70代の祖父は一人暮らしで貯蓄が「300万円」ほど。今後「医療費」などがかかるし、全然足りないですよね？

70代の祖父が一人暮らしで貯蓄が300万円程度だと聞いて、今後の生活に不安を感じる方もいるかもしれません。特に、これから医療費や介護費がかかる可能性を考えると、生活費が足りるのか心配になるでしょう。
 
本記事では、70代の平均貯蓄額や一人暮らしでかかる費用、生活費が足りないときの対処法などを解説します。

70代の平均貯蓄額はいくら？

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査［単身世帯調査］（令和5年）」によると、70代の平均貯蓄額は1529万円で、中央値は500万円でした。このデータと比較すると、70代で貯蓄300万円は少ないといえるでしょう。
 

70代の一人暮らしでかかるお金はどのくらい？

総務省統計局の「家計調査報告 家計収支編 2023年（令和5年）平均結果の概要」によると、65歳以上の単身無職世帯の実収入は12万6905円、支出は15万7673円でした。支出の内訳は、以下の通りです。
 

・食料：4万103円
・住居：1万2564円
・光熱、水道：1万4436円
・家具、家事用品：5923円
・被服および履物：3241円
・保健医療：7981円
・交通、通信：1万5086円
・教育：0円
・教養娯楽：1万5277円
・そのほかの消費支出（諸雑費、交際費など）：3万821円
・非消費支出：1万2243円

 
このデータを基にすると、毎月3万768円の赤字です。この赤字分を300万円の貯蓄から補うとすると、約8年で底をつきます。仮に70歳で日本人男性の平均寿命である81歳まで生きるとすると、約3年分の生活費が足りなくなります。
 

70代の一人暮らしで生活費を確保するためにすべきこと

70代の一人暮らしで生活費を確保するためにすべきことは、2つあります。
 
1つ目は、固定費の見直しです。固定費は、毎月一定額の支出（保険料、家賃、光熱費、通信費など）で、一度見直すことで長期的な節約効果が得られます。例えば、保険や光熱費などの見直しをすることで、負担を減らせるでしょう。
 
このように、固定費の見直しは生活の質を損なわずに支出を削減できるのです。逆に、毎月金額が変動する変動費（食費や医療費、交際費など）を節約しようとすると、我慢が必要となり続かない可能性があります。
 
2つ目は、健康管理です。高齢になると、体力や健康の維持が難しくなるため、医療や介護にかかる費用が増えるリスクがあります。
 
病気や介護が必要になった場合、医療費や介護費用が増え、家計に大きな負担をかけるでしょう。健康を維持するために、適度な運動や禁煙、バランスの取れた食事を心がけることが、結果的に生活費の負担を減らすことにつながります。
 

70代の一人暮らしで生活費が足りなくなったときの対処法

生活費が足りなくなった場合、家族や専門家に相談しましょう。例えば、子どもや孫が経済的に余裕がある場合、生活費の支援をお願いすることが考えられます。もちろん、家庭の状況によって可能かどうかは異なりますが、生活が厳しくなる前に家族と話し合っておくことが大切です。
 
また、専門家のアドバイスを求めることも選択肢の一つです。地域の福祉制度や支援制度を利用できれば、生活が少し楽になるかもしれません。お住まいの自治体に相談し、どのようなサポートが受けられるか確認してみましょう。
 

70代の一人暮らしで貯蓄300万円だと、足りなくなる可能性がある

65歳以上の単身世帯では毎月3万768円の赤字になるというデータがあり、それを基にすると300万円の貯蓄では約8年で底をつくおそれがあります。
 
生活費をおさえるためには、固定費の見直しや健康管理が大切です。特に医療費や介護費用の負担を減らすためには、日頃から健康を意識しましょう。もし生活費が足りなくなった場合は、家族や専門家に相談し、支援制度を利用することも選択肢です。早めに対策を採ることで、安心して老後を過ごせるようにしましょう。
 

出典

金融広報中央委員会家計の金融行動に関する世論調査［単身世帯調査］（令和5年）表番号4
総務省統計局 家計調査報告［家計収支編］2023年（令和5年）平均結果の概要（19ページ）
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー