更新日: 2023.02.27 定年・退職
退職金の受け取り方はどちらがおすすめ?「一時金」?それとも「年金」?
一時金と年金はそれぞれメリットとデメリットがあり、そのときの経済状況に応じて最適な方法を選ぶ必要があります。
本記事では、退職金の受け取り方の特徴から双方のメリットとデメリットを解説します。自身の退職金をどちらの方法で受け取るかお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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退職金の控除額と受取方法の特徴
退職金の受け取り方法には、一括で受け取る「退職一時金」と分割で受け取る「退職年金」の2つがあります。
退職一時金として受け取る場合、退職金は「退職所得」となり「退職控除」として税制上の優遇を受けられます。
退職控除額は下記の計算式で算出されますが、勤続年数によって変わるため金額は人それぞれです。
勤続年数20年以下 | 勤続年数20年以上 |
---|---|
40万円×勤続年数 | 800万円+70万円×(勤続年数-20年) |
ここで、勤続年数33年で退職金が2000万円だった場合の退職控除額をシミュレーションしてみましょう。
勤続年数が20年以上であるため、退職控除額は800万円+70万円×(33-20)=1710万円です。
2000万円から1710万円を引いた290万円に対し所得税と住民税がかかるので、手取り額を多く確保できます。
また、算出した金額が支給される金額を上回った場合、退職控除額が退職金より大きくなるため税金はかかりません。
一方、退職年金で退職金を受け取った場合は「雑所得」扱いとなり、税金の優遇が受けられず公的年金控除となります。公的年金控除は人によって異なるため、自身で調べておきましょう。
少しでも多く退職金を受け取りたい方は、退職一時金で受け取るのがおすすめです。
既に十分な預貯金があり、老後も金銭的に余裕を持ちながら過ごしたいという方は、年金受け取りを検討してもいいでしょう。
退職金を一時金で受け取るメリット・デメリット
退職金を一時金として受け取るメリットは以下の通りです。
・年金で受け取る場合よりも多い金額をもらえる可能性が高い
・住宅ローンや教育ローンなどの毎月の支払いに充てられる
一時金受け取りは、税金の優遇制度を受けられるため、年金として分割で受け取るよりも最終的に受け取る金額が多くなりやすいです。
また、住宅ローンや教育ローンなどの残高も一度に支払えるので、老後の生活費に余裕を持って過ごせるでしょう。
一方で、退職金を一時金として受け取るデメリットは以下のとおりです。
・多額のお金が手に入るので無駄遣いをしてしまう可能性がある
・老後資金が足りなくなる可能性がある
計画的に資金を使わないと老後の生活が苦しくなる可能性もあるので、事前にしっかりと計画を立てておきましょう。
退職金を年金で受け取るメリット・デメリット
退職金を年金で受け取るメリットは以下の通りです。
・公的年金だけで老後を過ごさなくてもいい
・金銭援助が長期間続くので不安が少ない
公的年金だけでは生活が厳しくなる可能性もあるので、退職金を公的年金と一緒に受け取ることで生活に余裕が生まれやすくなります。
また、分割で受け取るので無駄遣いの抑制にもつながります。
一方で、退職金を年金で受け取るデメリットは以下の通りです。
・一時金受け取りよりも受け取る金額が減ってしまう可能性がある
年金受け取りは税制上の優遇措置がないため、最終的な受取金額は減ってしまいます。
年金受け取りにする場合は、退職金のほかに十分な預貯金や資産形成をしておく必要があるでしょう。
賢く退職金をもらって老後の生活を楽しもう
退職金は長年働いてきた自分へのご褒美にできますが、使い方や受け取り方を誤ると損をしてしまいます。
そのときの経済状況によって最適な受け取り方法が異なるので、退職金が出た際に家庭の経済状況をしっかり確認しておくのが重要です。
少しでも将来の不安をなくして、楽しい老後を送れるようにしましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部