更新日: 2019.01.10 介護

11月11日は「介護の日」。離れて暮らす老親に連絡してみませんか?

執筆者 : 新美昌也

11月11日は「介護の日」。離れて暮らす老親に連絡してみませんか?
11月11日は「介護の日」です。厚生労働省が、平成20年7月4日から同年7月18日の間に、名称と日にちについて意見の募集を行ったところ、最も多かった名称が「介護の日」、日にちでは「11月11日」でした。「いい日、いい日、毎日、あったか介護ありがとう」を念頭に、「いい日、いい日」にかけた覚えやすく、親しみやすい語呂合わせとしました。
 
離れて暮らす老親にあまり連絡をとっていない方は、親に電話してみましょう。元気で暮らしているか、困ったことなどがないかなど、連絡をとってみてはいかがでしょうか。
 
新美昌也

Text:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

最近、親と話してみましたか?

40代、50代は親のことが気になる年代ではないでしょうか。一緒に暮らしていれば、親の変化に気づくこともあると思いますが、離れて暮らしている場合、知らない間に親の状況が変化しているということもあります。
 
50代の子供の親は70代以上ではないでしょうか。70代後半になると血圧が高いなど持病を持っている方は多いでしょうし、要介護になる確率も高まります。要介護になる原因の第1位は「認知症」です。独居の方は自身の認知症には気づき難いと思います。離れて暮らすひとり暮らしの老親に、しばらく連絡をとっていない間に、認知症が進行してしまっているということもあります。
 
普段から老親とコミュニケーションをとっていない方は、電話をしてみましょう。声のトーンから体調がよくなさそうだなど親の変化に気づいたら、これからは月に1回以上は親に電話しましょう。電話では大事な話はできないので、お正月など親兄弟が集まる機会に親が介護になったときのことを話し合っておきましょう。
 

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介護は突然始まる

「人生100年時代」、長生きはうれしいことですが、介護のリスクも高まります。75歳以上から要介護になる確率が高まります。高齢者は、骨折や脳血管疾患をきっかけに要介護状態になることも珍しくありません。
仕事を持つ子世代にとって親の介護は深刻な問題です。安易な介護離職は人生を狂わせます。介護離職をせずに親の介護をする方法を調べておきましょう。
 
介護は誰にでも起こり得ます。親の介護が突然起こってもあわてないために、介護保険や親のことについて知っておくことが大切です。改めて親のことをどれだけ知っているか考えたら、ほとんど知らないということに愕然とする方もいます。
 
親が要介護になる前に、どのような介護を望むのか、介護費用はどのくらい出せるのか、どのような介護保険サービスを利用できるのかなどを確認しておくことが大切です。
 

親のことを知る

親と離れて暮らしている場合、親の普段の暮らしぶりを知っていますか? 買い物は普段どこで行っているのか、薬は飲んでいるのか、何の治療薬か、病院や主治医は誰か、いざとなったら頼れる友人は誰かなど知っておかないと、介護が始まったときに困ります。
 
介護が必要になったとき、どのような介護を望むのかも確認しましょう。介護は、誰にやってもらいたいのか、介護保険サービスの利用の有無(拒否する親もいる)、施設に入居することになった場合の場所や価格帯、部屋は個室が良いか多床室で構わないかなど具体的に確認しましょう。
 
親の健康状態(主治医や既往症、服薬など)、友人・知人・近所の人たちとの交流関係、趣味、嗜好、食べ物の好み、1日の過ごし方なども把握しておきましょう。事前に確認しておけば本人の意思表示がうまくいかなくなったときにも、本人にあった介護サービスを提供できます。
 
終末期医療についての確認は大事です。最期を迎える場所は病院か、あるいた自宅を希望するのか。また、人工呼吸器や「胃ろう」などの経管栄養による延命治療を行うのかの確認が大切です。
 
延命治療を控えたり、中止したりする「尊厳死」の判断を家族がするのは難しいでしょう。家族間でも意見が対立します。本人が望まない形になってしまうことを避けるためにも、事前に本人の意思を確認して書面にしてもらい、家族間で共有しておくことが大切です。本人の望まない延命治療を行わないのは費用の節約にもなります。
 

親の財産を確認する

介護費用は親の財産から出すのが基本です。親の財産が少ない場合、子供が介護費用を負担しなければならない場合があります。介護費用に親の年金を当てにしていたら、思っていたよりもかなり少なかった、というケースもあります。
子供が50代であれば、突然、親の介護が始まった場合、教育費や住宅ローンなどと重なり家計を圧迫します。親に援助する余裕がないかも知れません。
 
親の気持ちを尊重しつつも、親の財産が多くない場合、親の望みをすべて叶えることはできません。親の財産の範囲内で、親の希望を最大限叶える介護サービスを選択することが必要になります。
 
そのためには親の年金はいくらか、預貯金はどのくらいかるのかなど親の財産を知り、予算を決めておく必要があります。予算を決めておくことは必要のない介護サービスを受けないためにも大切です。
 
なお、親の財産が少ない場合、親に民間介護保険に加入してもらい、保険料は子供が負担するという方法もあります。
 

介護保険について知る

介護が始まったときに頼りになるのが介護保険です。高齢の親が介護保険のしくみや手続きを理解するのは難しい場合があります。
 
子供自身が介護保険のしくみ、介護サービスの内容、高齢者向け施設の種類、費用などについて、大まかに親に説明できる程度に知っておく必要があります。これらの情報を得るには、自治体で発行している介護保険や高齢者向け施設の選び方などのパンフレットを利用するといいでしょう。
 
高齢者のよろず相談所として「地域包括支援センター」があります。在宅介護生活を送る要介護者やその家族にとっての相談窓口です。保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員等が高齢者や家族の困りごとや介護保険の利用の仕方など様々な相談に乗ってくれます。
 
親の住んでいるところの近くにありますので、帰省時に確認しておきましょう。また、親がひとり暮らしであれば、緊急時に連絡をもらえるように近所の方にお願いしておきましょう。
 
Text:新美 昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。