更新日: 2023.02.12 セカンドライフ

50歳で貯蓄がありません…「老後資金」の準備は今からでも間に合いますか?

50歳で貯蓄がありません…「老後資金」の準備は今からでも間に合いますか?
50代で貯蓄がなく、将来安心して老後生活を送っていけるか不安を抱いている人もいると思います。子どもの養育費や教育資金、親の介護などもあり、思うように貯蓄ができなかった人も多いでしょう。しかし、50代で貯蓄ができていなくても、まだまだ老後資金の準備をするには遅くありません。
 
本記事では、50代から老後資金を準備するために必要な対策を解説していきます。

執筆者:羽田直樹()

50代で貯蓄なしは全体の約20%

金融広報委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和4年調査結果」によると、50代で年収500~750万円未満の人では、金融資産を保有している額の平均が1070万円、中央値が410万円となっています。
 
同時に貯蓄がない人も20%以上いることもこの調査で分かりました。近年では晩婚化もあり、50代でも子どもの大学受験や進学にかかる費用、親の介護などで一時的な支出が重なり、思うように貯蓄ができなかったのかもしれません。
 
次からは50代からどのように老後資金を準備していけばよいかを解説していきます。
 

老後資金の準備に必要なこと

老後資金を準備するにあたり、まずは毎月積立貯金ができる環境を作ることから始めます。次に説明する方法を実践して月に数万円を積み立てに回せるようにしましょう。
 

支出を見直す

積み立て可能な環境作りの近道は支出を見直すことです。支出を見直すのに何から手をつけたらよいか分からない人もいるかもしれません。支出を見直す場合は、まずは固定費から始めるのがお勧めです。食費やお小遣いを減らすのは精神的につらくなりやすいので、できるかぎり後に回しましょう。見直しやすい固定費は次のようなものです。

●携帯電話代・通信費
●保険料
●サブスク費
●住居費
●車関連費

 
・携帯電話代・通信費
携帯電話代は大手キャリアから格安スマホに切り替える、通信費は光回線からWi-Fiに切り替えるなどで毎月の固定費が削減できそうです。
 
・保険料
ライフスタイルの変化で必要な保障の内容が大きく異なっているかもしれません。例えば、子どもが成人になり独立したのであれば、生命保険の保障内容を一度見直してみましょう。子どもの医療保険に加入していた場合も、解約して自分自身で新たな医療保険に加入してもらうようにします。
 
・サブスク費
月に数百円のサブスク(サブスクリプション:月額課金制等のサービス)に複数入っていれば知らないうちに数千円支払っていることもあるでしょう。加入するときは簡単にできますが、解約となるとおっくうになるのがサブスクです。固定費を見直すタイミングで一度不要なものがないか洗い出してみましょう。 1つでも解約できると簡単に固定費が削減できます。
 
・住居費
住宅ローンがある人は低金利のローンに借り換える。または、毎月のローン返済額が高額の場合は、売却して家賃の低い賃貸住宅に住み替えることも1つの選択肢です。賃貸住宅にお住まいの場合は今より家賃の低い住宅に引っ越しするのもいいかもしれません。
 
・自動車関連費
自動車を保有している人は、維持費の安い車に乗り換える。または車を手放してカーシェアリングを利用することで毎月の費用を抑えられます。
 
このように、見直す項目は実は多くあります。食費やお小遣いなど、なるべく自由に使えるお金には手を出したくないはずなので、まずは紹介した固定費から見直してみましょう。
 

収入を増やす

収入を増やす方法は次の通りです。

●昇進する
●副業をする
●配偶者にも働いてもらう

勤め先で昇進ができれば収入アップに直結しますが、なかなか勤め先での昇進が難しい人もいると思います。その場合は月に数万円でも、無理のない範囲で副業に挑戦してみるのも1つの方法です。
 
配偶者が無職の場合は、月に1万円や2万円でも働いてもらえるか相談してみてはいかがでしょうか。例えば、月に2万円働いてもらい、その2万円を50歳から65歳まで積み立てできれば、65歳時点で360万円貯蓄できます。
 

運用して資産を増やす

50代では晩婚化に伴い、まだまだ支出の負担が大きい状況の人も多いでしょう。そうなれば貯蓄できる額もそれほど多く確保できないかもしれません。貯蓄だけで老後資金の準備が厳しいのであれば、少し視点を変えて運用についても目を向けてみましょう。
 
例えば、前述した方法で50歳から毎月6万円を積立貯金できるようになったとします。その場合6万円のうち、3万円を運用に回します。毎月3万円を年金受給が開始される65歳までの15年間運用した場合、運用の種類によってはリスクもありますが、運用額540万円に対し最終的に約800万円の資産が築ける可能性があります。
 

50代はなるべく早く老後資金の準備を始めましょう


 
ここまで解説してきた「支出を見直す」「収入を増やす」を実践して毎月積み立てできる環境を作り、その一部を運用に回すようにすれば、50歳からでも老後資金の準備は決して遅くはありません。しかし50歳は老後生活までの期間が短いのも事実です。なるべく早く老後資金の準備に取り掛かっていきましょう。
 

出典

金融広報中央委員会知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和4年調査結果
 
執筆者:辻本剛士
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプランニング技能士、宅地建物取引士、証券外務員二種

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