更新日: 2023.02.02 定年・退職

退職金は何に使う? 無駄遣いしてしまいそうなら「退職年金」の検討もあり?

退職金は何に使う? 無駄遣いしてしまいそうなら「退職年金」の検討もあり?
人生の節目に当たる定年退職時に、退職金としてある程度まとまった収入を得られることがあります。ただし、人によっては無駄遣いをしてしまう心配があるため、分割で受け取りたいと考える方もいるでしょう。
 
そこで、退職金を退職年金で受け取ることが無駄遣いを防ぐために有効なのか考えてみました。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士

2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。
広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

退職年金とは?

退職金という言葉を耳にする機会は多くあっても、退職年金についてはなじみがないという方もいるかもしれません。まずは退職年金とは何か確認しておきましょう。
 
退職年金とは退職金の支給形態のひとつで、退職時に一括で受け取る退職一時金と異なり、一定の金額が年金形式で定期的に支給されます。
 
例えば、1200万円の退職金を退職後の20年間で、毎月5万円を受け取るといった具合です。
 

退職金の使い道は?

多くの方にとっては人生で一番大きな金額を退職金で受け取ることにもなりますが、その使い道は人それぞれでしょう。
 
PGF生命が行った「2022年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」によれば、退職金で検討している使い道で最も多いのが預貯金の67.2%となっており(PGF生命調べ)、いかにも日本人らしい貯蓄傾向が伺えます。
 
図表
 

 
出典:PGF生命 「2022年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」
 
続いて32.9%が何らかの消費行動を検討しているようですが、その内訳としては50.4%と約半数が国内旅行、34%が住宅リフォームとなっています(PGF生命調べ)。また、消費行動には配偶者やパートナーへのプレゼント、自動車の購入なども含まれており、退職金については自由に使うことを考えている方もいるようです。
 

退職金の使い過ぎに注意

退職金の使い道については、20.2%の方が「金融投資」を検討しています(PGF生命調べ)。投資はお金を増やせる可能性がある一方で、損失を出したり、大金を一気に失ってしまったりというリスクもあります。
 
退職金でまとまったお金を得たことで気持ちが大きくなって、これを元手に稼ごうとして投資に失敗したり、投資詐欺に巻き込まれたりして退職金を失ってしまうという話を聞いたこともあるでしょう。
 
株式などの金融関連に限らず、退職金を使って投資を行う場合は、しっかりとリスクとリターンについて確認し、リスクについて許容できる範囲で行うべきです。
 
また、投資以外でも消費行動に使い過ぎてしまい、老後資金として使うはずの退職金が必要なタイミングで残っていないということも起こり得ます。無駄遣いして退職金があっという間になくなってしまわないように、使い道や計画的な使い方についてあらかじめ考えておくべきでしょう。
 

無駄遣いの予防に退職年金として受け取るのはあり?

勤務先によっては退職金について、退職年金として分割での受け取りを選べるほか、一時金と退職年金を併用できる場合もあります。
 
決まった金額を年金として定期的に受け取る退職年金の場合、一度に大金を手にすることがないため、毎月の給料と似たような感覚で退職金を計画的に使っていくことが可能です。また、勤務先の制度にもよりますが、未支給の部分を運用し、支給時に運用益が上乗せされるケースもあります。
 
こうした点を考えると、リフォームや住宅ローンの繰り上げ返済など、まとまったお金を必要とする理由が特にない場合では、退職金の無駄遣いの予防として退職年金での受け取りは十分に有効な選択だといえます。
 

退職金の使い道は慎重に考え、必要に応じて年金での受け取りも検討

退職金は預貯金に回すことを検討している方が大多数となっている一方で、旅行などの消費行動に使うことを考えている方もいるようです。
 
老後の人生では、退職金が重要な役割を果たすことになります。大切な退職金を無駄遣いしてしまわないように、使い方については十分に考え、退職年金として年金形式で受け取ることも検討してみてください。
 

出典

PGF生命 2022年の還暦人(かんれきびと)に関する調査

 
執筆者:柘植輝
行政書士

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