更新日: 2023.01.31 その他老後

老後は夫婦2人「年収260万」の生活に!? 年金の平均受給額から不足分を検証

老後は夫婦2人「年収260万」の生活に!? 年金の平均受給額から不足分を検証
日本年金機構によると、令和4年度の標準的な厚生年金の受給額(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)は月額21万9593円で、年収にするとおよそ260万円になります。
 
老後の生活プランを考え始めている人にとっては、この金額でゆとりを持った生活が送れるかどうか気になるところではないでしょうか。
 
そこで、この記事では標準的な年金額を受け取っている場合に、老後の生活費が不足するかどうかについて検証した結果を紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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厚生年金の計算方法とは?

老後にかかる生活費を紹介する前に、まずは厚生年金の計算方法を把握しておきましょう。
 
厚生年金で受け取れる金額は、現役世代で受け取っていた給与や賞与などの報酬によって変わります。なぜ、給与や賞与などによって受け取れる年金額が変わるかというと、毎年一定額を納める国民年金と違って、厚生年金は受け取っている報酬によって納める保険料が変わるからです。
 
例えば、先述の日本年金機構が公開している標準的な厚生年金の受給額は、「平均標準報酬(賞与含む月額換算43万9000円)で40年間就業した場合」が前提となっており、2人分の老齢基礎年金の満額分を含んでいます。厚生年金の受給額と保険料は現役時代の報酬に比例するので、平均標準報酬が月額換算で43万9000円より低かったり、就業期間が40年未満だったりした場合は月額21万9593円ももらえません。
 
つまり、厚生年金の受給額は人それぞれ異なります。今回紹介する年金受給額(月額21万9593円)と年収260万円という計算は、あくまでも1つのシミュレーションであるという点は頭に入れておいてください。
 

標準的な厚生年金受給額の世帯は赤字になる可能性が高い

それでは、老後にかかる生活費を見ていきましょう。
 
総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)家計の概要」によると、「65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)」の1ヶ月の消費支出は22万4436円となっています。つまり、標準的な厚生年金受給額の世帯では、毎月4843円(22万4436円-21万9593円)の赤字です。
 
厚生労働省の「令和3年簡易生命表の概況」によると、平均寿命は男性81.47歳、女性87.57歳なので、仮に老後の20年間にわたって毎月4843円の赤字が続くと仮定すると、およそ116万円(4843円×12ヶ月×20年)足りないことがわかります。
 
ただし、ここで注意しなくてはいけないのは、家計調査年報の消費支出に記載されている内訳です。
 
内訳を見てみると、住居費の平均がおよそ1万7000円(7.4%)となっており、持ち家で住宅ローンを返し終わった人が平均値を押し下げていることが推測されます。そのため、賃貸住宅に住んでいたり、住宅ローンがまだ残っていたりする人は、毎月の赤字額がその分だけ増えるので老後資金をもっとたくさん貯めておく必要があります。
 
また、老後の生活費を考えるときは、消費支出とは別に固定資産税や住民税などの非消費支出(家計調査年報によると毎月3万664円)がかかることも忘れないようにしましょう。
 

老後に得られる収入と支出を把握して対策を練ろう!

今回紹介した日本年金機構と総務省統計局の資料からは、標準的な厚生年金を受給している世帯の毎月の家計は赤字になる可能性が高いことがわかりました。
 
ただし、厚生年金の受給額や保険料が人それぞれ違うように、ライフスタイルもまた人それぞれです。もしも赤字になりそうなときは、趣味や旅行の支出を抑えるなどの工夫をすれば、老後生活を不自由なく送れる場合もあります。
 
大切なことは老後に得られる収入と支出を事前に把握し、必要に応じて働いたり節約したりして対策を練ることです。今回紹介した内容を参考にして、理想の老後生活を考えてみてください。
 

出典

日本年金機構 令和4年4月分からの年金額等について
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年) 家計の概要
厚生労働省 令和3年簡易生命表の概況
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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