更新日: 2023.03.17 定年・退職
定年後は収入が「4割減」? 収入の相場を確認して老後にしっかり備えよう!
もちろん働くことは社会とのつながりを保ち、人生の生きる意味にもなり得ますので、健康であれば働き続けるというのも悪くはないのかもしれません。とはいえ、定年後に働く際に、どれくらいの収入規模になるのか、仕事内容や業務量はどうなるのかは気になるところでしょう。
本記事では、定年後の収入や仕事内容などについて解説しています。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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高齢者の就業者は増えている
「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」の改正により、2013年4月から企業には高年齢者を65歳まで雇用するための雇用確保措置を講じることが義務付けられました。
実際、厚生労働省の「令和4年高年齢者雇用状況等報告」によると、報告のあった全ての企業の内99.9%が、従業員が希望すれば65歳まで働けるようにしています。
そして、実態として高齢者の就業者は増えてきています。総務省統計局によると、高齢者の就業者数は2004年以降、18年連続で前年に比べて増加しており、2021年では909万人と過去最多となっています。
これは率でいうと高齢者全体の25.1%となり、さらに65~69歳での就業率は50.3%です。年金は基本的には65歳から受給できますので、その年齢になっても半数の人が就業しているというのが現状です。
定年後も業務量は変わらないが過半数
多くの人が定年後も働いていますが、気になるのは給料や働き方です。日経ビジネスが2021年1月に40~74歳を対象に定年後の就労に関するアンケートを実施・公開していますので見ていきましょう。
まずは働く会社ですが、「定年前と同じ会社」が65.3%と最も多く、さらに「定年前の勤務先の子会社やグループ会社」も含めると、全体の70%を超えます。
続いて定年後の業務についてです。勤務時間や日数については60%以上の人が「定年前より増えた」「定年前と同水準」と回答しています。また、業務量についても、「定年前より増えた」「定年前と同水準」が半数以上です。
このことから、多くの人は定年後も定年前と同じ、もしくは関係する会社に勤務し、仕事に要する時間についてもそこまで大きな変化はないと言えるでしょう。
定年後は責任や給与は減る
仕事の量は定年前後であまり差が無い一方、仕事の責任は軽くなる傾向にあります。同アンケートによると、定年後の仕事上の責任が「定年前とほぼ変わらない」が41.9%だった一方、「定年前より軽くなった」は53.7%です。
そして、気になる給与ですが、「定年前より増えた」「定年前と同水準」と答えたのが合わせても10%に満たないくらいしかおらず、残りの90%の人は定年前よりも下がっています。下がる割合は人それぞれですが、最も多いのが40%減・50%減の人で、全体の40%程度を占めています。
ちなみに、仕事の責任が「定年前より軽くなった」と答えた人の方が給与が下がる傾向が見られたとされていますが、その一方で「定年前とほぼ変わらない」と答えた人でも給与は40%減と答えた割合がもっとも高いようです。つまり、結局は仕事の責任が下がっても下がらなくても、定年後に働いた場合は給料が下がるものと考えた方がよさそうです。
定年後の収入減を見越して老後に備えよう
「定年後も働くつもりだから貯蓄しなくても大丈夫」と考えていても、その給与水準を見誤ると大変なことになりかねません。企業によっては、再雇用後の賃金について社内規定などで確認できる場合もありますので、下調べも大切です。定年後には収入が減るということを認識した上で、老後に備えましょう。
出典
厚生労働省 令和4年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果を公表します
総務省統計局 統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-
日本経済新聞 給料4~6割減が過半、定年後再雇用の厳しい現実
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部