更新日: 2019.01.10 介護

人生100年時代のキーワードは「健康寿命」 介護が必要となった主な原因と、健康寿命を延ばす方法

執筆者 : 新美昌也

人生100年時代のキーワードは「健康寿命」 介護が必要となった主な原因と、健康寿命を延ばす方法
1960年の日本人の平均寿命は男性65.32歳、女性70.19歳でした。この時期、介護が社会問題になることはありませんでした。なぜなら、多くの人は要介護状態になる前に亡くなったからです。
 
しかしその後、介護保険制度ができた2000年には、平均寿命は男性77.72歳、女性84.60歳と大きく延びています。2016年には、男性が80.98歳、女性が87.14歳となっています。
 
要介護状態になるリスクは、加齢とともに大きくなりますので、いかに健康寿命を伸ばすかがセカンドライフを楽しむポイントになります。
 

新美昌也

Text:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

健康寿命って何?

健康寿命は、健康上の問題で日常生活が制限されずに行動できる期間をいいます。
 
健康寿命は男性72.14歳、女性74.79歳、平均寿命と健康寿命との差は、男性8.84 年、女性12.35 年となっています(厚生労働省平成30年「健康日本21推進専門員会」資料)。
 
この期間は、日常生活に制限のある不健康な期間を意味します。
 
不健康な期間は必ずしも介護期間を意味するわけではありませんが、今後、平均寿命の延伸に伴い健康寿命との差が拡大すれば、セカンドライフを楽しめなくなるだけではなく、医療費や介護費も多くかかり家計を圧迫します。
 
疾病予防と健康増進、介護予防などによって、平均寿命と健康寿命の差を短縮することができれば、介護費や医療費の負担を軽減でき、節約した分はセカンドライフなどを楽しむための費用に充てることができます。
 

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要介護・要支援の原因

生命保険文化センター「介護保障ガイド」(2017年11月改訂)によると、人口に占める要支援・要介護認定者数(要介護認定率)は、65~69歳2.9%、70~74歳6.1%、75~79歳12.9%、80~84歳28.1%、85~89歳50.4%、90歳以上76.9%となっています。
 
このように加齢とともに要介護認定率は高まります。この原因を確認しておきましょう。
 
厚生労働省「平成28年国民生活基礎調査」によると、介護が必要となった主な原因は、認知症18.0%、脳血管疾患(脳卒中)16.6%、高齢による衰弱13.3%、骨折・転倒12.1%、関節疾患10.2%、心疾患(心臓病)4.6%となっています。
 
注目すべきは、認知症がトップになった点です。認知症は2001年調査では6位、2004年調査では4位、2007年以降では2位(1位は脳血管疾患)でしたが、2016年調査で初めて1位になりました。
 

健康寿命を延ばすには

このように要介護・要支援の原因は、脳の機能の低下や運動機能の低下によるものですので、これらの機能の維持を適切にできれば、健康寿命を延ばすことが可能です。
 
具体的には、毎日、適度に運動する習慣を身に付けることです。長く続けられるように無理をしないことや、いつでも簡単にできることが大切です。
 
通勤の時にエスカレーターを使わず階段を利用する、一駅前で電車を降りて会社まで歩くなどです。室内ではスクワットなどをすると良いでしょう。定年後は、自治体の高齢者向けの健康体操教室などを利用すると良いでしょう。
 
脳の機能低下に関しては、脳を活性化することが大切です。例えば、料理をしたことのない男性であれば、定年後、料理教室に通い家族に料理を作るのもいいでしょう。
 
料理は、脳のあらゆる部位を活性化するのに有益のようです。そのほか、計算ドリルや音読も効果があるようです。
 
バランスの取れた栄養を摂るとともに、規則正しい食事生活を送ることも大切です。
 
また、室内での転倒・骨折を予防するために、居室に転倒の危険性がないかチェックしましょう。高齢になると、ちょっとした段差でもつまずき・転倒の原因になります。電気コードにつまずくケースもあります。
 
このような毎日のちょっとした心がけで、健康寿命を延ばすことが可能になります。
 
Text:新美 昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。