更新日: 2024.09.29 定年・退職

定年後、会社に「年収450万円」で再雇用してもらえます。年金も受け取ると“全額もらえない”可能性があるって本当ですか?

定年後、会社に「年収450万円」で再雇用してもらえます。年金も受け取ると“全額もらえない”可能性があるって本当ですか?
定年退職は60歳で設定されているところが多いですが、退職後には再雇用で働く人も少なくありません。働きながら年金を受け取れれば、再雇用により減少した給与も補填でき、老後の生活をより豊かにできると考えている人もいるでしょう。しかし、再雇用でもらう給料と受給する年金額によっては、年金が全額受給できないかもしれません。
 
本記事では年金がもらえなくなる条件などについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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年金が全額受給できない条件とは

給与収入がある人でも年金受給の条件を満たしていれば、働きながらでも年金受給は可能です。ただし、厚生年金保険に加入しながら働くケースや、厚生年金保険の加入事業所で70歳以降も働くケースでは注意しなければなりません。
 
給与と老齢厚生年金の合計額が1ヶ月で50万円(支給停止調整額)を超える場合、老齢厚生年金の一部または全額が支給停止になります。なお老齢基礎年金は支給停止の対象外となるため、給与と厚生年金の報酬比例分が合計で月50万円を超えないかの確認が大切です。
 
仮に50万円を超える可能性が高いなら、具体的にどれくらいの金額が停止されるのか、勤務時間を調整して給与を減らしたほうがいいのかなどを検討してみるといいでしょう。
 
自分だけでは判断が難しいと感じるときは、会社の担当部署や各自治体の年金事務所などに相談しながら進めるのがおすすめです。老齢厚生年金の受給繰下げなども方法として挙げられます。
 

年収450万円なら老齢厚生年金は一部停止される?

前述の通り、老齢厚生年金が一部または全部停止されるかどうかは、老齢厚生年金をどれくらい受給できるかがポイントになります。老齢厚生年金の受給額は、現役時代の収入によって異なります。
 
支給停止額の計算式については、以下を参考にしてみてください。
 
(1ヶ月あたりの給料+老齢厚生年金−50万円(支給停止調整額))×1/2=支給停止額
 
1ヶ月あたりの給料を計算する方法として、年収(賞与を含んだ金額)÷12ヶ月です。また、計算対象になるのは手取り金額ではなく、税金などを控除する前の金額なので注意しましょう。
 
年収450万円÷12ヶ月=37万5000円になるため、50万円−37万5000円=12万5000円までなら老齢厚生年金を受給できます。仮に老齢厚生年金の受給額が12万5000円を超えるなら、一部停止の対象です。
 

年収450万円で老齢厚生年金が月20万円の場合の支給停止額は?

年収450万円で、仮に老齢厚生年金が月20万円受け取れる際の支給停止額について、支給停止額の計算式に当てはめると以下の通りです。
 
(1ヶ月あたりの給料37万5000円+老齢厚生年金20万円−50万円)×1/2=3万7500円
 
そのため、老齢厚生年金20万円−支給停止額3万7500円=16万2500円となります。年間での支給停止額は3万7500円×12ヶ月=45万円なので、1ヶ月分の給料以上の金額が停止対象となってしまうのです。
 
仮に老齢厚生年金受給額が増えれば増えるほど支給停止額も増えていくので、人によっては100万円以上の金額が停止されるかもしれません。停止された老齢厚生年金は戻ってこないので、大きな損失といえます。
 

まとめ

在職老齢年金は1ヶ月あたりの給料と老齢厚生年金が大きく関係しており、給与と老齢厚生年金が合計額50万円を超えた際には一部停止されます。また、総金額がさらに大きくなると全額停止する可能性もあるため、在職老齢年金をもらう際には停止額などについて確認することが大切です。
 

出典

日本年金機構 働きながら年金を受給する方へ
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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