更新日: 2024.09.12 その他老後
娘が結婚し、孫が楽しみな「65歳夫婦」です。もし孫が生まれたら、年にいくら使うことになるでしょうか?ある程度貯金すべきですか?
孫にかける平均費用や、老後の平均生活費を知っておくと、費用の出しすぎを予防できるでしょう。今回は、孫にかける平均費用やシニア世代の平均貯蓄額などについてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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孫にかける平均費用はいくら?
ソニー生命保険株式会社が50~79歳の方を対象に令和5年に実施した「シニアの生活意識調査」によると、1年間で孫のために使った平均費用は10万8134円でした。月額にすると、約9011円です。価格帯別の割合で見ると、「5万円~10万円未満」が27.5%と最も高く、次に18.0%で「3万円~5万円未満」の結果でした。
さらに、同調査で何のために使ったのかを聞いたところ、上位5つは以下の通りです。
1位 おこづかい・お年玉・お祝い金:66.2%
2位 一緒に外食:49.7%
3位 衣類などファッション用品:33.4%
4位 おもちゃ・ゲーム:32.8%
5位 本・絵本:23.9%
シニア世代の多くは、孫へのおこづかいや外食などのために、年間10万円ほどを使用しているようです。ただし、調査結果はあくまでも目安になります。実際に自分で孫のためにお金を出すときは、貯蓄額も考慮しながら無理のない範囲におさえることが大切です。
シニア世代の平均貯蓄額はいくら?
金融広報中央委員会の令和5年度「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」によると、50代から70代までの平均貯蓄額は以下の通りです。
・50代:1147万円
・60代:2026万円
・70代:1757万円
貯金額だけ見ると、孫のために使うお金としては余裕があるように見えます。しかし、老後は退職をすると収入源は基本的に年金のみになるため、足りない分は貯蓄からの支出が必要です。
総務省統計局の令和5年「家計調査報告(家計収支編)」によると、65歳以上の夫婦のみ無職世帯は平均収入が月24万4580円でした。
対して、平均支出は税金や社会保険料などの非消費支出が月3万1538円、食費や衣服代といった消費支出が月25万959円です。収入だけでは、平均で月3万7916円の不足分が発生するとのことです。不足分は貯蓄から出すことになります。仮に30年不足分を貯蓄から補うとすると、1364万9760円が必要です。
不足分を補ったうえで、孫へのおこづかいや外食代を支払うと考えると、人によっては平均額と同じだけ費用を負担することは難しいケースもあるでしょう。
孫への出費はある程度事前に決めておく
孫のためにと、つい会うたびにおこづかいをあげたり外食に連れて行ってあげたりする方もいるかもしれませんが、払いすぎは老後の生活費が足りなくなる可能性もあります。貯蓄額もかんがみて、孫に使えるお金を決めておくと、お金の使いすぎを予防できます。
また、経済状況から孫のためにあまりお金を出せないときは、子どもにあらかじめ伝えておくことも大切です。事前に知っていると、子どもも孫のために使うお金に対して配慮してくれるでしょう。
孫のために使う平均費用は年10万8134円
今回参照した調査によると、シニア世代が孫のために使う費用は平均で年10万8134円でした。価格帯では5万円~10万円未満が最も多く、10万円弱の金額をおこづかいや外食で、孫のために使っている方が多いといえます。
シニア世代の平均貯蓄額は、1000万円を超えています。しかし、老後の生活費は年金と貯蓄から出すため、貯蓄があるからと孫のためにお金を使いすぎると、やがて生活に困る可能性も少なくありません。
もし、今後孫のための出費に不安を覚えるときは、事前にいくら使用するのかを決めておくことがおすすめです。事前に決めておくことで、使いすぎを予防できます。また、子どもにはあらかじめ、あまり出費できない旨も伝えておきましょう。
出典
ソニー生命保険株式会社 シニアの生活意識調査2023
金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年以降) 各種分類別データ(令和5年) 統計表の番号4 金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編] 2023年(令和5年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 図1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支 -2023年- (18ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー