現在、アラフォーで貯蓄は「2500万円」。「FIRE」するにはあと「いくら必要」ですか?
配信日: 2025.06.07

中には、ある程度のまとまった資金によって「FIRE」を実現したいと思っている人もいるかもしれません。
本記事では、FIREのメリットや必要な資金を紹介するとともに、アラフォー世代の平均貯蓄額についてもまとめています。

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FIREのメリット
FIREとは「経済的な自立と早期の退職」を意味する英文(Financial Independence, Retire Early)の略です。定年前に退職するという点では早期リタイアと同じですが、それまでの貯蓄や退職金などで生活する早期リタイアと違い、FIREは資産運用により退職後の生活費を確保する点が異なっています。
FIREを実現することで、時間や場所、仕事のストレスにとらわれない自由な生き方ができるため、自分のやりたいことを、自分のペースでできるようになるというメリットがあります。
FIREに必要な資金はどれくらい?
FIREに必要な資金は、年間支出額がいくらかにより異なります。FIREでは年利4%の運用益を上げることが一般的に想定されており、年間支出の25倍の資産を用意して運用していけば、手元の資金を減らさずに生活費を賄えるとされています。
そのため、まずはFIRE後の生活において年間支出がどれくらいかを計算し、その25倍の資産を用意しておくとよいでしょう。
2023年の「家計調査 家計収支編」によると、35~59歳の単身世帯における1ヶ月の消費支出は19万4438円です。支出を平均程度とした場合、年間支出は約230万円となります。その25倍と考えると、約5750万円の資産を用意しておく必要があるでしょう。
今回の事例では「貯蓄2500万円」ということなので、あと3000万円以上は手元に用意しておくことが望ましいと考えられます。
40歳前後の平均貯蓄額と中央値
今回の事例と比較するために、40歳前後の平均貯蓄額と中央値についても確認しておきましょう。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」によると、30歳代の平均貯蓄額は594万円、中央値は100万円、40歳代の平均貯蓄額は559万円、中央値は47万円です。
平均値はデータの合計をデータの個数で割った数値、中央値はデータの数値を小さい順から並べたときちょうど真ん中にくる数値です。平均値は極端に大きな数値があると引き上げられてしまうため、ここでは中央値を参考にした方がよいでしょう。
中央値は30歳代で100万円、40歳代で47万円なので、今回の事例の「アラフォーで貯蓄2500万円」はかなり高い方であると考えられます。
それでもFIREの資金としては不足しているため、支出を減らすか、FIRE後もある程度の収入を得るようにすることを検討した方がよいかもしれません。
40歳前後の消費支出を考えるとFIREするにはあと3000万円以上は必要になると考えられる
早期に退職をしてFIREすることを検討するにあたって、資金が不足していないか不安になる人もいるでしょう。
FIREでは年間支出の25倍の資産を用意しておくと手元の資金を減らさずに生活費を賄えるとされているため、FIRE後の生活で消費支出がどれくらいになるか確認しておくことが大切です。
40歳代の年間支出の平均から考えると、6000万円近い資産が必要になる可能性があるため、現段階で2500万円の貯蓄があるのであれば、あと3000万円以上用意することが望ましいと考えられます。
資産が不足しているのであれば、FIRE後もある程度の収入を得るようにするなどの検討が必要です。自分に合ったスタイルで、無理のないFIREを目指していくことが大切でしょう。
出典
e-Stat 政府統計の総合窓口 2023年 家計調査 家計収支編 単身世帯
金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー