65歳の父に「介護が必要になったら施設に入れてほしい」と言われました。どのくらい費用がかかるのでしょうか?

配信日: 2025.06.05

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65歳の父に「介護が必要になったら施設に入れてほしい」と言われました。どのくらい費用がかかるのでしょうか?
高齢の親に「将来、介護が必要になったら施設に入れてほしい」と言われると、家族としてはその希望をかなえたい気持ちとともに、「どのくらいお金がかかるの?」という不安も湧いてくるものです。介護施設にはさまざまな種類があり、費用も大きく異なります。
 
この記事では、主な介護施設の種類や費用相場、そして費用を抑えるために活用できる制度について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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親から介護施設の希望を伝えられたら、まず考えるべきこと

介護が必要になる前に、本人から「施設に入りたい」と希望を伝えられるのは、家族にとっても大切なタイミングです。「どんな施設に入りたいか」「希望する地域はあるか」などを具体的に聞いておくと、いざというときに迷わず対応できます。
 
あわせて考えておきたいのが、介護にかかる費用です。介護施設には種類があり、費用にも大きな幅があります。後悔のない選択をするには、まず施設の種類とそれぞれの費用感を把握しておくことが大切です。
 

介護施設の種類と月額費用の目安

介護施設には、公的な施設と民間の施設があります。公的施設は比較的費用が安いですが、入居には要介護度の条件があり、人気が高く入居待ちになることも少なくありません。代表的な施設には以下のようなものがあります。

・特別養護老人ホーム(特養):要介護3以上が原則で、長期入所向け。月額費用は5万~15万円程度。
 
・介護老人保健施設(老健):要介護1以上の方で、在宅復帰を目指したリハビリが中心。入居期間は原則3~6ヶ月が目安。月額費用は8万~15万円程度。

一方、民間施設はサービスが充実している反面、費用は高めです。

・介護付き有料老人ホーム:24時間介護スタッフが常駐し、充実したサービスが整っている。月額費用は15万~35万円程度。
 
・住宅型有料老人ホーム:基本的に自立した生活が送れる方向けで、介護サービスは外部委託。月額費用は12万~30万円程度。
 
・グループホーム:認知症の方が対象で、自宅に近い環境で共同生活を送れる。月額費用は15万~20万円程度。
 
・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住):バリアフリー仕様の高齢者向け賃貸住宅。月額費用は10万~30万円程度。

このように、施設の種類によって費用もサービスも大きく異なるため、本人の状態や希望と照らし合わせながら選ぶことが重要です。
 

初期費用や追加費用もある? 入居後にかかるお金とは

月額費用に加えて、施設によっては入居時にまとまった初期費用が必要となることがあります。特に民間の有料老人ホームでは、数十万円から数百万円の入居一時金が設定されている場合があります。一方、初期費用が不要な施設や入居一時金0円プランを選べる施設もあり、その場合は月額費用が高めに設定されていることがあります。
 
また、月額費用の中に含まれない出費として、おむつ代、医療費、日用品費、理美容費、レクリエーション費用などが挙げられます。要介護度が上がるにつれてサービス利用が増え、自己負担も増加する可能性があるため、将来的な負担まで見据えた計画が必要です。
 

公的制度で介護費用は軽減できる

介護にかかる費用は決して小さくありませんが、公的な支援制度を活用することで自己負担を軽減できます。代表的なのが介護保険制度で、要支援または要介護認定を受ければ介護サービスの自己負担は原則1割(所得により2~3割)となります。
 
また、高額介護サービス費制度を利用すれば、1ヶ月あたりの自己負担額に上限が設けられ、それを超えた分は払い戻されます。さらに、低所得の高齢者に対しては、食費や住居費を軽減できる「補足給付(特定入所者介護サービス費)」も用意されています。
 
加えて、自治体独自の助成や福祉サービスがある場合もあります。最寄りの地域包括支援センターに相談すれば、必要な制度の案内や申請のサポートも受けられます。
 

まとめ:今から情報を集めて準備を始めよう

親から介護施設の入所を希望されたら、最初に情報を集め、費用の全体像を把握することが大切です。施設の種類によって月額費用も初期費用も異なり、追加の出費も発生する可能性があります。ですが、公的な制度を活用すれば、負担を抑えることも可能です。
 
「まだ先のこと」と思わず、家族で話し合いながら早めに準備を進めておくことが、安心してそのときを迎えるための第一歩になります。
 

出典

厚生労働省 介護保険とは
厚生労働省 サービスにかかる利用料
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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