕事内容は異なり、希望する仕事が常にあるとは限らない点に注意が必要です。一般的なアルバイトやパートと違い、仕事量によって収入が決まりますが、仕事は自分で選べるため、シフトなどに左右されず自由度が高い点はメリットといえるでしょう。
 

シルバー人材センターで働くと年金は減る？注意点とは？

「収入を得たら年金が減るのでは？」と心配する方もいるかもしれません。シルバー人材センターでの仕事は、「請負・委任契約」が基本であり、原則として厚生年金の加入対象外です。そのため、年金額がカットされるケースは少ないでしょう。
 
ただし、シルバー人材センターで得た収入は「雑所得」として扱われるため、確定申告が必要となる場合があります。特に年金とあわせて所得が一定額を超える場合には、税務上の申告が必要になる可能性があるので注意しましょう。
 

収入より“役割”や“つながり”を大切にしたい人に

シルバー人材センターでの仕事は、フルタイム勤務のように大きな収入を得ることを目的としたものではありません。ただ、その一方で、自分のペースで無理なく働きながら、収入も得られる点が、多くの方に支持されている理由でもあります。
 
また、地域の人たちと関わったり、誰かの役に立つことができたりするという実感が、お金以上の「やりがい」や「生きがい」につながっていると感じる方も少なくありません。
 
定年後も社会とのつながりを持ちたい、自分にできることで地域に貢献したい方にとって、シルバー人材センターは魅力的な選択肢のひとつといえるでしょう。
 

出典

東京都シルバー人材センター連合（公益財団法人東京しごと財団）
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー