更新日: 2024.10.10 介護

80歳の母がひとり暮らしで「要介護」なので、話し相手を「ヘルパー」にお願いしたかったのですが、介護保険では難しいようです。保険外のサービスを契約したほうが良いでしょうか?

80歳の母がひとり暮らしで「要介護」なので、話し相手を「ヘルパー」にお願いしたかったのですが、介護保険では難しいようです。保険外のサービスを契約したほうが良いでしょうか?
訪問介護では、身体介護や生活援助などのサービスを利用できますが、ヘルパーに何でも頼めるわけではありません。介護保険は、本人が自宅でできる限り自立した生活を送れるように支援するのが法の趣旨です。
 
介護保険法により提供できるサービスの範囲や利用限度額が決められています。介護保険で対応できないサービスを利用したい場合の解決法を解説します。
新美昌也

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

訪問介護の対象外のサービスを利用したい場合

介護保険の範囲内でできないことは、介護保険外サービスとして利用できます。市区町村、介護保険事業者、シルバー人材センター、社会福祉協議会、NPO法人、ボランティア団体、民間企業などが提供しています。いくつか見てみましょう。
 

■市区町村独自の高齢者向け福祉サービスを利用する

一定の要介護状態にある高齢者に対し、介護保険で賄えないサービスの量や種類を充実させる独自の高齢者向け福祉サービスを提供する市区町村があります。
 
サービスの種類や対象者、費用は市区町村により異なります。寝具乾燥サービス、移送サービス、配食サービス、訪問理髪サービス、食事サービス、家事援助サービス、ゴミ出しサービスなどを民間よりも安価で提供してくれます。
 

■混合介護を利用する

介護保険制度では、高齢者が抱える多様なニーズに柔軟に対応できるよう、一定の条件の下で、介護保険サービスと保険外サービスを組み合わせて提供することを認めています(混合介護・選択的介護)。
 
たとえば、「訪問介護の提供の前後や提供時間の合間に、草むしり、ペットの世話のサービスを提供すること」「訪問介護として外出支援をした後、引き続き、利用者が趣味や娯楽のために立ち寄る場所に同行すること」「訪問介護の通院等乗降介助として受診等の手続きを提供した後に、引き続き、介護報酬の算定対象とならない院内介助を提供すること」といった組み合わせが可能です。
 
たとえば、東京都豊島区の選択的介護実施事業者(訪問介護事業者)のうち、ニチイケアセンター豊島は、【生活支援】(話し相手、家族不在時の見守りなど)を1782円/30分、【外出支援】(通院介助・外出付き添いなど)を1782円/30分で提供しています。
 

■シルバー人材センターを利用する

シルバー人材センターとは、高齢者が働くことを通じて生きがいを得るとともに、地域社会の活性化に貢献する組織です。働きたい地元の高齢者に、それにふさわしい仕事をシルバー人材センターでつなぐ活動をしています。原則、各市町村にあり、家事全般の支援をしています。サービス内容はセンターにより異なります。
 
たとえば、公益社団法人柏市シルバーセンターの料金表を見ると、パソコン訪問支援は1時間以内1300円、家事援助サービス1300円~/1時間などとなっています。
 

■民間のシニア向け家事代行サービスを利用する

企業が家事代行サービスを提供しています。近年はシニアに限定したサービスも登場しています。
 
たとえば、ダスキンのシニアケアサービスは、原則として65歳以上の方を対象にしたサービスです。掃除、買い物、食事作りなど家事全般、長時間の見守り、散歩や病院への付き添い、食事や歩行の介助、話し相手などサービスの内容は幅広いです。
 
24時間365日対応、1回2時間以上から利用できます。東京・神奈川の場合、基本料金は1回2時間 9900円(税別 9000円)より、となっています。
 

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