父が病気がちで母が認知症です。もしも相続になった場合はどうしたらいいですか?
配信日: 2023.01.26
そこで本記事では、相続人が認知症の場合にできる手続きについて解説するとともに、相続になる前にできることについて紹介します。
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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相続人が認知症の場合の相続手続きや相続放棄の問題点
金融機関の口座にある預金や定期預金などを相続する場合は、必要書類を準備し、相続人全員の署名と届出印の押印が必要となります。
しかし、相続人が認知症の場合は意思決定能力がないと判断され、相続手続きの承認ができません。そのため、相続手続きが滞ってしまいます。
また、相続放棄をすることも考えられますが、相続放棄の申述を、相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月以内にしなければいけないため、相続人が認知症の場合は相続放棄の申述をすることは難しいといえます。
成年後見制度を利用する
そこで、相続人が認知症の場合にできる手続きとして、成年後見制度を利用することが考えられます。
成年後見制度は、認知症などで判断能力が不十分な人を保護や支援する制度です。財産の管理や相続などの協議を成年後見人が行います。
成年後見制度を利用する際にかかる期間
成年後見制度には、法定後見制度と任意後見制度の2種類があります。
法定後見制度は、家庭裁判所が選定した成年後見人が、法律で定められた範囲内で保護や支援を行うものです。
一方で任意後見制度は、本人に判断能力があるときに任意後見人となる人や代理の内容をあらかじめ決めておき、本人の判断能力が不十分になった際に、決めていたとおりのことを行うようにする制度です。
成年後見制度を利用する際は、申し立てから法定後見の開始まで約4ヶ月かかります。相続手続きもその間は滞ってしまうことは覚えておきましょう。
また、相続放棄は、相続放棄の申述を相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月以内にしなければいけませんが、認知症の場合は相続の開始があったことを知らないといえるため、法定後見の開始まで4ヶ月がたっていたとしても問題ありません。
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被相続人が遺言書を作成しておく
相続になる前にできることとしては、遺言書の作成を挙げることができます。遺言書は「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」があります。
「自筆証書遺言」は、被相続人(遺言者)が内容や日付、氏名を手書きし、押印して作成します。財産目録はパソコンなどで作成することも可能です。
また、「公正証書遺言」は、2人以上の証人が立ち会った上で、被相続人(遺言者)が遺言の内容を公証人に話し、公証人の筆記によって作成します。
遺言書を作成しておくと、被相続人の意志や思いが反映された相続となるため、相続人が認知症だった場合でも手続きがスムーズです。例えば、認知症の相続人以外に財産が渡るように遺言書を作成しておくことが考えられます。
いずれ相続になることを考えて準備しておきましょう
本記事では、相続人が認知症の場合にできる手続きについて解説するとともに、相続になる前にできることを紹介しました。
相続人の中に1人でも認知症の人がいると、相続手続きが進まないことが考えられるので、成年後見制度の利用や、遺言書の作成についても検討してください。
将来のことを見据えて、あらかじめ準備しておきましょう。
出典
裁判所 相続の放棄の申述
法務省 成年後見制度・成年後見登記制度 Q1~Q2「成年後見制度について」
法務省 成年後見制度・成年後見登記制度 Q21~Q25「制度の利用について」
内閣府大臣官房政府広報室 政府広報オンライン 知っておきたい遺言書のこと 無効にならないための書き方、残し方
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部