更新日: 2019.01.10 介護
ケアマネージャーで大きく左右される 快適な介護生活とは
Text:新美昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。
ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/
ケアマネージャー選びの勘所
●ケアマネージャーの探し方
市区町村の介護保険の担当窓口でもらえる事業者リストから、自分で選んで電話をして探すのが一般的です。介護保険サービスを利用している知人がいれば、紹介してもらうという手もあります。
●専門分野はなにか
ケアマネージャーの持っている資格には、大きく2つに分類することができます。介護福祉士や社会福祉士などの福祉系の資格を持っている人と、看護師や理学療法士などの医療系の資格を持っている人です。また、ヘルパー歴5年以上などの現場経験を持った人もいます。
医療的な処置や配慮が必要な方は、看護師など医療系の資格を持ったケアマネージャーが安心です。どのような介護を望むのかよく考えて、自分に合ったケアマネージャーを見つけましょう。
●利用者本位かどうか
利用者の立場に立って、本人や家族の意向にきちんと耳を傾けてくれ、利用者本位のケアプランの作成や、プロとして具体的にわかりやすく平易な言葉でアドバイスをしてくれるケアマネージャーが理想です。
また、介護について幅広い知識を持っていて、急を要する場合にすぐ駆けつけてくれ(フットワークがいい)、頼んだことを迅速に処理してくれる(スピード感がある)誠実な人が好ましいです。連絡調整役としての能力(ネットワークの広さや強さ)、専任かどうか、担当件数が35件を超えていないか、ケアマネージャーとしての経験年数は十分かなどもよく確認しましょう。
ケアマネージャーと相性が悪いとき
理想のケアマネージャーは残念ながら多くありません。介護業界に限らず、どの業界にも利用者本位で、対応が早く、誠実な人というのは少ないのが現実です。
ケアマネージャーとは長い付き合いになります。ある程度の妥協は必要です。気に食わないからと、次々にケアマネージャーを変更していたら、担当してくれるケアマネージャーがいなくなってしまった、という事態にもなりかねません。
しかし、我慢する必要はありません。場合によっては相性が悪く、信頼関係を築くのが難しいということもあると思います。
ケアマネージャーの言動に疑問を感じたら、我慢せず、直してほしい点を率直に伝えてみてはいかがでしょうか。コミュニケーション不足からお互い誤解をしているというケースもあります。率直に伝えることで関係が改善するかもしれません。
それでもうまくいかないと感じたら、ケアマネージャーが所属する居宅介護支援事務所(介護サービスを提供する事業者)に交代をお願いしてみましょう。居宅介護支援事業者の対応が悪ければ、居宅介護支援事務所自体を変更することもできますので、この場合は、役所の介護保険窓口に相談しましょう。
また、ほかの居宅介護支援事業者を利用している人から、その事務所やケアマネージャーを紹介してもらうということも一つの方法です。切り替えのタイミングは請求書の区切りのいいところがよいでしょう。
ケアマネージャーを変更しなければならないケース
せっかく、相性のよいケアマネージャーに巡り会えても、小規模多機能型居宅介護やグループホーム、介護付き有料老人ホーム、介護保険施設などに入所した場合には、これら施設のケアマネージャーにケアププランを作ってもらうので、今までのケアマネージャーは変更しなければなりません。
Text:新美昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。