更新日: 2024.09.18 定年・退職
「これまで家族のために頑張ってきた」と定年後はカラオケ三昧の父と、専業主婦からパート勤務になった母。年金15万円とパート収入8万円で今後も安泰でしょうか?
例えば、年金が15万円で母親のパート収入が8万円の場合、父親は定年後に趣味のカラオケを楽しみながら、余生を過ごせるのか気になる方もいるでしょう。
今回は、高齢者世帯の家計収支を参考にしながら、定年後の生活について調べてみました。母親が働けなくなったときの対処についてもご紹介しますので、両親の老後生活を心配している人は参考にしてみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
父の年金15万円と母のパート収入8万円で老後生活は安泰?
父親の年金15万円と母親のパート収入が8万円で老後生活は安泰なのかと疑問に思う方もいるでしょう。実際は老後生活にも出費が付き物で、年金やパート収入だけでは生活が厳しくなるケースも考えられます。
家計収支は各家庭で異なりますが、参考として総務省統計局の「家計調査報告〔家計収支編〕2023年(令和5年)平均結果の概要」から高齢夫婦の毎月の支出をまとめると以下の通りです。
・消費支出:25万959円
・非消費支出:3万1538円
・支出合計:28万2497円
これに対して、平均実収入は24万4580円で、毎月3万7916円の不足分が生じていることが分かります。今回のように父親の年金15万円と母親のパート収入8万円の場合では、実収入が23万円となり、毎月5万2497円の不足分が生じることになります。
父親がカラオケざんまいで出費がかさむような場合は、平均よりも支出が増えて不足分がさらに増える可能性も考えられるでしょう。
両親の老後生活でお金がなくならないためにできること
両親が定年後に、毎月の収支で5万2497円の赤字で生活し続けるとしたら、1年で62万9964円、5年で314万9820円のようにまとまったお金を別に用意しなければなりません。父親の退職金などで十分な貯金があればいいですが、できる限り不足分を減らすようにすれば、毎月の負担もかからないでしょう。
子どもとしては、以下のような方法で両親をサポートできるかもしれません。
・定年後の実際の収支をシミュレーションする
毎月の不足分5万2497円は、あくまでも平均的な支出から算出したものであって、実際は各家庭によって異なります。
例えば、総務省統計局の調査では消費支出の「住居」が1万6827円になっています。実際は、持ち家か賃貸かによって住居にかかる金額は大きく異なるでしょう。また「教養娯楽」は2万4690円になっていますが、カラオケなどの趣味にいくらかかるか計算しておく必要があります。
各項目で節約できるものがあるかを検討しつつ、実際の収支をシミュレーションして不足額の目安を把握しておくといいでしょう。
・不足分をどうやって補えるか考える
実際の収支のシミュレーションを基に、不足分を補う方法を考えます。「貯金を崩すとすれば何年分くらいあるか」「不足分を子どもたちからの仕送りで援助できるか」など、家族で話し合って検討できるでしょう。
両親が健康であれば「父親がアルバイトなどで少しでも収入を得ることはできないか」「母親のパート時間をもう少し増やせないか」など収入を増やすための提案もできるかもしれません。
・今後の状況の変化にも備える
老後は健康状態によって大きな出費が発生したり、母親がパートで働けなくなったりするなど、状況が変化する可能性も考えられます。支出が増えたり収入が減ったりした場合に、どのように対処するかも考えておくと安心です。
お金がなくなった場合に利用できる生活福祉資金貸付制度や、生活保護などの制度についても理解して、必要に応じて利用することも検討できるでしょう。
父の年金15万円と母のパート収入8万円では老後生活で毎月5万円以上の不足が生じる可能性あり!
高齢夫婦の平均的な家計収支を参考にしてみたところ、父の年金15万円と母のパート収入8万円では、毎月5万2497円の不足分が生じる可能性があることが分かりました。
定年後はカラオケざんまいで趣味を楽しみたい父親も、老後の収入が十分でないことを理解しておくことは重要です。また、1年で62万9964円、5年で314万9820円のように、年月が経過するにつれて赤字は大きく膨らむため、支出をおさえつつ不足分を補う方法も考えておく必要があるでしょう。
子どもとしては、両親の老後生活の家計収支をシミュレーションして、貯金額なども把握したうえで不足額の目安を把握しておくと安心です。子どもたちの仕送りで援助したり、両親が健康であるうちに仕事をして、もう少し収入を得るよう提案したりできるかもしれません。
また、母親が働けなくなったときに備えるために、生活福祉資金貸付制度や生活保護などの制度を活用することも検討しておくといいでしょう。
出典
総務省統計局 家計調査報告〔家計収支編〕2023年(令和5年)平均結果の概要(18、19ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー