更新日: 2023.02.03 その他老後

高齢の親の携帯料金、「プラン変更」で大モメ! お年寄りにとって「安さ」と「安心」のどちらがよい?

高齢の親の携帯料金、「プラン変更」で大モメ! お年寄りにとって「安さ」と「安心」のどちらがよい?
キャリアや格安SIM業者などの携帯料金のプランは、今も昔も一般消費者にとって、「分かりやすい」とはいい難い現状だ。特に情報を能動的に収集しにくい高齢者は、必要以上に毎月の通信費を払いすぎているケースは少なくないだろう。
 
そのような状況を知ったとき、子どもとしては「無駄なお金を支払ってほしくない」と考えるのは当然のことだ。
 
東京都で暮らすAさん(45歳、男性)も、良かれと思って格安プランを提案した結果、両親の携帯料金をめぐって一悶着があったという。お金だけが指標にならない、高齢者の「安心感」について伺った。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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ガラケーなのに2台で月8000円!?

「正月に田舎に帰省したときに『ガラケーからスマホに替えたい』と両親に相談されたのがきっかけでした。母も父ももう70歳を超えていますから、『どうしていまさら』と思ったのですが、どうやら母親の友人が『もう少しでガラケーが使えなくなる』と言って、ガラケーからスマホに変更したのが気にかかっていたようです」
 
Aさんは一般企業の会社員で、ガジェットに詳しいわけではない。ただ、2026年3月末にかけて通信規格の「3G」が使用不能になるだけで、2016年販売されたモデル(4G対応)を利用している両親にとっては関係ないことを、その場で調べて説明した。
 
そのついでに、何気なく現在の通信料金を聞いたのが、今回の騒動のきっかけだったという。
 
「2人合わせて通信料金は、なんと6000~7000円も支払っていました。多い時は8000円近くの請求になっていることも。なんとなく、割高な料金を支払っているイメージはありましたが、私の倍近くの料金なのは想定外でした。両親は電話も基本は固定電話ですから、ガラケーの最低限の料金なら、普通は1000円代でしょう」
 
明細を見るとその「犯人」は一目瞭然だった。主にDMの受信料が中心の「SMSのパケット料金」が、2人合わせて月平均2000〜3000円程度かかっている上、ほとんど通話しないにも関わらず、約1000円の通話料金が割引なるオプションプランに加入していたのだ。どうやら2016年にガラケーを買い替えた際に、おすすめされて加入したという。
 
「毎月の通話料金がオプションプランの10分の1程度ですからね。一瞬、目を疑いましたよ(笑)。無駄なお金を全部差し引けば、やはり多くて月2000円程度。差額の月額5000円を5年間で計30万円も支払っていたと考えると、やっぱり『もったいない』の一言に尽きますね」
 

格安プラン、業者への乗り換え提案も……

DMの解除とオプションの解除とともに、ついでにAさんは「もっと安くなるんじゃないか」と思い、自分が利用している格安SIMやキャリアが設けている格安プランへの乗り換えを提案した。しかし、両親は「いまさら」や「不安だから」とその提案に乗ろうとはしなかったという。
 
「最初は少し腹が立ち、言い合いにもなりました。私としては『これだけ取られているのに、まだお得意さまでいる必要はない』という感情が強かったのだと思います。ただ、今振り返ってみれば高齢者にとっては、そもそも1000円のために新しいサービス、新しい機種、新しい業者に環境を変えるのが大きな負担なんですよね」
 
キャリアの格安プランの場合、店舗対応はないのが基本だ。どうしても必要な場合は、3000円以上支払わなければならないサービスもある。Aさんと両親は離れて暮らしているため、携帯電話に関わるトラブルがあったときに迅速には対応できない。
 
「提案するからには『こちらも責任を持って面倒を見ないといけない』と考えると、急に気持ちがなえてしまいましたね。だからこそ、なるべく環境を変えずに安くできるところだけ改善しようと改めました」
 

2台を1台に変更。携帯電話の「役割」を明確化する

Aさんはオプションなどの解約の際、父親の携帯電話を解約して母親と共用にした。「そもそも1台にすれば、格安SIMや格安プランと同じ料金になる」という考えだ。両親とも最初は少し渋ったが、ほとんど使っていないことを自覚していたため了承してくれたという。
 
「今も利用方法はほとんど変わっていないですね。『お守り』程度の存在ですが、いざというときに携帯を持ってくれているという『安心』は私にもあると思います。両親とはいえ、他人の家計は見えにくいし、注文を付けるのはなかなか体力がいることを実感しました」。
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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