定年後に「体力・判断力が必要な仕事」は避けるべき? 適した働き方についても解説
配信日: 2023.04.06

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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定年後に向いていない仕事は?
個人差はありますが、定年後は現役世代並みの「体力」や「判断力」が求められる仕事は避けるほうが無難といえます。現役時代に体力を使う業種に就いていたなら、定年後も経験を生かして働くことは可能でしょう。
しかし、例えば長年デスクワークだった人が、年齢を重ねてからいきなり車を運転する仕事に就くのは難しいものがあります。まだ60代のうちは体力も判断力もそう落ちないでしょうが、70代以降も働く場合には慎重に検討したほうがいいかもしれません。
内閣府がまとめた資料によれば、ブレーキとアクセルの踏み間違い事故は高齢になるほど高くなっています。75歳以上の操作不適の事故は28%にのぼりますし、警察庁の調査でも高齢者の運転に不安を感じる人は増えているのが現状です。
特に、送迎車の運転など、人の命を預かる仕事に定年後いきなり就くことはリスクがあると考えたほうがいいでしょう。必要な免許を持っていて生かしたいとしても、車の運転は高齢になるにつれ難しくなります。建設現場などに従事することも同じです。たとえ体力に自信があっても、未経験者として定年後から始めることは安全面から避けたほうがいいでしょう。
定年後に適した働き方とは?
リクルートワークス研究所がまとめた「定年後のキャリア論」を見ると、仕事への満足度は定年を境に上昇する人が多いことがわかります。充実感が得られる理由としては「業務全体を理解して仕事ができた」「仕事のやり方を自分で決めることができた」などが挙げられます。
定年後は、権限が失われるうえにこなす仕事も単調なものになりがちです。それでも、没頭できて生き生きと働ける仕事に喜びを感じる人が多いという傾向が見られます。
勤務先が「継続雇用制度(再雇用制度)」を設けているなら、定年後も引き続き会社に残ることも選択肢の一つです。定年前の権限が失われることはありますが、これまで培った経験を生かし、集中して業務に取り組むことはできます。
現役時代に比べて収入は減少するかもしれませんが、業務内容が絞られる分、労働時間の短縮も見込めるうえにプライベートを充実させながら働くことが可能です。
継続雇用制度がない場合や新たな仕事に挑戦したいときは、何か資格を取ってみるのもいいでしょう。ただし、短期間で取得可能な資格に限定することです。これまでの経験に新たなスキルや知識をプラスする程度でできる仕事を選べば、定年後でもそれほど難しい挑戦にはなりません。
定年後は生活の一部として無理なく働ける仕事選びを
定年後に働くのであれば、収入第一で選ぶよりも生活の一部として考えるほうがいいでしょう。人とのつながりや適度な責任を持ちつつ、これまでの経験を生かしながら社会貢献ができることが仕事選びの重要なポイントです。精神的にも肉体的にも無理をすることなく、プライベートとのバランスが取りやすい仕事を選ぶことが求められます。
出典
内閣府 令和2年交通安全白書(全文) 第3節 高齢運転者の交通事故の状況
警察庁 高齢者交通事故防止対策に関するアンケート調査結果1
リクルートワークス研究所 定年後のキャリア論
厚生労働省 高年齢者の雇用
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部