再雇用で勤務中ですが、「貯蓄2000万円」があるので退職を検討中です。65歳から「年金20万円」も受け取れますし、それまで“貯金だけ”で生活しても大丈夫ですよね? 仕事を辞めるメリット・デメリットも解説

配信日: 2025.06.12

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再雇用で勤務中ですが、「貯蓄2000万円」があるので退職を検討中です。65歳から「年金20万円」も受け取れますし、それまで“貯金だけ”で生活しても大丈夫ですよね? 仕事を辞めるメリット・デメリットも解説
定年後の生活設計は、多くのシニア世代にとって重要なテーマです。定年後の選択肢としては、「再雇用」「再就職」「完全退職」などがありますが、どれを選ぶかでその後の生活が大きく変わります。
 
本記事では、60歳独身の再雇用中の人が今すぐ退職をしたと仮定して、65歳から受け取れる年金でその後の人生は安泰なのかどうかについて解説します。なお、この人は現在2000万円の貯蓄を持っているという設定で考えていきます。
FINANCIAL FIELD編集部

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定年後の選択肢と再雇用の現実

定年後に直面する選択肢として、それまでいた会社での「再雇用」、転職して新しい仕事に就く「再就職」、もしくは「完全退職」して自由な時間を楽しむという3つが挙げられます。
 
再雇用は、安定した収入を得られる点が魅力ですが、その一方で給与は現役時代よりも大幅に減ることが一般的です。
 
また、再雇用で働く場合、若手社員との価値観の違いや、役職から外れることによるモチベーションの低下が避けられない問題となることもあります。「以前は指示を出す立場だったのに、今は業務のサポートやルーティン作業がメイン」といったギャップに苦しむ人もいるのではないでしょうか。
 
そのような状況では「再雇用をやめて退職し、貯蓄を取り崩しながら年金受給を待つ」という選択肢が頭をよぎることもあるでしょう。
 

貯蓄2000万円で65歳まで生活できるか?

再雇用をやめた場合、65歳の年金受給開始までの生活費を貯蓄で賄うことが可能かどうか考えてみましょう。
 
例えば、60歳から65歳までの5年間で毎月20万円の生活費がかかるとすると、合計で1200万円(20万円×12ヶ月×5年)が必要です。加えて、予期せぬ医療費や家電の買い替えなどの臨時出費を考慮すると、最低でも1500万円は確保しておきたいところです。
 
貯蓄2000万円のうち1500万円をこの5年間で使い切ると、その後の老後資金が500万円しか残りません。
 
この状態で65歳から年金生活に入っても大丈夫でしょうか?
 

65歳から月20万円の年金受給。生活は安泰か?

総務省の「家計調査報告(2024年)」によると、65歳以上の単身無職世帯の毎月の平均支出(消費支出+非消費支出)は約16万円です。一見すると、毎月の年金額が20万円であれば問題なく生活できそうですが、この金額はあくまで平均値であり、地域や生活スタイルによって、収支は大きく変わります。
 
特に注意が必要なのは、住居費です。同調査では持ち家の人も対象に含まれているため、住居費は月1万3000円程度です。しかし、賃貸であれば毎月の家賃が数万円はかかります。仮に5万円とした場合、毎月の支出は約20万円となり、年金額20万円と同じくらいになってしまいます。
 
また、物価上昇や医療費の増加も長期的なリスクとして考慮する必要があるでしょう。
 

再雇用をやめるメリット・デメリット

再雇用をやめることには、当然メリットもあります。
 
まず、時間的な自由が得られる点です。趣味や旅行、ボランティア活動などに時間を費やすことができ、心身の健康にも良い影響を与えるでしょう。さらに、ストレスから解放され、ゆったりとした生活を楽しむことができます。
 
一方、収入が減少するリスクは大きなデメリットです。再雇用をやめると、年金受給開始までの生活費を全て貯蓄で賄う必要があり、精神的な不安が増す可能性があります。また、社会とのつながりが薄くなり、孤立感を抱く人も少なくありません。
 

まとめ

2000万円の貯蓄があるとはいえ、65歳からの月20万円の年金だけで安心して生活するのは、人によってはやや厳しい面があります。まずは実際に自分が想定できる支出を書き出してみましょう。
 
また、再雇用を続けるかどうかは個々のライフスタイルや価値観に大きく左右されます。
 
現実的な支出とリスク、再雇用をやめるメリット・デメリットを考慮した上で、最適な選択を慎重に行いましょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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