「夫婦二人暮らし」ですが、もうすぐ定年です。年金は「二人合わせて30万円」ほど受け取れますが、生活できるでしょうか？
配信日: 2025.06.11
そこで本記事では、夫婦二人暮らしで月々の年金受給額が30万円であると仮定して、それに関わる老後世帯の平均支出額などを解説します。
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老後世帯の平均支出額
総務省の家計調査報告を参考に、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における平均支出額を表1にまとめました。なお、表1における非消費支出額とは社会保険料と直接税を合算したものです。
表1
| 65歳以上の夫婦のみの無職世帯 | |
|---|---|
| 消費支出（月平均額） | 25万6521円 |
| 非消費支出（月平均額） | 3万356円 |
| 合計額 | 28万6877円 |
出典：総務省「総務省 家計調査報告〔家計収支編〕2024年（令和6年）平均結果の概要」より筆者作成
夫婦二人で受け取れる年金が仮に月々30万円であるなら、老後世帯における平均支出額を上回っています。収支計算上は黒字になるため、年金収入だけで老後生活を送ることは可能でしょう。
ただし、あくまでも支出額の平均を基にした計算です。実際の支出額が年金受給額を上回る場合は、年金収入だけでは生活できません。何らかの方法で支出額を減らすか、年金以外の収入源を用意する、貯蓄を切り崩すなどの対策が必要でしょう。
また、上記の収支計算は月々の支出額が一定であることが前提です。しかし、生活していれば突発的な支出が発生することもあるでしょう。支出額によっては収入を上回り、支払いが難しくなることがあるかもしれません。そのため、ある程度の余裕を持った収支計画や貯蓄を用意しておいたほうが良いでしょう。
おすすめの節約方法
家計の黒字化を安定させ、余裕を持たせる方法のひとつは支出額を減らすことです。月々の支出額を減らすうえで、節約は必要不可欠です。
ここからは、おすすめの節約方法をいくつか紹介します。
固定費を見直す
固定費にはさまざまな種類がありますが、そのなかでも見直しの候補のひとつになるのが電気代とガス代です。現在、契約する電力会社とガス会社は自由に選べます。契約する会社や契約プランを見直すことで、月々の電気代とガス代を安くできることは少なくありません。
スマホの利用料金を含む通信費も見直しの候補となる固定費です。スマホの契約に付帯している不要なオプションを外す、格安スマホに乗り換えるなどの方法が有効です。また、ネット回線の契約会社や契約プランの変更も、節約になることがあります。
現在加入している保険の内容と保険料を見直すことも固定費の節約になります。不要な保険は解約し、自身に合ったものを選び直すことで支払う保険料が少なくなるかもしれません。複数の保険に加入している場合、補償内容が重複している可能性があります。その場合は保険料が無駄になるため注意が必要です。
ライフステージや周囲の環境に変化があった際には、それをきっかけに保険内容を見直してみるのも良いでしょう。
変動費の節約方法
変動費にもさまざまな種類がありますが、代表的なものは食費でしょう。総務省の家計調査報告によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における食費の月平均額は7万6352円とされています。
食費を節約するにあたり、重要になるのは自炊です。基本的に、外食をするよりも自炊をしたほうが食費を抑えられます。
食費を節約する方法のひとつは食材のまとめ買いです。その日に安い食材をまとめ買いして保存しておき、料理に使用することで節約になります。また、まとめ買いをすることでスーパーなどに行く機会が減るため、思わぬ買い物で出費が増えることも防げるでしょう。
なお、食材をまとめ買いする場合は使い切るように注意しましょう。管理が行き届かずに食材を捨てる行為は、お金を捨てることと同義です。
変動費における医療費の節約には、ジェネリック医薬品の利用が有効です。ジェネリック医薬品は後発医薬品とも呼ばれ、新薬などの特許が終了したあとに別の医薬品メーカーが同じ成分で作った医薬品のことを指します。
元になった医薬品と同等の効果が得られますが、開発や宣伝などのコストが抑えられていることから販売価格はかなり抑えられています。
平均程度の支出額なら生活可能
総務省の家計調査報告によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における平均支出額は月々28万6877円です。月々の年金受給額が夫婦二人分で30万円であれば、収支計算上は黒字になります。そのため、年金収入だけで生活することは可能でしょう。
ただし、これはあくまでも平均額を基にした計算であることに留意してください。
出典
総務省 家計調査報告〔家計収支編〕2024年（令和6年）平均結果の概要P19
執筆者FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
