更新日: 2019.04.16 セカンドライフ
持ち家があれば老後資金は心配ない!? リバースモーケージについて
持ち家があれば老後資金は心配ないのでしょうか。
執筆者:福本眞也(ふくもと しんや)
FPコンシェル代表取締役
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP® 認定者、証券外務員
できる限り解り易い言葉で、お一人お一人のご理解にあわせてご説明することをモットーにしています。
日系証券会社(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)で約8年間金融の基礎を学び、外資系投資銀行(TDグループ、NAB、クレディ・スイス、JPモルガン証券)では約15年間に渡り高度な金融技術を学び、独立して約9年、金融一筋に32年が経ちました。
「お金・経済・金融マーケットに関わること」について、特に個人顧客向けには住宅・保険・教育・老後の資金(運用)を目的としたご相談を得意としています。
http://www.fpconcier.com
まずはリバースモーゲージを知ろう!
「リバースモーゲージ」この言葉を直訳すると、リバース=逆、モーゲージ=担保、つまり家のことです。家をお持ちの方は、その家を担保としてお金を借りることができます。老後にお金が必要になった時の一手段として、少し勉強しておきましょう。
リバースモーゲージは若くても55歳、大半の銀行が60歳以上の方を対象にしているシニア向けのローン(借入)商品です。
借り入れ後、
(1)金利だけを返済する
(2)借入元本の一部と金利を併せて返済する
(3)借りっぱなしで死後、相続人が対象の家を売却し返済に充てる
など、パターンは色々あります。
注意することはないの?
生活資金だけでなく、投資をしたい、旅行に行きたい、趣味を始めたいなど、リバースモーゲージにはお金の使い道を制限しない商品(銀行による)もあります。
しかし、借入額には上限があり、長生きした場合には資金が不足することもあります。
また、借入金利は変動金利が基本なので、市場金利が上がった時にはリバースモーゲージの借入金利も連動して上がります。そのため返済総額が膨らみ、家の担保余力がなくなって、借り入れが途中で終了する場合があります。
借入契約者(主債務者)がご主人で、死亡された場合に奥さまが連帯債務者となっていれば、そのまま住み続けられるケースがほとんどです。しかし、契約条件によっては主債務者の死亡後一定期間後に、家を明け渡すこととなっている場合もあるので契約時には注意が必要です。
もっと注意が必要なことは、担保(抵当権)が設定されていても、債務者の死後、家を売却する際は推定相続人(相続が開始された時に相続人になる予定の人)に売却の意思を再確認されるので、リバースモーゲージの契約時には推定相続人全員の同意が必要です。
推定相続人たちがあまり仲良くないと結果、争相続(あらそうぞく)になり、関係にヒビが入るケースもあります。そのため、事前にしっかりと話し合うことが大切です。
また、リバースモーゲージは基本的には土地を担保対象にする場合がほとんどです。土地評価が低い地域やマンションでも、物件によってはローン(借入)を受けられることもありますが、基本的にはレアケースです。ご自身の保有する家(土地)がその対象になるか一度チェックをしておく必要があります。
担保の対象となる家は生き物です。その市場価格(担保評価額)は上がる時もあれば、下がる時もあります。下がった場合には、ご自身の意向よりも早くに借り入れが終わってしまう可能性もあります。
借りたらほったらかしにはせず、世の中の金利動向やご自身の家の評価額に対して、アンテナを張り続ける努力を惜しまないことが大切です。
実際の利用には細心の注意を払い、上手に利用すること
「サブリース(持ち家を売却し、得たお金で家賃を払い、売却した家に住み続ける)」という別の借り入れ手段もあります。
それでも長生きした場合にはお金が足りなくなるリスクがあるので、受け取れる年金額を確認するなど、借り入れの際には細心の注意が必要です。
できる限りライフプランをしっかりと立て、借り入れの際は必要最低額を借りるなど、慎重な利用を心がけましょう。
Text:福本 眞也(ふくもと しんや)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP® 認定者、証券外務員
FPコンシェル代表取締役
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