更新日: 2023.03.07 介護

老後、お金がなかったら介護を受けられない? 身寄りがない場合、介護施設に入所できる?

老後、お金がなかったら介護を受けられない? 身寄りがない場合、介護施設に入所できる?
介護にはお金がかかるというイメージがあります。「老後にお金がなかったらどうすればいいのだろう」と心配している人もいるのではないでしょうか。
 
しかし日本の介護保険制度には、お金がない人でも介護サービスを受けられるよう、費用負担を軽減する制度があります。
本記事では、お金がない場合に利用できる介護保険の制度や、身寄りがない場合に介護施設に入所するための対処法など、老後の不安を軽減できる情報をまとめました。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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介護保険制度にはお金がない人の負担を減らすさまざまな措置がある

 
介護保険制度には、お金がない人の費用負担を軽減するさまざまな措置が整備されています。必要に応じて制度を利用すれば、経済的な困難を抱える人でも、費用を心配せずに介護サービスを受けられます。
 
主な制度として、次のようなものが挙げられます。

●特定入所者介護サービス費(補足給付)
●高額介護サービス費・高額医療合算介護サービス費
●介護保険料の減免

それぞれどのような制度か簡単にみてみましょう。
 

特定入所者介護サービス費(補足給付)

 
所得や資産が一定以下の人が、介護保険施設や地域密着型介護老人福祉施設、短期入所サービスを利用した際に、負担限度額を超えた居住費と食費が介護保険から給付される制度です。
 
本制度の利用によって、最も負担限度額が低い区分では、1日あたりの食費:300円、居住費:0円(多床室の場合)まで負担が軽減されます。
 
制度を利用するには、住所地の市区町村に申請して、負担限度額認定を受ける必要があります。
 

高額介護サービス費・高額医療合算介護サービス費

 
高額介護サービス費とは、介護サービス利用料の月あたりの利用者負担額が所得区分による限度額を超えた場合に、超過分が介護保険から払い戻される制度です。市区町村に申請することで支給を受けられます。
 
一方、高額医療・高額介護合算制度は、同一医療保険の世帯内で医療保険・介護保険に自己負担が発生した場合に、両方を合算した負担額が限度額(年額)を500円以上超えると、超過分が支給される制度です。
 

介護保険料の減免

 
収入が基準以下の人や、失業などにより世帯の所得が激減した人、災害などで財産に著しい損害を被った人は、介護保険料の減免を受けられます。介護保険料の支払いが困難な場合は、住所地の市区町村の担当窓口で、減免制度の利用について相談しましょう。
 

「軽費老人ホーム(ケアハウス)」なら身寄りのない人が比較的低額で入所できる

 
軽費老人ホームは、家庭環境や住宅事情などによって自宅での生活が困難な高齢者が、比較的低額な費用負担で利用できる施設です。「A型」「B型」「ケアハウス」の3種類あり、それぞれ次のような特徴があります。

●A型…身寄りのない人や、家族との同居ができない人が対象の施設
●B型…家庭環境や住宅事情により、自宅での生活が困難な人が対象の施設
●ケアハウス…身体機能や高齢などのため、独立しての生活に不安がある人で、家族の援助が望めない人が対象の施設

経済的に余裕がなく、自宅での生活も困難な場合は、軽費老人ホームへの入所を視野に入れるとよいでしょう。
 

介護施設入所にあたって身元保証人が必要な場合の対処法

 
介護施設などに入所する際に、施設から身元保証人を決めるように求められる場合があります。身寄りがなく、身元保証人を頼めるような知り合いもいない場合は、次の2つの方法が主な選択肢となるでしょう。

●成年後見制度を利用する
●民間の身元保証サービスを利用する

それぞれどのような方法なのか、概要や特徴を紹介します。
 

成年後見制度の利用

 
成年後見制度とは、認知症などで判断能力が不十分な高齢者などの援助者を選任し、法的に支援する制度です。
 
成年後見制度で、家庭裁判所を介して選任される援助者を成年後見人といい、財産の保護管理やさまざまな契約、相続手続きなどのサポートや代理を行います。成年後見人には弁護士や司法書士などもなれるため、身寄りがなくても制度の利用が可能です。
 
厳密には、成年後見人は身元保証人にはなれません。しかし、介護施設の中には、成年後見人をはじめとする法定代理人を立てることで、身元保証人に代えられるところもあります。施設に条件を確認してみましょう。
 

身元保証サービスの利用

 
身元保証サービスとは、民間の企業や、高齢者を支援する団体などが提供する、身元保証人を引き受けるサービスです。このようなサービスを利用することで、身寄りがなくても問題なく保証人を立てられます。
 
ただし、高額な身元保証料がかかるケースも多いため、利用する前に費用やサービス内容を十分に確認しましょう。  
 

お金がなくても介護を受けられる制度が多数ある

 
介護保険の制度には、お金がない人の費用負担を大きく軽減できる制度が多数用意されています。そのため、お金がないことが理由で介護サービスを全く受けられないケースは少ないでしょう。
 
制度の種類や利用の要件などを知っておくと、必要なときにスムーズに利用できて安心です。また、身寄りがなく介護施設への入所手続きで困った場合は、成年後見制度や身元保証サービスが利用できます。
 

出典

厚生労働省 介護事業所・生活関連情報検索 サービスにかかる利用料
神戸市 介護保険料の減免制度
江東区 介護保険料の減免・減額制度
新潟県 軽費老人ホームについて
法務省 成年後見制度・成年後見登記制度 Q1~Q2 「成年後見制度について」
公益社団法人シニア総合サポートセンター 総合身元保証サポート
一般社団法人全国シルバーライフ保証協会 身元保証サービス
一般社団法人セカンドライフ支援協会 サービス内容
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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